Grizzly(リンク)の発展として登場したAtmosphere(リンク)は、POJOをベースとしたフレームワークでComet(参考記事リンク)を一般に広めることを狙いとしている。このComet抽象化フレームワークが最初のアルファ版を発表し、InfoQはこれについて作成者のJean-Francois Arcand氏とQ&Aを行った。
Atmosphereフレームワークは他のシステムでも使用できるため、Servlet 3.0の実装を待たずして、またディベロッパがコンテナ独自のプッシュやCometのメカニズムを利用する必要なく、Tomcat(リンク)、Jetty(リンク)、GlassFish(リンク)、Resin(リンク)、Jersey(リンク)、RESTlet(リンク)といったあらゆるJavaベースのウェブ・サーバで実行できる。
Jean-FrancoisはAtmosphereの目的(リンク)を説明した。
JBossWebにはAIO(リンク)が、Tomcatには別のAIO API(リンク)が、JettyにはContinuation API(リンク)およびpre Servlet 3.0 API(リンク)が、GrizzlyにはそのCometフレームワーク(リンク)とGrizzlet API(リンク)があるように、現在、他のシステムに移植できるCometアプリケーションを記述することは不可能です。従って、DWR(リンク)、ICEFaces (リンク)、Bindows(リンク)といったフレームワークは異なるComet APIをサポートするために全てネイティブ・サポートを追加し、レイヤを抽象化しました。さらに困ったことに、アプリケーションがそのAPIを直接使用する場合、1つのウェブ・サーバを維持することになります。Grizzly Cometを使用しているならばまあ大丈夫ですが、他製品を使っているならばGrizzly(リンク)には対処できません!
現在のServletエキスパート・グループは、次のServlet 3.0仕様でのCometサポートを追加するための案に取り組んでいますが、この仕様を完全にサポートするには何年もかかる可能性があります。そしてこの提案は、非同期I/O(Tomcat、Grizzly)、プッシュ・オペレーションの並行ハンドリング(リンク)のためのコンテナ管理スレッド・プール、プッシュ・オペレーションのフィルタといった、一部コンテナが既にサポートしている現在のフィーチャー群の小さなサブセットから構成されます。Atmosphereフレームワークの使用によりネイティブ実装を気にする必要がなくなるというわけではありませんが、かわりにAtmosphere(リンク)の上に構築する必要があります。Bayeux(リンク)といったプロトコルは無償になり、そのネイティブAPIを使用したフードのもと全てのウェブ・サーバ上で実行されるでしょう。
私はGrizzly Comet Frameworkと共にあった2年間で得た経験やフィードバックをもとに、Cometベースのアプリケーションのギャップを埋め、その作成をシンプルなものにすることを望んで、Atmosphereに着手しています。
公式アナウンス(リンク)には、Atmosphereを利用するためのアプリケーション要件の概要が述べられている。
ウェブ・アプリケーション内にAtmosphereをバンドルするためにはhttp://download.java.net/maven/2/org/atmosphere/atmosphere-portable-runtimeからatmosphere-cpr jarファイルをダウンロードし、WEB-INF/libの下に置きます。
http://is.gd/ngMm からContext.xmlファイルをダウンロードし(Tomcatサポートに必要です)META-INF/または自身のwarファイルの下に置きます。
任意で、warファイルのMETA-INF下にhttp://is.gd/ngM1にあるようなatmosphere.xmlを作成して自身のAtmosphereハンドラを定義できます。
このフレームワークはAtmosphereハンドラを自動認識し、クラス名を使ってマップするので、この手順はオプションです。
InfoQはAtmosphereのリリースについてJean-Francoisに話を聞いた。
InfoQ:Jean-Francois、Atmosphereを構成するさまざまなコンポーネントについてご説明いただけますか。
現在、我々は3つのモジュールを持つ予定です。1つ目は(先週リリースされた)CPR(Comet Portable Runtime)で、Cometを使用したいウェブ・アプリケーションにポータビリティをもたらします。2つ目はコアと呼ばれ、Project Jersey内にCPRを導入しRESTやアノテーション、IoCなどの使用を可能にします。これによりCometアプリケーションの構築は極めて容易となるでしょう。3つ目はPlugInと呼ばれるものですが、これによりディベロッパは(アノテーションを使って)コアの拡張ができます。実例は、ウェブ・アプリケーションにクラスタリング機能を追加することから成り立ちます。例えば、接続がインスタンス1で一時停止しているとき、アノテートされればプッシュが起こったときにそれを知らせます。従って、Cometアプリケーションをクラスタ化でき、それら全てを同時に更新できるのです。
InfoQ:今後のロードマップはどのようなものでしょう。また次のリリースはいつ頃を予定していますか。
4月末までにコアとCPRモジュールが利用できるようになっているはずです。PlugInについては引き続き取り組んでいきます。
InfoQ:Servlet 3.0と協同してのAtmosphereの発展についてどう思われますか。
AtmosphereはServlet 3.0非同期APIをサポートしますが、Atmosphereは3.0が提案する以上のものを提供します。例として、Atmosphere’s Broadcasterは、一時停止している接続間でデータをプッシュ、統合あるいはフィルタする時にとても便利です。
Atmosphereについてさらに詳しい情報は、プロジェクト・ページ、Twitter(リンク)、メーリング・リスト、Jean-Francoisブログ (リンク)を参照いただきたい。