ここ数か月(source)、SOAの終焉をささやく声がますます頻繁に聞こえるようになった(source)。今まで聞いた話の内容からすると、今回はGartnerが「Trough of Disillusionment(幻滅期)」と呼ぶ(source)時期にすぎないであろう。しかし、InfoWorldはこう語っている。
ZapThinkの最新記事(source)では物事を大局的に見ようとしているが、まさにこのことを念頭に置いている。「(中略)モデルは誤った方向や無知という危険に陥っているおそれがあり、SOAが単なる製品機能を表す、使い古した敬称になってしまう可能性があります。これは結局、多かれ少なかれEAIにも起こったことです。SOAの存在を脅かしているかもしれない一団とは、統合プラットフォームベンダ、エンタープライズアーキテクト、ある一定の産業アナリスト、CIOなどです。」
「役員や個人経営者からかなり多くの時間と予算を要求する傾向はいずれも、すべてのパーティの利益が満たされるよう、批評的に考察する必要があります。結局、誇大広告ばかりで実体がないという傾向から利益を得る人はほとんどいません。」
アナリストによると、SOAが失敗する最も多い原因は、不適切な使用である。「1つのサイズがすべてに合うわけではない」という議論は、ビジネスケースが理にかなったものでないときに企業がエンタープライズにわたってSOAを使用しようとするなら、この落とし穴を見事に言い当てているように見えるだろう。
「基本原理では、SOAはエンタープライズアーキテクチャの1つの側面で、それゆえにその範囲は企業規模であるということ、または、SOAが重要で戦略的であるため、企業規模レベルで実行する必要があると言われています。他のIT個人経営者は、単に主要なイニシアチブのすべてを企業規模で実施することに慣れているため、なぜSOAだけ異なった扱いをするのかを疑問に思います。その理由とは、SOAがプロジェクトや技術ではなく、アプローチであるからです。」SOAは決してすべての問題にふさわしいわけではなく、常に、SOA原則を利用する時と場所(および可否)を決定することが、SOAを使用するあらゆる試みにおいての第一歩となるべきである。技術、方法などの不適切な使用(または使用過多)はしばしば、われわれの業界においてその転落を引き起こしてきた。
著者に関する限りは、以下のとおりである。「企業が何百万ドルもかかる未検証の技術を使用して、正当性のないビジネスケースを背景に、まだ実証されていない何百ものサービスを実装しようとするとき、彼らは重大な失敗のリスクを負います。これらのSOAが約束どおり効果を発揮するのに失敗すると、彼らは自らの努力や使用製品、または方法を責めるでしょうか?もちろんそうではありません。彼らは、SOA自体に罪をかぶせるのです。」
「その一方で、調査の行き届いたSOAプロジェクトは、しばしば著しい成功を収めています。SOA成功の大部分のケーススタディは、おそらく部門レベルでさえ特定のビジネス問題にこだわっている組織、およびサービス指向の方法で問題を解決している組織に関連します。SOAの勝者は、成功の秘訣が、特定の問題に関するソリューションに焦点を当て、それを十分に解決することにあるということを熟知しています。」
次に、記事はエンタープライズアーキテクチャチームをSOA原則利用の最も良い方法と主張する内容に移るが、この理由は、SOAのベストプラクティスがどのようにビジネスソリューションを促進するかを理解するのに必要な技術的眼識と、同時にビジネスを理解するスキルを持つ人はほとんど存在しないためである。たとえば、事業部門の代表者、アプリケーション開発、データモデリング、プロセスモデリング、セキュリティ、およびネットワーク運営の役割などを含む部門間協力のチームの構築は、SOA展開の成功の主要要素となり得る。
組織にわたって求められる強力な教育要件が存在する。
「ビジネスにソリューションが見えた場合、時にしてITは盲目となります。IT部門は何度も繰り返し、SOAをハンマーとして使用し、すべての問題を釘とみなして近づこうとします。実際、調査が行き届いていないSOAプロジェクトの兆候を生む原因の一部は、SOAを適切に使用する能力のなさ(または経験のなさ)です。(中略)科学技術者はしばしば、特定の技術アプローチに関して防御態勢に入り込みます(REST対Web Services anyone?)。これらの議論は、目前のビジネス問題には全くと言っていいほどほとんど関連せず、意味論の杓子定規な議論に発展する傾向があります。実際のところ、ビジネス問題を解決できる技術アプローチはどれも有効であり、いずれにしてもおそらく数年たてば、より良いものを支持して置き換えられるでしょう。」
しかし、記事は、SOA原則に基づいてアプリケーションを展開する予定の人、また既存の展開を続行するための正しいスキルを適所に持っているかどうか疑問に思っている人に対しての堅実なアドバイスで締めくくられている。
「SOAを利用して問題を解決しようとする賢明な設計者およびビジネス管理者は、SOAが成功をもたらす時期、また不適切に押し込められている時期について正確に把握するべきです。このような把握には、人、技術、プロセス、および既存の環境と提案されたソリューションの方法の現実的な評価、およびあらゆる潜在的ソリューションの欠点も含まれます。そのようなバランスのとれたアプローチは、SOAでの成功の可能性を高めるのに役立ち、決してSOA自体の価値を消すことはありません。」原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2007/10/whatiskillingsoa