GemFire Enterprise Data Fabricは(サイト・英語)、JCache(JSR107)(source)準拠のインメモリ・データマネージメント・ソリューションである。アプリケーションとデータソースの中間層に位置し、メモリ速度で処理を行う一方、分散キャッシュや連続解析セマンティクスやメッセージバスサービスを一体化して提供する。GemFire 5.5のプレスリリースにおいて(source)、GemStoneのチーフ・アーキテクトであるJags Ramnarayan氏は、顧客に向け、GemFire5.5の意義について述べている。
GemFire Enterprise 5.5のリリースは、新しいレベルでSLAプロセス全体を管理することができようになるという点で、我々の顧客にとって大変意義深いマイルストーンだ。市場の需要に答えるべく、新しい機能の組み合わせによって、ノードのネットワークを操作可能なデータストアに変換する、高度にスケーラブルでセキュアなデータインフラを構築するためのツールを顧客に提供する。
Ramnarayan氏はGemFire 5.5で導入された新しい機能について、InfoQと意見を交わした。
1 - セキュリティ - 認証・認可サービス
GemFire Enterprise 5.5は、プラグイン・アーキテクチャを使って現行のSSLベースのセキュリティモデルを強化し、キャッシュメンバとクライアントをセキュアにするために企業が既存の認証・認可フレームワークを使えるようにしている。Ramnarayan氏は具体的に、ファイナンシャル業界の顧客の多くがこの新しい機能を活用するようになるだろうと述べ、セキュリティ認証書向けのキャッシュメカニズムの導入により、この最新のセキュリティサービスの実装が、全体的な製品パフォーマンスを向上させるだろうと付け加えた。
2 - Continuous Querying
Continuous Queryは、キャッシュサーバのクラスタに格納されているデータの移動に関する複雑な関連を表現するために、クライアントアプリケーションのクエリ登録を可能にする。Ramnarayan氏は、これらのクエリが、以前のGemFireのリリースによってサポートされた標準であるObject Query Language(OQL)(source)でも表現可能なことに触れた。JavaやC++、または C#で書かれたクライアントアプリケーションからクエリを呼び出すこともでき、一度サーバ上に登録されると、全ての外部データの変更はイベント通知を経て関連のあるアプリケーションに伝えられる。
3 - クライアント/サーバ間のやりとりを実現する永続サブスクリプション
クライアントアプリケーションは、アプリケーションオブジェクトキーやContinuous Queryを使って関連を登録することによってファブリック(キャッシュサーバクラスタ)内のデータをサブスクライブできる。サーバは永続サブスクライブをしているクライアント向けのメッセージをキューに格納し、高可用性実現のため、これらのイベントを複数のノード上で重複して利用できるようにする。失敗した場合には、クライアントアプリケーションは、再びサーバにつながったときに、サブスクライブされたデータを復元することができる。
4 - 強化された分割データマネジメント
ロードバランシングアルゴリズムを強化した結果、利用できるノード全体に渡って、データバケットのより均一なバランスを実現している。Ramnarayan氏によれば、ある条件の元では、これらの改善によってスループットが最大50%増加するという。
5 - 「Repeatable Read」トランザクション
GemFire Enterprise 5.5では、キャッシュトランザクション分離レベルとして、以前からサポートされていた「Read Committed」と「Uncommitted Read」の二つに加えて、「Repeatable Read」を提供している。「Repeatable Read」によって、同じトランザクション内で何度もデータ領域にフェッチ要求が出された場合に、いつでも同じ結果を返すようになり、よりよいアプリケーションスループットをもたらすようになる。
6 - 分散型システムモニタリング(GFMon)向けの新しいコンソール
GFMon GUIモニタリングツールは、WANにつながっている単一もしくは複数のデータセンター内のノードで動作している各キャッシュメンバのステータスやイベントやメモリ使用量に関するグローバルなビューを提供する。Ramnarayan氏は、GFMonがOQL経由でアドホックなクエリファシリティも提供することを付け加えた。
System Console View
System Member View
GemFire 5.5は、以前のリリース(参考記事・英語)との下位互換を保っている。Ramnarayan氏とのディスカッションは、この製品の将来のロードマップに見通しをつけて締めくくられた。
- GemFire 5.5のベータモードで導入された「データ・ファブリック・プログラミングモデル」は、今後のリリースではGAとなる予定である。このプログラミングモデルを使えば、開発者はGemFireノード上でのリモート実行用に送られる関数やデータ解析アルゴリズムをコーディングすることができるため、可能な限りデータの近くで処理が行われるようになる。
- 今後のGemFireのリリースでは、ダイナミック・リソース・アロケーションが含まれる予定で、ハードウェアリソースの可用性に基づいたインテリジェントロードバランシングにより、更なるパフォーマンスの向上が見込まれる。
GemFire 5.5は製品ページからダウンロードできる(source)。
原文はこちらです: