Sun Microsystemsは先日、JavaFXプラットフォームの1.1アップデートの一部としてJavaFXモバイルの提供を開始した(リンク)。また、JavaFXモバイル機器に取り組んでいる携帯電話機メーカー、ISV、およびサービスプロバイダーの最初のリストを公開している。13社のパートナーのうち、LG ElectronicsとSony Ericssonは2009年にJavaFX Mobile携帯電話機を実現することに貢献してきた。LGEはJavaFX携帯電話機の最初のOEMになることを期待しており、Carriers OrangeとSprintも関与してテストを開始した。Sony Ericsson Mobile Communicationsのコーポレートヴァイスプレシデント兼クリエーション&開発部長であるRikko Sakaguchi氏は、次のように述べている。
「Sony Ericssonは、JavaFXがモバイルコンテンツエコシステムに大きな影響を与えると予想しており、弊社の製品ポートフォリオのかなりの部分にJavaFXを用いることを計画しています。」
JavaFXデスクトップと同様、JavaFXモバイルは既存のJavaランタイム環境(この場合はJava ME)上で動作する。したがって、デバイスにJavaFXランタイムを埋め込むことは可能だが、必要ではない。JavaFXモバイルアプリケーションはJava ME Mobile Service Architectureをサポートするどんなモバイル機器でも動作可能だ。これによりSunは、スマートフォンと、よりハイエンドな多機能携帯電話の両方をターゲットとしたアプリケーション開発をサポートできるものとしてプラットフォームを位置付けることができる。
開発者のために、JavaFXは、デスクトップとモバイル機器の両方にわたってリッチなアプリケーションを構築する一貫した方法を提供する。Sunは、関連APIを3つのプロファイルに分けた。共通プロファイルは、あらゆるデバイスで利用可能なすべてのAPI向けであり、シーングラフAPIとメディアコンポーネントが含まれている。デスクトッププロファイルはより身近なSwingコンポーネントに相当し、モバイルプロファイルはモバイル機器に特化される。したがって、共通プロファイルだけを使用してJavaFXアプリケーションを記述する場合、デスクトップとモバイル機器の両方で動作するアプリケーションを開発しているということになる。SunのスタッフエンジニアであるJoshua Marinacci氏は、自身のブログで次のように述べている。
「今朝、これがどんなに大事なことか気が付きました。私はJava MEについて何も知りませんが、JavaFXについては知っています。私はモバイル開発者ではないのに、JavaFXを使用してモバイルアプリケーションを記述できます。そんなことはこれまでできませんでした。」
Sunとそのパートナーは、2009年2月16日~19日にスペインのバルセロナで開催されるMobile World Congressでモバイル機器のJavaFXについてデモンストレーションする予定である(編集部注:原文掲載時)。