2006年11月、.NET 3.0は新しいWebサービス実装プラットフォーム（WCF）を導入し、スケーラビリティやパフォーマンス、セキュリティ、信頼性の高いメッセージ配信、トランザクション、マルチスレッディング、非同期メッセージング、等々のために必要不可欠なプラミング（配管）を使ってサービスの設計、実装、デプロイメントを単純化した。 2007年11月、.NET 3.5のリリースでは追加のWCF機能を導入したが、その中にはPlain Old XML（POX）やRepresentational State Transfer（REST）、JavaScript Object Notation（JSON）などのWebプログラミングモデル、Really Simple Syndication（RSS）およびATOMなどの配信フィードのサポート、恒久的なロングランのサービスのサポート、サービスをワークフローとして作成し、ワークフローがサービスを呼び出せるようにするWCFとWindows Workflow（WF）のシームレスな統合、などが含まれている。
選択肢が余りにも多岐にわたるため、.NET開発者の多くは自分の実装にどの機能を選べばよいか、その後は個々のケースにどの実装／デプロイメントのベストプラクティスを用いればよいかが分からないことが往々にしてある。 IDesignのMichele Leroux Bustamante氏が(source)作成したすばらしいホワイトペーパーは(source)、こうした多数のオプションを見事に要約している。このホワイトペーパーは一般的なシナリオ５つを中心に書かれている。
- エンタープライズWebサービス
- Web 2.0 サービス
- インターネットアプリケーション
- 待ち行列メッセージ
- ワークフローサービス
ホワイトペーパーは、各シナリオについてWCF機能の使用法と実装の特色や、重要な開発考慮事項を要約しており、また、各シナリオに関連した典型的な疑問に答えている。
エンタープライズWebサービスの場合、SOAPプロトコルと追加のWS*標準をベースにしたWebサービスのサポートを説明している。セキュリティ実装やSecure session、Reliable Sessions、Reliable Transactionなどの新機能について広範囲にわたって議論している。こうした先進機能を、用意されたプロトコルオプションやデプロイメントオプションと一緒に使用する時期についても説明している。
ホワイトペーパーのWeb 2.0サービスに関する部分は、その冒頭で、POXやREST、JSON、RSS、AtomといったWeb 2.0の実装で普及しているメッセージングプロトコルと、そうしたプロトコルに対するWCFのサポートを詳細に説明している。続いて、前述のプロトコルに対するデプロイメントオプション、セキュリティサポート、クライアントプログラミングモデルを説明している。
ファイアーウォールの裏側にあるクラシックなクライアントーサーバー・アプリケーションとサービス分配については、WCFがTCP/IPと名前付きパイプを介したバイナリのSOAPメッセージングをサポートしていることを詳細に論じている。前節同様、WCFを利用したクライアントーサーバー・アプリケーション向けのセキュリティオプションとデプロイメントオプションに関する情報を豊富に提供している。
非同期メッセージングの部分では、メッセージ配信の保証、非同期呼び出し、切断された呼び出し、パブリッシュパターンとサブスクライブパターンの実装に関するWCF使用法を説明している。マイクロソフトのMSMQトランスポートによるバイナリSOAPの推奨使用法が解説されており、MSMQトランスポート向けの待ち行列トポロジー、セキュリティ、デプロイメントの推奨オプションを論じている。
最後のワークフローの部分では、WFランタイムを使ってワークフローを高レベルのサービスとして公開する、サービス呼び出しの調整役としてのWFの使用法を説明している。ホワイトペーパーはまた、ロングランの（恒久的な）ステートフルなサービスを実装する方法として、WFの持続性という概念を紹介している。
このホワイトペーパーは、非常にリッチで強力なWCFフレームワークの世界をナビゲートしようとしている人や、特定の問題の解決を目的にWCFを利用する上で実用的なアドバイスを求めている全ての人にとって、非常に役立つ参考資料である。
原文はこちらです：