最初の発表から15か月の時を経て、Sun社はWindowsとMac OS X向けJavaFXの初めてのパブリック・プレビュー版をリリースした(リンク)。JavaOne 2008でSun社は夏までには非公開プレビュー版をリリースすると公約していた。今回非公開より一歩進んで、公にダウンロード可能なプレビュー版がリリースされた。プレス・リリースには以下のようにある。
JavaFXのプレビュー・リリースはアーリー・アダプターがJavaFXに慣れるのを補助するためにデザインされたもので、まだ商業利用のためには提供されていない。JavaFXプレビュー・リリースには以下のコンポーネントが含まれている。
- JavaFXプレビューSDK:JavaFXコンパイラとランタイム・ツール、2Dグラフィック対応、高いインタラクティブ性を持ったデスクトップ/ブラウザ向けアプリケーションを構築するためのメディア・ライブラリ、そしてチュートリアル、APIドキュメントとサンプル・コードを提供
- JavaFXプラグインが統合されたNetBeans(TM) 6.1 IDE:JavaFXアプリケーションを構築、プレビュー、そしてデバッグするための洗練された開発環境を提供
- Nileプロジェクト:Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorで作成したクリエイティブな資産をJavaFXアプリケーションへ簡単に取り込むことができるツール
- Java(TM) 実行環境(JRE)6 Update 10ベータ:高性能なランタイムで、Webブラウザ上で実行中のアプレットをブラウザの外へドラッグすることでデスクトップ・アプリケーションへと動的に変換する機能を提供するブラウザのプラグインが含まれる
プレビューから除かれた機能は(リンク)以下の通りである。
- 高度なテキスト・レンダリング
- アニメーション ― パス・ベースでないアニメーション
- 3Dベクター・グラフィック及びそれによる視覚効果
- アコーディオンなどの高度なUI部品
- ビデオ/オーディオのプレイバック ― クロス・プラットフォーム(またの名をFlash、またの名をON2 TrueMotion VP6)、ストリーミング・ビデオ
- ビデオ録画/エンコーディング
- ファイル・システム、ネットワーク越しのデータへのアクセス
- 基本的なデザイン・ツール ― Adobe Photoshopからの出力
- LinuxとSolarisのサポート
- リフレクション
Sun社のJosh Marinacci氏は最近、プレビュー・リリースを得るまでの労力についてブログに(リンク)記した。
最近になってJavaの初期の時代のことが分かってきました。JavaOne 2007から私達は(スクラッチで)多くの重要な機能を持つ新しい言語のコンパイラ、新しいグラフィックとアニメーションを含むGUIランタイム、コード保管機能を含む新しいnetbeansのプラグイン、グラフィック・デザイナ向けのユーティリィティ、(一から書き起こした)新しいjavadoc、さらにはドキュメント類、サンプル、デモといったものを構築してきました。
JavaOneで発表されたスケジュールによるとバージョン1.0が今秋にはリリースされ、続けてJavaFX MobileとTV版が2009年にリリースされる予定である。InfoQはJavaマーケティング部門のシニア・ディレクタであるParam Singh氏、JavaFXのシニア・プロダクト・ライン・マネージャであるJacob Lehrbaum氏とプレビュー版について議論した。
Singh氏はプレビュー・リリースに2つのレベルのAPIが含まれていることに言及した。まず開発者が"common" APIを使って記述したアプリケーションは将来JavaFX MobileやJavaFX TVでも稼働する。さらに追加的な機能の利点を生かしたければdesktopレベルのAPIを使うこともできる。そしてLehrbaum氏は、Project Nileを通してIllustratorやPhotoshopといったAdobe製品で開発した資産をJavaFXで利用することができるということを強調した。
氏はデザイナがメディア・プレイヤに関連した様々なグラフィック・コンポーネントをPhotoshopのイメージ・レイヤとして創ることができるという例を示した。そしてこれらのレイヤはJavaFX開発者に利用される。その後、デザイナはJavaFXのコードとは独立してPhotoshopのイメージを更新することができる。
原文はこちらです: