David氏はMorph AppSpaceのカギとなる特徴から話を始めた。
一番の特徴は、私達がWebアプリケーションに対する包括的な管理サービスを提供していることで、このことがホスティング周りのパラダイムに変化をもたらしています。Morph AppSpaceはテクノロジー、プロセスそして人を統合することでWebアプリケーションのためのオン・デマンド・サービスを作り出しています。開発者がMorph AppSpaceにアプリケーションを配布するとものの数分でそれは世界中に公開されます。もはや開発者がサーバやソフトウェアのスタックについて考える必要はなくなったのです。アプリケーションの配信について考えればよいのです。特徴についてより深く見て行くと、様々な標準規格やオープン・ソース・テクノロジーに基づくフォルト・トレラント環境を提供していることが私達(のサービス)を特別なものにしていると言えます。私達はWeb(アクセスの)統計やパフォーマンス統計といった統合された機能をもたらすWebベースのインタフェースを提供しています。これにより開発者は自分達のアプリケーションがどのような挙動をとっているのか理解することができます。私達はまた、データ保護のため継続的にデータを物理ストレージにストリーミングするというユニークな方法を採用しています。
Morph AppSpaceは拡張性の高いWebアプリを配信するためのアプリケーション・プログラミング・モデルではない。Morph AppSpaceに勤めるエンジニアは(Morph AppSpaceの)プラットフォームはプログラミング・モデルには関知しないと繰り返し教え込まれる。開発者は、なおも拡張性の高いWebアプリケーションの設計、構築、統合について知らなければならない。一旦Webアプリケーションがパッケージングされれば、そのアプリケーションをクラウド上で配備・管理するといった下流のアクティビティを支援するツールをプラットフォームが提供される。
InfoQでは、組織にとってMorph AppSpaceの利用を検討することにどのような利点があるのかDavid氏に訊ねた。
主な利点は、世界規模のWebアプリケーション環境における運用・管理に関するMorphの専門的知見を得ることができる点です。アプリケーションをMorph AppSpaceに配備することで、企業はサーバ、Webホスティング、(OSのセット・アップ、高可用性システムのアーキテクチャ設計やサーバ・レベルのセキュリティを取り扱うなどの)システム管理業務を行うコンサルタント/従業員を削減することができます。まるで、それぞれのMorph AppSpaceに外部のIT部門がいて、Webプラットフォームを最新の状態に保ち、最適な状態で運用することに専従しているかのようです。
ホスティングというのは混雑した市場であるが、Heroku、RightScaleやMossoといった他の企業とMorph AppSpaceの違いについては以下のように述べている。
これらの企業はそれぞれ異なるニーズをターゲットとしています。Herokuを見て言えることは、彼らはまだそのソリューションの黎明期にあるということです。コード開発のためのWeb編集ツールのベータ版があり、そこで作成されたアプリケーションをAmazon EC2上で稼働する設定済みのWeb環境に配備することができます。そのAmazon EC2では最近、他のアプリケーションが混在しています。Rightscaleはクラウドのインフラを管理する企業だと思っています。彼らはクラウドに存在するサーバ群を管理するの欠かせないツールを提供しています。そのようなサーバをどのように利用するかということや、ソフトウェアのインストール、環境全体を管理するといったことについては尚もRightscaleのユーザ任せです。Rightscaleの製品は、新しいサーバをオンラインにしたり、そのサーバを既定のパッケージで設定したり、スクリプトによってソフトウェアやデータをロードするといったプロセスを合理化します。
Mossoはホスティングに長けていて、それはクラウドの性質に効力があります。その全般的なパラダイムは未だにWebサイトのホスティングをベースにしていますが、Mossoはユーザのためにいくつかのシステム管理業務をこなします。これは私達がMorphで採用したのとは異なる観点になります。私達はWebアプリケーションとそのアプリケーションを適切に運用、管理するためのインフラに焦点を当てています。
Morph AppSpaceはシステム管理者の必要性を削減し、統計的な分析機能を追加し、特定の開発シナリオ向けに構築済みの環境一式を提供する。しかし、EC2が提供するサービスに対してMorph AppSpaceにはいったいどんな付加価値があるのか。この点についてDavid氏は以下のようにまとめた。
Amazon EC2は開発者にサーバを提供しているのに対して、Morphはアプリケーション環境を提供します。
氏は交通機関に例えて以下のように続けた。
Amazon EC2というのはエンジン、タイヤセット、シャーシを得るようなものです。確かに組み合わせれば「足」にはなるでしょう。でも、本当に組み合わせることに時間をかけたいと思いますか?あなたにその技術がありますか?一方で、Morphは自動車です。乗り込むだけで機能します。この例えをアプリケーションに当てはめてみて下さい。
プラットフォームの心臓部はMorph AppSpace cubeである。cubeのアプリケーション・スタックは256MBのメモリを割り当て済みのWebコンテナのJettyから構成されている。MySQL、PostgreSQLとemailを組み込んでいるということは、これらのjarファイルがアプリケーション・スタックに埋め込まれていることを意味する。しかし、JVMをチューニングする機能は今のところない。さらに言えば、cubeのアプリケーション・スタックはあらゆる種類の変更に対して閉鎖的である。
Morph Appの今後について訊いたところ、David氏は以下のように答えた。
環境をさらに単純化し、可能な限り多くのサード・パーティ製の開発ツールを統合する努力をしています(現在はEclipse、MavenとAntを通した開発ができるようなプラグインを提供しています)。Java/Grails環境への対応に合わせてMySQLのサポートを開始したところです。
Morph AppSpaceは申込形式の料金体系(リンク)を採っている。8種類の異なる形態があり、cubeの数、データベースのサイズ、帯域幅、ストレージ容量の違いでそれぞれの料金が決まっている。支払いは日次もしくは月次で行うことができる。
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