2006年、WS-Eventing(リンク)およびWS-Transfer(リンク)を含むいくつかのスペックがW3Cに提出されたが(参考記事)、標準にならなかった。その間、こうし たスペックの実装が盛んであったが、それらが標準化されるはっきりとした兆候は認められなかった。当然、それによってWS-Notification(リンク)のよ うな他の競合する標準の推進が収まることはなかった。Web Services(たとえば高信頼性メッセージング(リンク)や(リンク)トランザクション(リンク))における競合する標準に向けた取り組みが良好な関係になっているので、必然的に何 かが起こる状況にあった。W3Cは、Web Services Resource Access Working Group(リンク)の設立を発表した。その設立趣旨書は、以下のことを述べている(リンク)。
Web Services Activity(リンク)の一部であるWeb Services Resource Access Working Group(リンク)の使命は、WS-Transfer(リンク)、WS-ResourceTransfer(リンク)、WS-Enumeration(リンク)、WS-MetadataExchange(リンク)お よびWS-Eventing(リンク) Member Submissions(この設立趣旨書では「提示されたスペック」という)を精錬することで、一連のWeb Servicesスペック向けの W3C Recommendationsを作成することであり、それにより、これらのスペックにある既存の問題、実装者による実装エクスペリエンスおよび相互運用 性のフィードバックに対処し、他のWebサービス標準との構成について検討することができる。
その他の重複する標準やスペックについては、述べられていない。(標準に向けた取り組みに対する定型文面だということで)知らなかった人には、今後実現が予定されているものを概説したものがある。
提示されたスペックは、リソース指向のWeb Serviceの下、XML表現と対話するためにSOAPベースのメカニズムを定義する。そして、そのサービスに関連したメタデータおよびメカニズムを利 用し、リソースに関連したイベントをサブスクライブする。リソース指向のWeb Serviceデータに対してWS-Transfer(リンク)は、基本的な作成(Create)、読み取り(Read)、更新(Update)、削除 (Delete)(CRUD)操作をおこなう。WS-Transfer(リンク)の拡張性ポイントを経由し、WS-ResourceTransfer(リンク)は、 こうした操作を拡張する。フラグメントやバッチアクセスが追加される。WS-Enumeration(リンク)は、プロトコルを提供する。それは、リソースが列挙型 コンテキストと呼ばれるコンテキストを、一連のデータ項目を通じて論理カーソルを表現する、コンシューマーに提供できるようにする。WS- Eventing(リンク)は、興味を持ったパーティーがリソース指向のWeb Serviceからの一連の通知をサブスクライブできるようにする。WS-MetadataExchange(リンク)は、メカニズムを定義する。それによりWeb Serviceに関するメタデータが検索される。WS-Transfer(リンク)、WS-ResourceTransfer(リンク)およびWS-Enumeration(リンク)と併用すると、このメタデータはアクセス可能になり、他のWeb Serviceリソースのように管理可能になる。
もちろん、この動作がスムーズにいくという保証はない。OracleのWilliam Vambenepe氏は、以下のように指摘している(リンク)。
この取り組みに対する最も明らかな反対は、単純なHTTPで実行可能なことを疑わしいアーキテクチャに関しては、SOAPでやり直さねばならないということに対してである。
この取り組みで、起こり得るいくつかの問題を提起し、以下のように結論付けている。
WS-RAWGでの問題は、アーキテクチャの基本的な問題ではない。WS-RTの現行バージョンにおける不具合問題ですらない。それらは修正可能であり、代わりのスペックは美しいものでもない。むしろ、不安なのは相互運用性の展望への影響である。
HPに勤めていたとき(リンク)、William氏はWS-Resource Transferに関わった。氏が述べているように、当時HP、IBM、Microsoftなどが関わっていて、WS-Managementおよび WSDM/WSRFスタックを統合する計画であった。(始まりからWS-RFが誘発した議論(リンク)を忘れないように)。しかしWilliam氏によると、最新の 発表は、
4社のうち3社がこ れを断念している。 これ以上の意見の一致はない。デベロッパが選択せざるを得ない、競合する選択肢の数(たいてい「一致した意見がないから、どちらも選ばない。自分のやり方 でやるだけだ」と結果的になってしまう選択)を削減するのではなく、この取り組みはそれを増加させるものである。さらにWS-Managementは、な くならない。W3CではWS-RTはさらにそこから遠くへ立ち去る可能性がある。
明らかにこの新たな標準化の取り組みは、始まったばかりであるが、こうした相互運用性の欠如が、最終的に出現することになる標準の導入に対して波及効果をもたらすのか?