クラウドコンピューティングの大々的な宣伝をフル活用しようとして、このコンピューティングモデルを使用したいと考えているビジネスを対象に、IBMは新たな一連のコンサルティングサービスの開始を発表した。この動きは、IBMのエンタープライズコンサルティングサービスに影響を与えそうである。
公企業、民間企業またはその混合企業をターゲットに、IBMは3種類のサービスを提供する。
- クラウドコンピューティング向け業界固有のビジネスコンサルティングサービス - IBM Global Business Servicesは、民間のクラウドを構築するため、および/または公または混合のクラウドモデルにおいて、データおよびアプリケーションをオフサイトに 移行するための総所有コスト(TCO)を査定する、経済モデルを使用する。
- テクノロジーコンサルティング、デザインおよび実装サービス - IBM Global Technology Servicesは、ユーザがデータセンター内でクラウドコンピューティングをインストールし、構築し、また提供できるように支援する。
- クラウドセキュリティ - IBM Systems、Software、Servicesおよび称賛されたIBMのResearchおよびX-Forceが手を組み、この取り組みはテクノロ ジーおよびプロセスの再構築や再設計を目指し、セキュリティを注入し、クラウドにおける脅威や脆弱性から保護する。
最近のポッドキャストで、エンタープライズアーキテクチャコンサルタントであるDavid Linthicum氏がIBMの動きによってもたらされる利害の衝突について話している(リンク)。
ここで重要な問題を見過ごすことができない。クライアントをクラウドへ移行するのがうまくいけばいくほど、エンタープライズデータセンターの必要性が少なくなる。エンタープライズハードウェアおよびソフトウェアベンダー、具体的にはIBMの売り上げが減少する結果となる。
IBMのクラウドコンピューティングへの取り組みが、ビジネスにおける別の側面に損害を与える結果となる。
Dave氏は、Microsoftが抱える同じ問題についても説明している。
Microsoftは、新たなクラウドコンピューティングプラットフォームであるAzureの登場により、同じ運命に立たされている。Microsoft駆動のサーバをクラウドに置き換えている。
おそらく、これはクラウドコンピューティングが有望だという事実が現実として現れており、またクラウドをできる限り自分で制御する必要性があることの結果である。
Dave氏は、IBMが勢いに乗った理由を以下のように述べている。
IBMは、どんな手立てをしても、クラウドコンピューティングは実現すると見ている。その動きに便乗し、IT予算が縮小している世の中で、あわよくば成長している何かを見出そうとしている。
IBMがクラウドコンピューティングコンサルティングサービスへ乗り出したことで、基本となるエンタープライズサービスに影響を与えることは明白である。そういう動きによって、中心となるビジネスがどれだけ影響を受けるのか、というのが疑問である。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/11/IBM-Cloud-Conflict-of-Interests