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並行処理フレームワークのJPPF1.1、TCPマルチプレクサとJMXモニタリングをサポート

Java ベースのオープンソース並行処理フレームワークであるJPPF(サイト・英語)の最新版は、JPPFがセキュアなファイアウォール環境で動作することを実現するための、 TCP port multiplexer(サイト・英語)というネットワーキングツールを搭載している。JPPFチームは、これに加えてJMXベースのノードモニタリングとマネジメント機能を搭載した、フレームワークのバージョン1.1(サイト・英語)をリリースした。

この最新版のJPPFフレームワークがリリースされる前は、通信層固有の構造が理由で、セキュアなネットワーク環境でJPPFを統合することは簡単ではなかった。JPPFを機能させるには少なくとも3つのTCP/IPポートが必要だが、多くのファイアウォール環境ではポートが一つに限られる。このため、許可されていないポートからのアクセスを防いで、ネットワーク通信をブロックしてしまう。

新しいTCPマルチプレクサは、複数ポートからやってくるネットワークトラフィックを単一ポートを使ってルーティング可能にすることで、この問題に対応している。これにより、SSH経由、またはTCP/IPアクセスのトンネリングが可能な他のプロトコル経由で、マルチプレクサからマルチプレクサへのトラフィックをトンネリングすることが可能になり、更に、同じトラフィックを単一ポートからネットワークの反対側の複数のポートまでルーティングできる。

最終的にJPPFコンポーネントは、リモートのJPPFサーバではなくローカルのマルチプレクサインスタンスに接続するだろうが、それを除けば、まったく同じように動作することになる。このことは、複雑なハードウェアやソフトウェアインフラをデプロイしなくても、厳重なセキュア環境でJPPFをデプロイできるという可能性を広げる。

既存のJPPFクライアントコードに手を加えることなく使えるように、TCPマルチプレクサツールは、JPPFコンポーネント(クライアント、サーバ、ノード)とは別になっている。マルチプレクサインスタンスは、それぞれ別のプロセスとしてデプロイされる。

JPPF1.1 搭載でリリースされたマルチプレクサの最初のバージョンは、現在JPPFトラフィックにのみ対応した基本機能を提供している。その後のバージョンでは、どのTCP/IPトラフィックでも動作する要素が追加されるだろう。これは、ユーザが非標準ポート用に設定されたwebサーバと交信すること、またはファイアウォールの奥にあるJ2EEサーバに対して直接EJB呼び出しを行うことを可能にする。このTCPマルチプレクサの今後のバージョンは、それとは別に開発された、以下のことを可能にするフィルタに対応する機能を持つ予定だ。

  •  マルチプレクサ間のデータの暗号/復号化
  • HTTPとSOCKSプロクシで動作させるなど、上位レベルのプロトコル内のカプセル化

JPPFのリリースに伴う新しい機能(source)は他に以下のものがある。

  • ノードの実行スレッドプールを動的に更新できる新しいノードマネージメント機能の追加
  • JMXベースのノードモニタリング機能の追加。管理者がノードシステムやJava環境の詳細などの統計を収集することができる

ノードモニタリング機能はJVMの状態や、システム変数および環境変数、使用可能なCPU等の情報を得るために活用できる。これらの統計はJPPF管理コンソール(source)から入手できる。GUIコンソールから入手できる他の情報は、ノードの状態、タスク実行状況(タスクが実行されているかどうか)、実行されているタスク数等を含む。特定のタスクを管理コンソールからキャンセルまたは再起動できる。

管理者と開発者は、どのように負荷が処理されるかを把握することができる実用的な状態スナップショットだけではなく、ノードがどの環境で実行されるかの概観をも掴むことができる。この情報はJPPFモニタリングコンソールから、または専用のAPIを通して入手できる。

JPPF チームのLaurent Cohen氏は、今はまだ、いつ、どこで、そしてどのようにJPPFのジョブが実行されるかをユーザと管理者がコントロールできる、次期のメジャーバージョンの新しい機能のために基礎を固めている準備段階だと話した。 JPPFのジョブはノード情報へのアクセス権を持ち、ジョブが実行される条件の細かい定義を提供する、実行ポリシーに関連付けられるだろう。

JPPF プロジェクトの将来的なロードマップは、集中的な計算処理を要求する大容量のトランザクションエンタープライズアプリケーションに使用される Gigaspaces(サイト・英語)に重点を置いた、大規模なインテグレーション作業と、ビジネスルールエンジンのインテグレーションを含む。他には、ビジネスプロセスマネージメント(BPM)やExtrace/Transform/Load(ETL)フレームワークの統合、更にロードマップにはJPPFグリッドツールキットへのマルチエージェントシステム機能の追加が含まれている。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/04/jppf-tcp-multiplexer

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