Wolfram Research(リンク)は、アプリケーションからクラウドコンピューティングサービスを使用し計算を実行するMathematica 7の可用性を発表した。Mathematicaは、専用のシンボリック言語で、多くの数値およびシンボルの計算のサポートを提供する、コンピューティング 環境である。
数値およびシンボルの計算サポートの他に、Mathematicaにはイメージ処理、並列High-Performance Computing (HPC)(リンク)、インタラクティブドキュメントなどがある。Wolfram Researchによると、最新機能はMathematicaとクラウドコンピューティングとの統合である。それにより「TOP500スーパーコンピュー タやAmazon Elastic Compute Cloudを含む多種多様なHPCシステムにアクセスすることができる。Wolfram Researchの Executive DirectorであるTom Wickham-Jones氏は、以下のようにコメントした。
HPCを使用する際の2つの重大な課題は、HPCアプリケーション自体のプログラミングおよび作業をおこなうのに十分な計算力を確保することである。
Mathematicaは、計算、可視化およびデータアクセスを可能にする統合されたテクニカルコンピューティングプラットフォームを提供することで、プ ログラミングの課題に回答している。クラウドコンピューティングは、大規模なコンピューティング機能への堅実なアクセスを提供する。
Amazon Web ServicesのエバンジェリストであるJinesh Varia氏が、その動作方法を説明した(リンク)。
そのワークフローは簡単に理解でき、非常に少ないクリックでクラウドにコードを配置することができる。典型的なMathematicaのユーザは標準の ノートブックインターフェイス(リンク)でコードを開発する。それは、グラフィックを含む入力コードおよび出力結果を定義するプログラミング上の概念である。ユーザ は入力セル、出力セルおよびその他のパラメータを指定する。Mathematicaは、一度に1つの入力セルを評価することになるので、1つのマシンでの 評価に時間がかかる。新たなクラウドサービスができたので、ユーザはクラウドにそれを転送することで、一気にノートブック全体の評価をすることができる。
HPC Cloud Serviceは、ユーザにノートブック全体を必要とし、HPC Cloud Service GUIでボタンを数箇所クリックし、クラウドでそれを実行するように要求する。HPC Cloud Serviceは、コードを評価し、Mathematicaセッションで平行して実行し、結果をバンドルし、ユーザに通知する。つまり、ユーザは少ない入 力でコード(Mathematica Notebook)をテストすることができ、入力のサイズをもっと現実的なサイズにし、クラウドに転送する。そうすると、平行して数百から数千のノードを 実行し、完了時に通知される。
興味深いことは、 Mathematicaのような計算の要求が厳しいアプリケーションが、ボタンを数回クリックするだけでクラウドサービスにおいて数百または数千のノードを実行するために拡大縮小できる様子である。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/11/Mathematica-Cloud