GigaSpacesのプラットフォームは、プロセシングユニットの考え方を採用して、スペースベースアーキテクチャで記述されたアプリケーションをスケーリングするための基礎を提供する(以前の報道から引用)。
スペースベースアーキテクチャにおいて、プロセシングユニットとは、アプリケーションのスケールとフェイルオーバーのユニットを意味します。通常、これには待ち時間/ランタイムの依存が大きいアプリケーションサービスおよびミドルウェアコンポーネントのすべてが含まれます。これらのサービスは単独のコンテナ(プロセシングユニット)の下でカプセル化され、これらのコンポーネントすべてに対して一貫したスケーリングとフェイルオーバー動作が包括的に維持されます。例えば、エラーイベントは、ミドルウェアコンポーネント(メッセーギング、データグリッド)とそれに関連するビジネスロジックの両方のリカバリプロセスを自動的にトリガします。こうして、エラーイベントが発生し、メッセージングシステムがイベントの引き渡しを開始するが、アプリケーションサービス側でその処理を行う準備が整っていないという事実から発生する部分エラーや一貫性のないビヘイビアが避けられます。待ち時間の観点からすると、これらのコンポーネントをすべて同じランタイムコンテナ内でカプセル化すると、純粋にメモリ内で相互に影響するため、ネットワークのオーバーヘッドが低減します。スケーラビリティはプロセシングユニットの追加と同じくらい単純になります。言い換えれば、データ、ビジネスロジック、および/またはメッセージング層を個別にスケーリングする必要がないのです。
InfoQは、Geva Perry氏に主力商品を無料で提供する背景にあるビジネス戦略について尋ねた。
この方法は、新興企業、GigaSpacesのエンタープライズ顧客、および当社のビジネスすべてに有益です。新興企業にとっては、ビジネスが成長するにつれて、ほとんどまたはまったくコード変更なしにアプリケーションを簡単にスケールアウトできる能力が何よりも重要です。Nati Shalom氏は、高名な自身のブログ投稿において、最近サンフランシスコで開催されたQConからの印象を述べ(source)、新興企業がなぜ最初からスケーラビリティに取り組まないかについて触れました。歴史的に見て、スケーリングは複雑であるため、初期段階の会社は製品化までの時間の方に関心が深く、この課題を先延ばししがちです。しかし、GigaSpacesではこの複雑性が排除されており、そのトレードオフを行う必要がありません。残る問題はただ1つ、コストです。当社はStart-Up Programにおいてその問題も排除しようとしています。これは新興企業でない顧客にとっても好都合で、その理由はGigaSpacesの導入が進めば進むほどGigaSpacesユーザのコミュニティも大きくなり、最終的にはより強固でリッチな製品が実現するからです。これはGigaSpacesにとって、ビジネスとして真に理にかなっています。当社はエンタープライズビジネスの構築に多大な成功を収め、顧客には世界最大規模の銀行、電話会社、政府機関、ウェブ企業などが含まれます。当社の収益を見ると、売り上げが500万ドル未満の会社から得られる数字はほんの一部分です。この無料サービスの提供によって、これらの顧客を早い段階で獲得することができ、彼らのビジネスが成長すると、当社にとっても収益を上げる機会が得られます。当社は根本的に顧客とリスクを共にしており、言わば「相手の稼ぎは自分の稼ぎ」というわけです。申請者の収益が本当に500万ドル未満であることを保証するための監査方法について、Geva氏はこう答えた。
そこには自己管理力が働き、それがうまく機能しているため、実際には監査の必要はありません。第一に、売り上げやVCの財源規模の大きな会社が故意に契約を違反する可能性は低いため、違反が起こる大きなリスクがあるとは思いません。たとえ気づかないで起こったとしても、それほど大きな問題ではありません。なぜなら、GigaSpaces上で構築した結果アプリケーションに何か起こった場合、ある時点で、顧客はSLAが必要な年中無休のフルサポートを求めることになるからです。このサポートを受けるには、当社に連絡する必要があります。さらに、当社では実際に人がアプリケーションを見ているため、スタートアッププログラムにあまり適合しないと思うアプリケーション(学術研究など)があれば、メールを送って状況を尋ねるだけです。
クラスタリング&キャッシングスペースには、Coherence(Oracle所有でないもの)、Gemstone、および1年前にJavaクラスタリングソリューションがオープンソース化された(source)Terracottaなど、いくつかの競合相手が存在する。一定の市場区分に向けて無料化を行うことが、最終的には製品をオープンソース化する第一歩であるかをGeva氏に尋ねると、以下のような答えであった。
当社が注目を強めているのはハイブリッドモデルの考えであると思います。無料のオープンソースという1つの極端な形から、皆がお金を支払うクローズソースという別の極端な形までモデルの範囲があります。それから、商用オープンソース(JBoss、MySQLなど)のような中間の形も存在します。オープンソースは、(ユーザへの)参入障壁を下げ、大規模なコミュニティを育成するため、導入が早いという利点があります。しかし、オープンソース関連で成功するビジネスを構築するのは難しく、今までのところ、商業的な成功例が明確に見られたのは、製品カテゴリが成熟している分野、もっと言えば商品化された分野においてのみです。GigaSpacesは革新的な技術に取り組んでおり、優れたエンタープライズビジネスを誇っているため、異なるモデルが必要でした。当社はAtlassianやJive Softwareなどの企業が行っていることに非常によく似た道を進んでいます。当社は、社内で「累進モデル」(「累進課税」をもじったもの)と呼ぶモデルの実現に懸命に努力しています。当社の製品を使用して収益を得る顧客はそれに対してお金を払うべきであるという意味で、これが結論です。当社の収入源はまさにそこにあります。ただし、見込み客は他にもいます。つまり、学会、新興企業、評価する人達で、彼らはソフトウェアに無料でアクセスできるべきです。さらに、これはより大きな努力が必要となる部分です。当社はOpenSpacesフレームワークをオープンソース化しましたが、これはSpringフレームワークベースのGigaSpacesの主力APIです。近い将来、コードの投稿が可能な真のコミュニティサイトであるOpenSpace.Orgを開始する予定です。また、オンラインドキュメントへのフルアクセスを提供し、無料のCommunity Editionを介したオープンソースプロジェクトに取り組みつつあります。これらは、家宝を無料で与えることなくして「オープン企業」となり得るほんの一例です。したがって、今の質問への答えは、予測できる将来にオープンソース化は行わないが、オープンかつコミュニティ重視となるべく賢明に努力している、ということになります。Matt Asay氏がブログ内でうまく表現したように、GigaSpacesは不足の哲学ではなく、潤沢の哲学に従っているのです。.ジョージア州アトランタにある新興企業のVertical Acuityは、GigaSpaces Start-Up Programに参加した。エンジニアリングを指揮する同社の共同創立者Brent Walker氏はこう述べている。「GigaSpaces Start-Up Programとの出会いは、当社にとって完璧なタイミングです。当社はGigaSpaces製品が提供するスケーラビリティやパフォーマンスから利益を得たかったのですが、元手のみが調達できたので、このプログラムの経済的メリットが確実に利用できます。」Vertical Acuityは、自動車や保険など特定の産業において、顧客にオンラインアクティビティに基づく市場および競合情報を提供するウェブサービスを開発中である。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2007/11/gigaspaces-free