オープンソースのJavaクラスタリング フレームワークであるTerracotta(リンク)の最新バージョンでは、GlassFish(リンク)アプリケーションサーバ、Spring(リンク)フレームワークのサポートのほか、自動高可用性モード、改善された分散ガベージコレクタ(DGC : Distributed Garbage Collector)のパフォーマンスおよび可視性、クラスタ全体のランタイム統計など、さまざまな新機能をサポートしている。Terracotta開発チームは先日Terracottaバージョン2.7の出荷を発表した(リンク)。
新リリースはTerracotta 2.6(リンク)の後続リリースだが、Spring(バージョン2.0.8および2.5.4)、Glassfish サーバ(バージョン2.1)のサポートが追加されている。その他、バージョン2.7には以下のような新機能が組み込まれている。
自動高可用性モード: この機能は、Terracottaサーバを自動リスタートモード(リンク)で実行し、フォレンジックの用途で自動的にクラスタデータをバックアップするのに使用できる。これによりクラスタ化されたデータの安全性と整合性が保証される。またフェールオーバやリスタートの操作が容易になる。Terracottaサーバ クラスタはACTIVE-PASSIVEモードで稼動するよう設定可能だ。このモードでは、ACTIVEモードで稼動する 1台のサーバが、クライアントおよび1台またはそれ以上のPASSIVEモードで稼動中のサーバからリクエストを受け付け、障害時のACTIVEサーバ用にホットスタンバイとして機能する。
改善された分散ガベージコレクタ(DGC)のパフォーマンスおよび可視性: 分散ガベージコレクタ(リンク)はGCパフォーマンスの向上を提供する世代別コレクションのアルゴリズムを使用するよう変更された。世代別コレクタはJava 1.4(リンク)で初めて導入され、ほとんどオーバヘッドなしでアプリケーション性能の改善を提供する。Terracottaサーバにおける分散世代別ガベージコレクタもまたJavaアプリケーションのスループットに役立っている。
クラスタ全体のランタイム統計: 今回、Terracottaユーザはクラスタに関するすべての統計(リンク)を 1 ページで閲覧および監視することが可能である。このページでは、キャッシュミス率、オブジェクト フラッシュ率、オブジェクト フォルト率だけでなくCPUおよびヒープ使用率、トランザクション率などのランタイム統計も提供されている。クラスタ可視化機能はTerracottaバージョン2.6で初めて導入された。
認定されたパッチ プロセス: 新リリースでは、本番環境で稼動中のシステムに認定されたホットパッチ(リンク)を適用でき、顧客はアプリケーションを停止せずにパッチをインストールできる。これによりフルアップグレードのメンテナンス周期に発生しうるいかなるダウンタイムも回避できる。
オンライン(ホット)バックアップのサポート: Terracottaはホット バックアップ機能(リンク)と称した新機能を導入した。この機能により、Web管理者やWebオペレータは後々のリストアに備え、すべてのTerracottaデータファイルを正常かつ確実にバックアップできる。ホット バックアップ機能はTerracotta Administrator Consoleから使用できる。
他の新機能にTerracotta Integration Module (TIM) Update Center(リンク)があり、統合モジュールの依存関係の管理、リリースバージョンの照合、適切な構成やインストール オプションの設定といったタスクを管理者が行うのに役立つ。
tc.propertiesファイルはスループットのチューニング設定を管理するために使用するが、新リリースでは、tc-config.xmlにある既存のTerracotta設定と合わせて構成可能である。Terracottaはまたプラグイン(リンク)を用いてEclipseと統合している。リリース2.7は、開発者コミュニティのサイトに登録後、Terracottaコミュニティのサイト(リンク)よりダウンロードし(リンク)利用できる。
InfoQで取り上げたTerracottaクラスタリング フレームワークに関する他の記事はこちらで(参考記事)参照されたい。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/10/terracotta-2.7-release