The Open Groupは、TOGAF 9.0(リンク)のリリースを発表した。TOGAF (The Open Group Architecture Framework)は90年代半ばから開発されており「アーキテクチャの受け入れ、生産、使用およびメンテナンスを支援するスタンダード」である。 Open GroupのDirector of StandardsであるAndrew Josey氏が「An Inroduction to TOGAF 9.0」(リンク)(登録要)で、以下のように述べている。
TOGAF 9は、幅広いさまざまなエンタープライズアーキテクチャを開発するために使用される。TOGAFは、政府、電気通信、製造および金融などの特定の縦のセク ター向けの具体的な成果物に重点的に取り組んでいる他のフレームワークを補完したり、併用することができる。TOGAFへのカギは、メソッドであり、ビジネスニーズに対応するエンタープライズアーキテクチャを開発するためのTOGAF Architecture Development Method (ADM) である。
TOGAFは、以下の4つの観点からアーキテクチャを説明している。
| アーキテクチャタイプ | 説明 |
| ビジネスアーキテクチャ | ビジネス戦略、ガバナンス、組織および主要なビジネスプロセス。 |
| データ(情報)アーキテクチャ | 組織の論理および物理データアセットおよびデータ管理リソースの構造。 |
| アプリケーションアーキテクチャ | デプロイされる個々のアプリケーションシステム、それぞれの対話および組織の中心的なビジネスプロセスとの関係の青写真。 |
| テクノロジーアーキテクチャ | ビジネス、データおよびアプリケーションサービスのデプロイメントをサポートするために必要な論理ソフトウェアおよびハードウェアの機能。これにはITインフラ、ミドルウェア、ネットワーク、通信、処理および標準が含まれる。 |
リリースの主要な変更点は、以下のとおりである。
- より素晴らしい機能性を提供し、付加的な導入を可能にするモジュラー構造
- 一貫性をさらに促進するためのコンテンツフレームワーク
- パーティショニング、「アーキテクチャリポジトリ」および機能フレームワークについての拡張ガイダンス
- イテレーション、SOAおよびセキュリティアーキテクチャのような具体的なシナリオで、ADMの使用をサポートする資料
- Preliminary段階でADMの実行についての追加詳細およびOpportunities & SolutionsおよびMigration Planning段階での機能ベースの計画の使用
そのリリースに対する反応は、前向きである。Nick Malik氏(リンク)が新機能の詳細な内訳を示している。それによると「かなり意味の深い改善」だと説明している。
Dana Gardner氏(リンク)は、以下のように報告している。
TOGAF 9は、より幅広く導入されており、その成熟さを示している。Architecture Development Method (ADM)はSOA、セキュリティ、クラウド、ハイブリッドまたフェデレーテッドサービスエコロジーに適応することができる。以前のTOGAFからのマイグレーションが簡単で、またEAのエレメンツの複数パス全体で最初からマイグレーションするときにも簡単である。特に、TOGAF 9のモジュラー構造はあらゆる種類の組織が具体的な状況やITの展望に合致する方法でTOGAFを導入できるようにしている。
Capgemini ConsultingのRon Tolido氏はCTOブログ(リンク)を支持し、それを「エンタープライズおよびITアーキテクチャの世界における突破口」として説明するとき、前向きにしゃべりまくる。
考えてみて欲しい。戦略を実行にうつすための重要な手段として、アーキテクチャの役割はますます顕著になっている。結局、アーキテクチャはつねに複雑さ、 不均衡および指示不足に対する防御手段である。また、これらこそが、こんにちの一般的なビジネス/IT環境で対処しなければならない現象である。
TOGAF 9はここで(リンク)ダウンロードすることができ、評価目的で90日の無料の個人的なライセンスのもと、利用可能である。