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より優れたメトリクスの創出

エコノミスト誌の最近の記事(source)では、ここ2世紀の間の最も素晴らしい図表の3点に敬意を表している。フローレンス・ナイチンゲールが作成したクリミア戦争中の疾病の影響を表す図(source)、ナポレオンの失敗に終わったロシア侵攻を表したシャルル・ジョゼフ・ミナールの表(source)、そしてウィリアム・プレイフェアの(source)、250年以上にわたり小麦の価格と「優秀な機械工の週給」とを比較したグラフの3点である。統計情報を表すのに図表を使うことを最初に考案したのはプレイフェアであった。

ウィリアム・プレイフェアは)情報を提供するだけではなく、人を説得したりキャンペーンを行うためにデータを使用したいと考えた一連の経済学者や統計学者、社会改革論者達の最初の一人であった - そして視覚的に理解すると大抵気持ちもついてくるということを知っていた。

この記事ではEdward Tufte氏(source)の業績にも触れているが、彼は統計グラフィックスの分野において非常に影響力の大きな人物である。著書の「Beautiful Evidence(source)」の中で、Tufte氏は6つの「分析的なデザインの基本原理」を説明している。

比較を示すこと
統計的に推論する際の基本的な分析活動は「何と比較して?」という疑問に答えることである。


因果関係を示すこと


さまざまな変数を示すこと
我々が理解しようとしている世界は非常に多変数なものである。


根拠を統合すること
単語や数字、イメージ、図表を完全に統合すること。


根拠を文書化すること
詳細なタイトルをつけ、著者やスポンサーを示し、情報源を記録し、全体の測定基準を示し、関連する問題を指摘すること。


特に内容が重要
分析の発表は究極的には、その内容の品質や妥当性、完全性にかかっている。

優れた図表の背景にある原則を理解することにより、アジャイルの実践者達はこれらの原則を使って、もっと効果的にメトリクスを示すことができるのだろうか?さらには、これらの原則を使用して、もっと意味のあるメトリクスを明確にし、作り出すことはできるのだろうか?The Visual Display of Quantitative Information(source)の第8章で、Tufte氏は優れた図表のパターンの決定に彼のデザインの原則を利用している。その一つは「スモール・マルチプル」と呼ばれる、たくさんの類似したイメージを比較できるように並べるものである。このパターンの有益な利用法は、一つの製品の開発を一緒に行っている複数のスクラムチームのスプリント終了時のバーンアップ・チャートを示している。


Small multiple chart: three teams, three sprints


これらのチームの規模やスプリントのスケジュール、各スプリントに割り当てられたストーリーの単位がおおよそ同じであると仮定すると、この図表はたくさんの見識を明らかにしている。驚くこともないが、すべてのチームは最初のスプリントの間は苦労して進めていた。チームAには安定した速さがあるが、絶えずオーバーコミットしており、ストーリーを後のスプリントに動かすことが必要になっている。チームBは速度にむらがある。チームCは早くから問題を抱えていたが、今は順調に進んでいるようである。チームの仕事ぶりを評価することはマネージャにとってしばしば困難な作業であるが、このような同一条件での比較は、組織内のリーダー達が「何と比較して?」という極めて重要な質問に対して回答するのに役立つ。

もちろん、メトリクスは単なるツールであり、-どんなツールでもそうであるが-誤用されることもある。しかし、図表を用いたデザインの原則の革新的な利用は、アジャイルチームがより優れたメトリクスを作り出すのに役立ち、それを鵜呑みにしなければ、アジャイルのリーダーたちがプロジェクトチームの問題を発見し解決する助けとなるのだ。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/01/better-metrics

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