最新の web2.0 アプリケーションを開発するとき、パフォーマンスの問題は切っても切り離せないものである。そして、多くのパフォーマンス問題は何気ない操作によって生じるのである。最近、Coach Wei 氏(source)は、様々なブラウザ毎のパフォーマンスの違いと同様に、ブラウザ毎の Javascript 動作の速さに関して調査する仕事(source)を引き受けた。その調査の結果は、それほど驚くようなものではなかった。
案の定、eval 関数のパフォーマンスはどのブラウザ上でも非常に遅く、劣悪なものだった。 しかし、eval 関数の実行速度は、IE7 と Firefox ではそれぞれ 172ns、546ns と劣悪なものであったが、それらに比べて Safari では 9.4ns と速く、その点に関して非常に興味をそそられる調査結果となった。一方、配列に対する shift と join の操作はどのブラウザ上でも重い。
IE は他のブラウザに比べて特に内容領域(Box model)の計算、文字列の操作、そして DOM といった重要な分野でパフォーマンスの悪さが目立つ、という予想通りの結果となったのは興味深い。同様に興味深いのは、(すでに述べたとおり) DOM 操作は全てのブラウザバージョンを通じてコストがかかるが、新しいバージョンでは多少の改善が見られるということだ。しかし、同じことで innerHTML と DOM を使用した場合、未だに innerHTML を使った方がパフォーマンスは良い。
調査において注目すべきその他の結果は以下のとおり。
- Safari において、配列の pop 操作は、他のブラウザより特に遅い
- computed style と computed box model の計算は負荷が高い…これは呼び出しのたびに currentStyle オブジェクトのプロパティが再計算されているためだと思われる
- オブジェクト生成と in 演算子による操作は、Firefox が他のブラウザよりも遅い
パフォーマンスのボトルネックを調べる際の資料として、この調査結果は一見の価値があるだろう。