CLRについて実装されたIronRubyは急激な進化をとげ、現在IronRuby 1.0のリリースを間近に控えている。O'Reilly's OSCONの2009年7月29日に予定されている会議の概要では、以下の言葉ではっきりと述べている。
IronRubyは1.0となった! IronRubyが.NETプログラムでどう生かされるか、どうやって効率的に使われるか、どうやって適用させて行くかを見ていってくれ。(中略)OSCONはIronRubyの歴史上で重要な場所となるだろう。また、OSCON 2009はIronRuby 1.0を発表する唯一ふさわしい場だ。
IronRuby1.0はどの程度Rubyに対して準拠しているだろう?どの程度標準のRuby仕様に準拠しているのかについて、RubySpecを用いた結果がironruby.infoにて公開されている。(2009年5月6日現在)。
このデータについて更なる情報を得るには、IronRubyのチームメンバーであるJimmy Schementiのインタビュー(またはblog)、Twitter)を見ればよい。Jimmyの説明によると、IronRubyの総合的な実行結果(overall result)は82.3%と準拠度が低いが、この結果はいくつかのライブラリサポートによるもので歪められている。これを鑑みると、言語準拠(Language compliance)――IronRubyがRubyの言語特性をどの程度サポートしているか――は非常に高い。
インタビューは他にも多くの情報を提供している。例えば、IronRubyは実際のRailsアプリケーション上でも動作可能だ。しかし、MySQLで動くようにSQLコードを書いている為、SQLServer上で動かす場合に混乱が生じている。その他には、IronRuby上でRubyコードやDLRなどを実行する戦略(strategy)(インタプリタ型(interpretation) vs. コンパイル型(compilation) ―― インタプリタ型は高速開発に使用されるが、最終的にコードはMSILにJITコンパイルされる)について述べている。
他のRuby VMのニュースとして、JRuby 1.3.1がリリースされた(JRubyダウンロード)。JRuby 1.3の全ユーザは、JRuby 1.3で述べられたバグが修正されたJRuby1.3.1にアップグレードするべきだ。また、最近はBigDecimalでのDoSが発見された。
MacRubyも改良され続けている(最新版が更新された)。Mac上でのMacRubyやRubyに興味を持っているなら、最近のRuby on OS X Conference videoは興味深いものだと思う。
GemStoneのMagLev Ruby VMは第2四半期の後半か第3四半期のどこかで大きなリリースをするだろう。最近のTwitterのコメントで改善点について述べている
アルファテスターに対して、MagLev 21782をアップロードした。これは初のMagLev独自パーサの実装を含んでいるが、MRI実装から完全に独立してはいない。
MagLevの以前のRubyコードをパースするアプローチとしては、RubyコードをパースしてS式に変換するMRIのインスタンスを使用していた。
最後に、Brian FordはRubySpecについてインタビューを受けており、RubySpecは全てのRuby互換実装において、決定的なまでに巨大すぎる仕様である、と述べている。