アジャイルチームの持つ強みの一つは、多くの場合、単独でウォーターフォール式で作業をしていたときよりも、もっと自然で効率のいいやり方で新しいメンバに必要な情報を与えられることである。チームが同じ場所で作業をし、頻繁に効果的に意思の疎通をし(参考記事)、小さなストーリー(参考記事)から作業を行い、とりわけペアプログラミング(サイト)を行っている場合は、特にこれに該当する。
最近投稿した記事の中でAnand Vishwanath氏は(サイト)これに同意し、たいていの小~中規模のプロジェクトでは、新しいメンバは特別に形式ばったことをすることなくアジャイルチームに溶け込むことが出来る、と述べている。しかし氏は、もっと大きなプロジェクトではもう少し何かが必要となると考えている。彼は、大規模なアジャイルプロジェクトでは、小規模の「シミュレーション・プロジェクト」の利用が、新しい人を決まったやり方に慣れさせるための最善の方法となるだろうと提案している。一言で言えば、「一回の研修の中で新たに入ってきた人たち4~6人のグループを作り」、経験のある数人のメンターの支援の下で彼らに1~2週間に渡って数回の小さなイテレーションを実行させるのである。
Vishwanath氏は、研修プロジェクトの最も重要な構成要素は、シミュレーションの間を通して研修を指導することの出来るメンターの存在であると強調している。彼はそうしたメンタ-の中には次の人たちがいるべきであると述べている:
- メンター開発者。新たに入る人たちがプロジェクトのコードベースやドメインを理解するのを助ける能力のある、経験豊富で「有能な」開発者である。この人物はシミュレーションにフルタイムで従事し、新しい人とペアを組んだり、学ぶための講義を行う。
- メンタービジネスアナリスト。非常勤の役割でシミュレーションに取り組み、開発者に対して顧客として振る舞う。新しい人の中にビジネスアナリストがいれば、コーチもする。
- メンター品質アナリスト。この人物も非常勤で取り組み、アクティビティや彼らの専門に関する学習でグループを助ける。
Vishwanath氏は、このシミュレーションがどのように機能するかを、実際の1回の(あるいは数回の)イテレーションとして論じている。イテレーション計画ミーティング、イテレーション最後のデモやふりかえりが含まれており、みなさんの実際のプロジェクトで要するものは何でもありうる。
Vishwanath氏は、シミュレーションで行うイテレーションの中で、グループに様々なストーリーを提示するための方向付けをしている。例えば、彼はいくつかのシンプルで機能的なストーリーを含めることや、全体的に本来は技術的な「リファクタリングのストーリー」のために余地を残しておき、新しい人たちがプロジェクトのコードベースやアーキテクチャのマイナスな点を本当に理解するための良い機会を与えることを提案している。
Vishwanath氏はまた、今後の研修で利用可能な成果物をシミュレーションから集める方法についても、いくつか提案している。例えば、シミュレーションのセッションのビデオ録画や、イテレーションのふりかえりで目立った習得事項を記録することを強調している。
もしこの簡単な概要に興味をもたれたのであれば、Vishwanath氏の記事(サイト)をご覧頂きたい。優れた取り組みだと思われるだろうか?ご自分の環境を知った上で、これは適しているだろうか?みなさんは同様の取り組みをしたことがあるだろうか?そしてその場合、どんな成果があっただろうか?
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2009/03/newbies-large-scale-agile