NET 3.5/VS 2008のService Pack1ベータは、ADO.NET Entity FrameworkとData Services、Frameworkのクライアント専用バージョン、および3.0と3.5のライブラリの大部分への変更を含む、多くの新機能とライブラリを提供する。その名前にもかかわらず、多くの開発者にとって、このリリースは3.5自体と同じくらい重要である。
セキュリティ
企業の開発者の間で多くみられる不満は、.NETアプリケーションは実行前にローカルハードドライブにコピーする必要があることだ。このサービスパックでは、LocalIntranetゾーンに一覧されたコンピュータに格納されているアプリケーションを、デフォルトで全面的に信頼して実行できる。これは、同一フォルダ内の、ただしサブフォルダ内ではないアセンブリにまで及ぶ。.NET Security Blog(source)に、さらなる詳細がある。
Webアプリケーション
IIS7モジュールおよびハンドラ用の新しいプロジェクトテンプレートが含まれている。これに関する詳細については、IIS拡張性(source)に関するMike Volodarsky氏の記事を見てほしい。
また、JavaScriptサポートも強化された。Scott G氏は次のように書いている(source)。
VS 2008 SP1は人気のあるJavascriptライブラリに対するはるかに優れたインテリセンスサポートを追加します(私たちは特に、JQuery、Prototype、Scriptaculous、ExtJS、およびその他の人気のあるライブラリをサポートすることに取り組んでいました)。これらのライブラリを参照する際は、より優れたデフォルトのインテリセンスを得られるようになります。また、私たちは、ユーザーが、人気の高いいくつかのライブラリに対するさらに優れたインテリセンスとドキュメンテーションサポートを入手するためにダウンロードできる、追加のインテリセンスヒントファイルを維持できるかどうかを検討しています。
VS 2008でカットされた従来のASPインテリセンスとデバッギングは復活した。明らかに、完全な消滅が予測された従来のASPは消滅してはいない。
Brad Abrams氏(source)は、現在のWebサイトになり、AJAXのヒストリーポイントがサポートされるようになったと報告している。
また、Brad氏は、Script Managerで複数のJavaScriptソースファイルを結合できることにより、ダウンロードにかかる時間が大幅に短縮されると述べている。
ほぼすべてのMVCフレームワークと同様に、MicrosoftはついにASP.NET Routing EngineによるURLのリライトをサポートする。主としてDynamic DataとASP.NET MVCをサポートするように設計されているが、WinFormsもサポートしている。
クライアントアプリケーション
The RegisterのGavin Clarke氏によると、ベータはSilverlight 2ツールベータと互換性がない(source)。SP 1ベータの次が計画されているが、開発者は差し当たりいずれか一方を選択しなければならない。
パフォーマンス面では、Scott氏の主張によると、WinFormsの開始時間が最大で40%も高速になり、一部のASP.NETユーザーではスループットが10%向上している。
また、フットプリント(容量)が削減されたバージョンの.NETフレームワークも含まれている。バイナリの変更はないが、Frameworkインストールサイズを28 MBに削減している。Visual Studioでのチェックは、クライアントアセンブリのみが参照されることを確実にする。
VB6への同意を表すかたちで、従来のコントロールであるPrintForm、LineShape、OvalShape、RectangleShape、およびDataRepeaterの.NETバージョンには現在、公式のWinFormsバージョンがある。以前、これらはVB Power Packアドオンで利用可能であった。
WPFには、パフォーマンスとデータバインディングにいくつかの改良がある。どんなコントロールやエレメントにも適用できる新しいシェーダアーキテクチャもある。これらの効果は、利用可能な場合にGPUでレンダリングされる。
ClickOnceアプリケーションは、IDEでの署名やハッシュ生成をもはや必要としない。また、ドキュメントタイプマッピングやsetup.exeファイルによるClickOnceアプリケーションの展開などの新しいオプションがある。
ClickOnceアプリケーションは現在、FireFoxで完全にサポートされている。
データアクセス
データアクセスデザイナはすべて、まもなくリリースされるSQL Server 2008を完全にサポートしている。
ADO.NET Entity Framework(LINQ to SQLよりもハイレベルの抽象化)が、このサービスパックでリリースされる。「ADO.NET Entity FrameworkとVS 2008 Entity Framework Designerはどちらも、着脱可能なプロバイダモデルをサポートし、任意のデータベースで使用できるようにしている(Oracle、DB2、MySql、PostgreSQL、SQLite、VistaDB、Informix、Sybase、その他を含む)。」
ADO.NET Data Services(別名Astoria)は、ADO.NET Entity FrameworkなどのデータモデルへのRESTインターフェースの公開をより簡単にする。
間に合わせのデータ操作サイトについては、Dynamic Data(サイト・英語)がある。1行のコードで、このコードは動的に生成されたWebフォーム一式にデータモデルをマッピングする。そこから、従来のASP.NETを使用してアプリケーションを強化できる。
言語変更
VBはXMLサポートに「XMLからXSD」を追加する。これにより、開発者はXSDファイルをコードに直接インポートできる。.
一方、C#はついにバックグラウンドコンパイラになる。VBのように完全なコンパイラではないが、少なくとも一般的なエラーを表示し、開発者はプロジェクトを再ビルドする必要がない。
リリース日
Tim Sneath氏(source)によると、Microsoftは今年の夏の終わり頃に最終バージョンの出荷を予定しているとのことだ。
今のところまだ公式のリリース日は発表されていないが、Tim Anderson氏(source)は、SQL Server 2008と時期を同じくするかたちで秋になるだろうと予測している。
原文はこちらです: