Joseph Pelrine氏は、チームのコーチングに関して「ソフトスキルのためのハードサイエンス」を私達に教えてくれると約束した。Joseph氏は、コーチングは必要とされる科学的な背景と厳密さを欠いた訓練である、と感じている。 「エアギターや振り」はよくない、とAllan Kay氏は言っている(リンク)。彼の目標は、その厳密さを提供することである。
なぜチームは、問題に直面しているチームでさえ、変えたいと思わないのかを検討することから議論は始まった。彼の主張では、人々やチームは大体の場合停滞していて、変化にとても抵抗する。変化を起こすためには、現在の環境が快適であると人々が感じなくなるまで熱くする必要がある。熱を利用することは、料理と共通点がある-ほとんどの人は火をつけたり消したりするが、コーチとして、私たちは5つのレベルを理解しなければならない。
- 燃えている-食べ物であれば焦げた味がし、チームであれば崩壊する。
- 料理している-食べ物の味であれば調和が取れていて、チームであれば新しいアイデアを導入する。
- 活気がない-食べ物であればバクテリアが増殖し、チームであれば停滞しツールの使用をやめ始める。
- 凍っている-チームは柔軟性を失い、自分達の習慣にしばられ始めている。
- 固い/凍りついている-官僚主義に陥り、記入しなければならない書類や承認がいたるところに存在する。
よく議論されるように、Joseph氏は、チームがTDDやその他のプラクティスをやめている場合、たいていそれは熱が冷めたからだと主張している。厳密なやり方で効果をあげるには、改善したい問題に対応する際は、一度に変えるのは一つだけにするように彼は勧めている。
さらに彼は、Bluce Tuckman氏のモデル:チームを形成し、対立が起き、その後統一され、機能する、(リンク)は不完全であると言っている。
Tuckman氏のモデルには3つの大きな反対意見がある。
- 開始条件:私達はどういうわけか、グループは魔法のようにこのモデルに分類され、最適化されたやり方が出てくるだろう、と仮定している。メンバが自分達の容易には変えられない行動パターンを続けられない(戻れない)ように、温度が上がらない場合は指導者の支配力がグループの特徴として広がるだろう。
- 終了条件:機能する段階に到達すると、チームのメンバは仕事の仕方、すなわち世界の外的刺激に対する彼らの見方や反応の仕方に関するコンセンサス・リアリティにたどり着く。このふるまいが定着すると、(必然的に)次第に現実から離れるが、これは事実上チームの振る舞いがだんだんと神経質になることを意味する。
- Tuckman 氏のモデルは(少なくとも多くの人の解釈の仕方では)機能する段階はチームにとって最適の段階、到達すべきゴールであるという暗黙の仮定をもたらす。覚えておいて欲しい-Duke Ellington氏のバンドは、かつてツアーのバスの中でナイフを使って喧嘩をしたし、LaurelとHardyは舞台裏では話すことを拒んだし、...。
Josephが変化を準備するために提供している一つのモデルは、ABIDEモデル(David Snowden氏から来ている)である。
- Attractors(ひきつけるもの): ボーナス、その他の褒賞、ただでもらえるもの…
- Boundaries(境界): 開発とテストの間のバリアの変更/削除…
- Identities(アイデンティティ): 役割 - 役割を変えたり、あるいは少なくとも他の役割を演じる…
- Diversity or Dissent(様々な意見あるいは意見の相違): チームの構成を変更し、異なるバックグラウンドをもつ人物、例えば.NETの開発者をJavaのチームに迎え入れる。
- Environment(環境): 部屋の壁を取り払う、バーンダウンチャートを追加する、あらゆるところに情報を表示するモニタを追加する、ただ現在の座席の配置を変更する
InfoQでは以前、インタビュー:Blend of Science, Process &Teamwork(科学、プロセスとチームワークの融合)(参考記事・英語)を行い、Dealing With the Organizational Challenges of Agile Adoption(アジャイル導入への組織的な挑戦に取り組む)(参考記事・英語)というプレゼンを載せている。
このセッションの詳細については、こちらのレポーターのブログ(リンク)で知ることができる。