6日午後(現地時間)に行われたJavaOne Conference 2008のテクニカルゼネラルセッションでは、先日レポートしたゼネラルセッションに引き続き、JavaFXの紹介、及びJava EE 5、6、そしてSE 6、7の紹介が行われた。
Java EE 6では開発の容易さに重点が置かれ、まずWeb層での開発の容易さとしては、Web.xmlの編集が不要になるWeb Profileの説明が行われた。
その他の新機能としては、
- サードパーティライブラリの手動登録(Self-registering)機能
- Restful Webサービス(JAX-RS)
- 拡張機能としてのスクリプティング
を挙げた。
次にパッケージングの容易さの説明が行われ、Java EE 5ではクラスライブラリからjar、そしてwarを作成していたのを、6では直接クラスライブラリからwarを作成出来るようになった。
また、オープンソースアプリケーションサーバのGlassfish v3の説明が行われた。機能面としては、
- 拡張可能なフルモジュラー化
- OSGi準拠
- メモリ使用量(footprint)が少なく、起動が早い
- マルチコンテナ
とのことである。同時にJerome Dochez氏によるデモが行われた。
Java SE 6の説明では、まずは10大機能として、
- WebサービスAPI
- スクリプト言語のサポート
- データベースAPIのアップデート
- Swingのエンハンス
- モニタリング、マネジメント機能の追加
- コンパイラAPI
- 着脱可能なアノテーション
- デスクトップデプロイ
- ネイティブセキュリティサービスを統合
- 品質、互換性、安定性の向上
を挙げた。
また、700万ものJavaデベロッパに使用され、JDKのダウンロードは1ヶ月70万ダウンロード、そして、90.7%のPCにJavaがインストールされているということである。
今後は、「パフォーマンスJRE」として、Update 5p(PはPerformance)というバージョンが2008年中にリリースされ、その後「コンシューマJRE]としてUpdate 10がリリースされる予定だ。
SE 7の主要なテーマとしては「モジュラリティ」ということで、コードの再利用の推進を目指そうとしている。
また、多言語(コンピュータ言語)のサポートも新機能として挙がっていた。
リリースは2009年夏を予定している。
最後にJavaFXの話題である。
まず、ビデオコーデックを開発しているOn2社とSunの提携が紹介された。
On2社のニュースリリースによると、現在On2社が持っているビデオコーデックを今後はJavaFX上で動作できるようにするという(source)。
また、事例ということで、Parleys.comのStephan Janssen氏(参考記事)から、サイト上でJavaFXを活用した事例の紹介があった。(動画とハンズアウトが同時に表示される(同様なものはInfoQでも実現している)が、JavaFXを利用して、動画とハンズアウトの位置を入れ替える機能を実現した。
また、午前中のゼネラルセッションと同様、コミュニケーション機能の説明があった。
最後には3Dレンダリングの機能として、Moon Tankという名のゲームの紹介があった。これは月(球状のフィールド)にいる戦車を操作して、相手の戦車を撃つというものである。フィールド自体が3Dレンダリングされているだけではなく、発射した弾もフィールドに沿って(つまり、軌道を計算して)飛んでいた。
また、Sunのプレスリリース(cource)によると、JavaFXに関する今後のリリース予定は以下の通りである。
- 7月 - JavaFX Desktop SDK Early Access
- 秋 - JavaFX Desktop 1.0
- 2009年春 - JavaFX Mobile と JavaFX TV
InfoQ Japan及びInfoQ.comでは、JavaOne Conference 2008のレポートをこれからもお伝えしていく予定だ。