Visual StudioのチーフアーキテクトであるRico Mariani氏が、Visual Studio 2010(リンク)の長期的な計画について話した。Rico氏は説明に入る前に次のように説明し、注意を促した。
私はチーフアーキテクトではありますが、チーフアーキテクト「でしか」ありません。私はこの製品について最終的な決定権を持っていませんし、他のアーキテクトともうまく協力しなければいけません。この度合同で長期的な技術ロードマップを用意しました。これはとりわけ製品の長期的な健全性のために解決しなければいけない重要な問題を示しているものですが、必ずしも個別のリリースの機能として直接マッピングされるとは限りません。
まず最初は拡張性について。Visual Studioの中核は拡張可能であるが、ユーザーが拡張したいと考えるような高レベルのコンポーネントの大部分は触ることができない。その上、拡張ポイントは基本的にCOMをベースにしている。
それらの要望に応えるため、Managed Extensibility Framework (MEF) で知られるようになったものと、2つの主要な拡張性領域をVisual Studio 2010のインポート、エクスポートにその標準に従って採用しました。MEFは始めたときこそ私たちの目にもただ微かな光でしかありませんでしたが、私たちがPDCの演出で見せられるものでは、大きな進歩を遂げたことがわかると思います。私たちは、広範囲のMEFへの依存を新しいテキストエディター（詳しくは後述）と新しいC++プロジェクトシステムに取り入れました。
将来のVisual StudioはWindows Presentation Foundationに大きく依存するようになるだろう。これには世論から様々な反応があった。
これは特別頭を悩ませる問題ではないように見えますが、実際にはたびたび抵抗にあいます。VS2010で私が気に入っているところを挙げるなら、それは広範囲にWPFを使っていることです。多くのひとは、私が依存性を持ち込むことに気が狂っているようだと（少なくとも最初は）考えるようです。「これはできるかい？ のケースはどうなの？WPFは をうまく扱えないって聞いたんだけど。」そんなとき私は静かに、次のような意見で反論しています。
「あなたは、コンピューターグラフィックのこれからの10年で、GDIが最高だと本当に考えているのですか？」
彼はこう続ける。
私はWPFにいくつかの問題があることは知っています。私たちはそれらを解決しなければならないし、それに関して私たちよりうまくやる人が他にいるでしょうか？私たちは中規模のWPFアプリケーションを完成させています（例えば、Blend）。そして今、最も重要なアプリケーション、おそらく、世界で3番目に大きなソフト（正確にはわかりませんが、以前はそうでした）に取りかかっているのです。WPF大通りを通って、私たちはそれを成し遂げようとしています。これは私たちによって大変なことですが、WPF自身にとっても重要なことであり、これによって皆さんが自信を持って続けるようになるのです。他に現実的な代替案はありません。このまま古いUIを使い続けても、10年後に魔法のように最新の外観を持つようなことは期待できません。WPFランドの友人たちはこれに関して私同様に、いえ、おそらくそれ以上にワクワクしています。
この記事を通して、共通するテーマはVS2008とVC98との比較である。
私は昨年行ったVPへの簡単なデモンストレーションで、簡単なMFCアプリケーションの構築とデバッグをVC98とVS2008で比較するというものをやりました。誤解しないでください。私はVS2008はこの分野で大変な発展をしたと考えているし、すばらしい製品だと思っています。とはいえ、VS2008 は同じ仕事をするのにVC98と比べて大変な量のメモリを使うのです。
もちろんVS2008はVC98よりも多くのことができますが、真剣に、私は改善する余地があると考えています。私にはC6.0の経験があり、そして記憶力がいいことを忘れずに :)
Visual Studio 64ビット版の開発に関して尋ねられると、Rico氏はそのアイデアを一蹴した。
ときどき、必要なスケールを得るために64ビット化をすべきだと私に言う人がいます。私はそれは違うと思います。必要なのはより少ないメモリで動作させることです。今は重要な箇所で非遅延アルゴリズムがあり、それを何とかしなければいけません。それが私が強く要求していることです。よりメモリを必要とするようなアクションを取りたくありません。それをしてしまうと、間違った方向に進むことになるでしょう。確かに私たちには64ビット版の計画が必要ですが、それは別の目的のためなのです。