デイリースクラムはアジャイルチームにとっては重要なミーティングです。この15分のセッションの間に、チームメンバは進捗を阻む障害に加えて、各自のコミットメントを共有します。スクラムでは、コミットを行ったチームメンバ(豚)に対してのみ、ミーティングでの発言権が与えられます。他の*関心を持つ人間*(チキン)は参加することはできますが、聞くことしかできません。デイリースクラムに参加することのできるチキンに上限はあるのでしょうか? スクラム開発グループの興味深いディスカッションの中でこの問題に解答しようとしています。
典型的な5-6人のメンバのチームでのデイリースクラムに、4-5人のマネージャが参加しているとJason Plante氏がディスカッションの口火を切りました。
Peter Stevens氏がその問題を共有し下記のように続けました。
デイリースクラムの目的はチームが自己組織することにあり、ステークホルダーに情報を提供することではありません。チキンがチームを居心地の悪い状態にさせているならば、私は丁寧にマネージャをそこに参加させないようにします。おそらくこれは全か無かの思考に基づいた提案であり、スクラムマスタには臨機応変な交渉能力が求められるでしょう!
Roy Morien氏はマネージャ達に状況を説明すべきであると提案しました。もしマネージャがそれでも理解できないならば、チームは生き残り戦術として、マネージャ向けのスクラムミーティングの開催を行い、その後本当のミーティングを行ってみるのもよいでしょう。この Ron Jeffries氏の返信ではミーティングを開催することはひとつの可能性ではあるが、多くの場合それは貧相な避難であり、それはよりマネージャとチームの間の信頼関係を悪化させると指摘しています。
Majkic Sensei氏もオープンで誠実なコミュニケーションの必要性を繰り返しています。彼曰く、
私ならマネージャ陣に対してミーティングを開催し、フランクにこう切り出します "開発者はデイリースクラムにこんなにも大勢のチキンが参加していることを快く感じていません。彼らはマイクロマネージメントを望んでおり、この状態ではアジャイルスピリット、そしてアジャイルの利益を発揮することができません。この状態はプロジェクトを脅威にさらしているのです。" 私は彼らをスクラムデモミーティングに招待し、開発者と関わる機会を設ける場を作る気はあります。
グループメンバーの中には真実に目を向けている発言もありました。また質問は大きく2つのカテゴリに分けることができました。それはマネージャがデイリースクラムに参加する理由と、チームが彼らの参加を心地よくないと感じる理由の2つです。
Luke Visser氏はマネージャ陣からの観点に返信しています。彼によると、マネージャとチームメンバの割合は1:2から1:5までが妥当な範囲となります。さらに、彼はマネージャがプロジェクトに対して利害関係を持っていることを強調しています。
驚くほどに多くの CEO/MD が実際にあなたのプロジェクトに対して利害関係を持っています。特にプロジェクトの費用が彼/彼女らのポケットから直接出ている場合はなおさらです。 このようなことによってチキン/豚のアナロジーは沈黙してしまいます。
彼によると、多くの場合マネージャはプロジェクトの状態をうわさによって知ります。それがデイリー・スタンドアップに参加することで、マネージャはより早く真実に到達することが可能になります。また、彼らは障害を迅速に取り除く手助けをしてくれ、それによってスクラムマスタの仕事をやりやすくしているのです。
Roy Morien氏は チームの観点からの彼の意見に追加しています。彼によると、チキンの数に関係なく、チキンをデイリースクラムに参加させることはつまるところ、その組織の経営上の文化によることになります。
経営文化が協力的で、人をその気にさせるのがうまく、経験豊かなメンバが若手メンバを指導する文化ならば、マネージャを参加させることにメリットがあります。このような文化の中から失敗や欠点を受け入れ、これらを乗り越えるためのチームのサポートを求める空気が生まれるのです。
これとは逆の状態が残念ながら世間では一般的で、それはコントロール、規律、非難のマネジメント文化であり、そこではマネージャの前で失敗もしくは問題を認めることはよいことだと考えられていません。私はこの"有毒な"環境を経験したことがあり、皆の欠点を注意するばかりで彼らの成功を認めることをしない典型的なマネージャの前では、黙っているほうがよいということをすぐに学びました。
それゆえグループの大多数はデイリースクラムに参加するチキンの数よりもその企業の文化のほうが重要であるということに合意しました。 鍵は信用の文化とポジティブな活力を創造することにあり、そのような状況でこそチームは過度におびえたり管理されることなくデイリースクラムを容易に実施することができるのです。