マイクロソフトは先日、ベアメタルのハイパーバイザ仮想化空間への入り口にあたるHyper-Vをリリースした(リンク)。 Hyper-Vの開発には3年以上を費やしており、その間、度重なる遅延や、ライブのマイグレーションサポートの取りやめなど、多数の機能縮小があった。バージョン1.0には以下が含まれる。
- 32ビットと64ビットのOSをサポート
- 64GBのRAMをサポート
- クィック・マイグレーション(サスペンド、マイグレート、スタートアップ)
- Linuxのサポート(SUSE Linux Enterprise Server 10を介して)
マイクロソフトは今回の新規リリースにより(リンク)、Microsoft.comからこの新技術へ現時点で25%をマイグレートしており、いわば自身のシェアを食べていることになる。将来的にはサポートする比率を増加させる計画である。仮想化セグメントの現在のパフォーマンスでは、物理的マシン80基から、物理的サーバー40基で稼働させている64のVMにマイグレーションが可能である。
業界のマスコミは、一般的な見地から見ても、マイクロソフトの競争相手にとっても、今日のリリースは同程度の重要性があるとして注目している。Citrixを懸念視するGigaOmは、次のように書いている。
…しかし、Citrixとマイクロソフトは十分密接な関係にあるので、マイクロソフトがデータセンターを仮想化するという動きは、自分の姉妹にボーイフレンドを盗られるようなものである。そんなことをしたら、関係を損なうことになりかねない。Citrixはマイクロソフトの抜け駆け行為を容認し、その代わりにPC仮想化市場に的を絞るのではないか…、と業界で競争力のある企業は主張している。
Networkworldは業界の重要企業VMWareについて、次のように考えている(リンク)。
…VMWareとマイクロソフトは両方とも管理機能に欠落が見られるが、VMWareの仮想インフラストラクチャには〔VMotionやDRSといった〕組み込みの管理容易性を備えているという強みがあるようで、この強みがVMWeare選択の理由となっていることが多い…
最後になるが、Hyper-Vの早期採用者が満足している様子をCIO.comが引用している。
…「毎日30万件ほどのトランザクションを行っていますが、私たちの環境は、300基未満の(物理的)ホストと約1600のバーチャルサーバーという構成になっています。このうちのおよそ100基でHyper-Vを動作させており、完全に信頼できます。〔Hyper-Vとバーチャルサーバーを比較した場合に〕どの程度の改善になったかは、はっきりとは分かりませんが、現時点では15〜20%位の向上が分かっています」とSteffenが語っています…
InfoQでは今後も引き続き、仮想化の(参考記事)セクションでHyper-Vを取り扱う予定である。