ISOがOOXMLをオープンスタンダードとして承認していないにもかかわらず、MicrosoftはOOXML SDKをリリースする予定である。OOXMLスタンダードの公認に向けた最近の動きの中で、MicrosoftはISO委員会でアメリカを代表するInterNational Committee for Information Technology Standards (INCITS)(サイト・英語)から前向きな投票を得た。2度目の投票はISOで、5月に実施されることになっている。 政府機関で使用されるアプリケーションのオープンスタンダードドキュメントフォーマットを政府が必要としてから、MicrosoftはOOXMLを推し進めている。
OOXML SDKのCTP 1は2007年の6月にリリースされ(source)、その2弾であり、最終バージョンが来月リリースされる予定である。その一方でSDK1.0の最終バージョンが5月にリリースされることになっている。続くバージョン2.0がCTPとしてこの夏、利用可能となり、最終バージョンがOffice 14の一部としてリリースされる。ここ(source)でSDKの完全なロードマップが参照できる。
MicrosoftのテクニカルエバンジェリストであるDoug Mahugh氏によると、バージョン1.0には以下の機能がある。
- Open XMLドキュメントのパーツへの型付きアクセス(典型的な例:ワープロ文書の本文またはスタイル部分のクラス、スプレッドシート文書のワークブックおよびワークシート部分、プレゼン文書のプレゼンおよびスライド部分)
- 既存のその他のAPIに比べ、Open XMLドキュメントのパーツへの単純なアクセス(例:パーツを検索または置換するコードの1行)
- 「Linqにやさしい」注釈機能でデベロッパがXMLテクノロジーへのLinqでSDKを使用することを可能にする。
- June 2007 CTPバージョン以来、デベロッパコミュニティからのフィードバックごとの一貫性およびネーミングの変更(.NETのネーミング規則の遵守を含む)
- May 2008 RTW(Webでリリースされる)バージョンは稼動準備が整っており、デベロッパはそこでシップ製品をビルドすることができる
バージョン2.0には、以下の機能が追加される。
- パーツでのデベロッパの作業を簡略化する追加のクラスやメソッドを含むコンテンツオブジェクトモデル(例:パーツでの特定の段落、スタイル、セル、またはシェイプを検索したり修正したりするメソッド)
- すべてのドキュメントタイプでコンテンツの簡易的な検索をする、検索機能
- 修正や作成された文書がOpen XMLスタンダードに準拠しているかを検証する、検証機能
- ハイレベルな「シナリオベース」の機能(例:文書内でのすべての訂正を受け入れ、テンプレートから文書を作成)
- 共有ML機能(例:DrawingML図表のパーツのクラスや複数のドキュメントタイプで見られるその他のパーツ)
基本的に、SDKはデベロッパがOOXMLを使用して、Officeドキュメントを開いたり、読んだり、記述したり、作成したりできるアプリケーションを記述することを可能にする。近い将来OOXMLスタンダードは変更され、承認されるために必要なISOによって要求されるさまざまな仕様を満たす可能性があるので、Microsoftはその標準を反映するためにSDKのアップデートを約束している。SDKは無償で利用可能になる予定である。