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SOAを目的にCOEを設立する

センター・オブ・エクセレンス(COE)は、新しいアーキテクチャや技術、アプローチなどを上手に導入する方法として実績をあげている。多数の企業のEAI/B2B実装では、その成功にCOEが役立ってきたことが証明されている。Ravi Subramaniam氏は最近、SOAを目的にCOEを設立するプロセス(リンク)を探究した。 

SOAのCOEとは、ベストプラクティス、知識、最先端の実践的なソリューションをSOAの分野で同化・促進させる組織です。COEは、ますます複雑化するSOA改善策を首尾良く遂行し続けられるような技能と能力を築き上げることにより、様々なSOA改善策全体に精度と規律を取り入れ、利益をもたらします。

Subramaniam氏によると、SOA COEの設立には以下の重要な活動を伴う。

  • 基本方針、憲章、目標の定義。実際の定義は組織によって異なる可能性がありますが、以下の問いに答えることにより、明確かつ正確に定義できます。
    • SOA COEによる解決が期待されているビジネス上の問題は何ですか。この問いに対する代表的な答えとして、新規のビジネスプロセスやサービスの商品化までの時間短縮を促進すること、そしてその結果、投資利益率(ROI)を改善することが挙げられます。
    • SOA COEによる解決が期待されている技術上の問題は何ですか。この問いに対する答えとしては、技術標準やベストプラクティスに指針を提供し、組織の長期的ニーズにふさわしいアーキテクチャを確保することが挙げられるかもしれません。CIOはさらに、SOAへの正しいアプローチを確実にするガバナンス・メカニズムとしての役割を果たすものであることを示してもよいでしょう。
    • SOA COEが行う活動のおおまかな範囲はどのようなものでしょうか。たとえば、サービスの計画から作成、引退までという、サービスのライフサイクル全体に及ぶ活動かもしれません。技術標準の選択、ツール、マクロデザイン、マイクロデザイン、開発、検査、実装、再利用、セキュリティの各アスペクトの評価および選択に積極的に関与します。
    • SOA COEはプロジェクトチームとどのように相互作用するのでしょうか。
    • SOA COEはガバナンス活動をどのように実施するのでしょうか。
    • SOA COEは、品質基準や設計指針、ベストプラクティスをどのようにして遵守させるのでしょうか。
  • COEの組織構造の定義。COEには、会社のあらゆる主要事業から、ビジネス、技術両方の代表者を迎えることが肝要です。COEにはさらに、下記に挙げるような分野に精通し、経験も豊富なフルタイムのITアーキテクトを配置します。
    • エンタープライズ・アーキテクチャ
    • セキュリティ 
    • リスク管理およびコンプライアンス管理
    • 品質管理
    • インフラストラクチャおよびアプリケーション・パフォーマンス 
    • スケーラビリティ
    • 可用性
  • 資金確保
    揺るぎないCOEの立ち上げと発展には、十分な初期投資と、COEが生み出すビジネス価値に基づいた将来の資金提供の確約が非常に重要です。SOAに向かって様々な部門や既存の機構を提携させるには、早期に信頼を確立する必要があります。信頼が確立されれば、組織内でSOAを展開する際に、次第に複雑化していく決定を様々なITチームを横断して遵守させるのに役立ちます。

設立が済み、稼働状態になったCOEの主な活動は、Subramaniam氏によると以下のとおりである。

  • SOA転換ロードマップの作成、再検討、改善 -- 相対的な重要性や順序、予定の観点から整理した改善策のリスト
  • コミュニケーションと情報共有メカニズムの準備。たとえば、指針やベストプラクティス、方法と情報、SOA改善策の進行状況、SOAの重要な成果と改善策によってもたらされた価値を記載したWiki。
  • SOAプロジェクトの各段階向けの指針、基準、ベストプラクティスの作成。たとえば、職務的、非職務的な必要条件やデザインツールなど、SOAの様々な段階において創り出さなくてはならない標準的な作業生産物の概要。
  • 選択を評価し、組織の職務的、非職務的な有効範囲やニーズに合わせて調整したベンダー製品、標準、ベストプラクティス・アーキテクチャを義務化します。
  • 知識と技術的資産の両方の再利用 -- 転換活動中に作成した要件文書やビジネスルール文書、設計アーチファクト、技術的コードなど。
  • 知識や習得関連の活動。チームメンバーのSOAに関する知識を増大させるミーティングやワークショップ、SOA改善策やより大規模なビジネスとITコミュニティへの進捗状況に関する情報の共有などが含まれます。こうした活動によりCOEの主要メンバーは、企業のために正しい選択をする上で必要不可欠な知識と専門的知識を身につけることができ、視界を確保できます。COEはAcme(論文に出てくる架空の企業名)における重要プロジェクトのアーキテクト資源も共有しており、このようにして能力とベストプラクティスを促進する触媒役を務めます。
  • アーキテクチャを再検討することにより、設計/実装がCOEのアーキテクチャ指針と確実に合致するようにし、結果としてSOAが成功する可能性を高めます。

Subramaniam氏による論文は、IBM Global Service(IGS)が様々な企業にSOA COEを設置した経験に基づいており、SOA COEによる準備手順や、SOAを実装するプロジェクトチームを導く方法といった、COEの責務や業務に関する実用的なアドバイスを提供してくれる。

原文はこちらです:   http://www.infoq.com/news/2008/08/SOACOE

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