アジャイル と Project Management Institute (PMI)。長年、多くの人たちにとって、この言葉の組み合わせは混じり合わない"水と油"と同じ意味を持って知られている。しかし、これは正しいだろうか? Jesse Fewell氏、Dan Mezick氏らはこれに対して異議を唱え、新たなPMI Agile Community of PracticeとともにPMIにアジャイルを取り入れることによって、このように考えている反対勢力を追い散らそうとしている。
3月、4月を通して、アジリストのTobias Mayer氏が独断的なブログのシリーズを投稿した。これらの投稿は、最近、オーランドで行われたScrum Gatheringにおいて、PMIのCEO、Greg Ballestrero氏の基調講演に刺激されたものであり、このイベントでBallestrero氏と会話したことも含まれていた。一言で言えば、これらの投稿は、多くの人々がおそらく持っている認識と同じく、PMIとアジャイルが共存することにMayer氏が懐疑的なことを示している。
興味深いことではあるが、Ballestrero氏のカンファレンス後の考えによるメッセージとMayer氏との会話に対するコメントと一致するものが、これらの投稿の底に流れている。このメッセージは、要約すると、"理解が不足している"ことを述べていた。アジャイルコミュニティの中でPMIに対する理解が不足していることはもちろんだが、さらに重要なことは、PMIコミュニティでアジャイルに対する理解が不足していることだ。
この事実によってPMIコミュニティの中でグループを作る動きが活発になった。そのグループは、現在のPMIメンバや支援者の基礎をなす大きな部分にアジャイルに関する正確な知識を広めることを目的とする。PMI Agile Community of Practiceと呼ばれるこのグループは、主にJesse Fewell氏に率いられ、ボランティアによるオープンソースの知識ベースのwikiを使ってグループについて説明している。
[これは] PMIの中にAgile Community of Practice (CoP)を作るため、アジリストのグループとProject Management Institute (PMI)の間の基礎を成す第一歩です。"PMIメンバがアジャイルの知識と技術を身に付けること"を目的としています。
PMI Agile CoPはアジャイルとPMIのグループの間を結合するものとして役立つでしょう。すでに存在するPMIの構成部分、コミュニティ、支部間において、世界、国内、そして地域レベルで情報を共有するプロセスを促進します。
また、このサイトにおいて、コミニュニティ憲章として、以下のようにグループの目的と価値を述べている。
コミュニティの目的: "PMIメンバがアジャイルの技術と知識を身に付けること"
コミニュニティの価値:
- "アジャイルマニフェストを支持" - Agile Project Management派をアジャイルマニフェストで述べた最高の価値と原則に強く専念することによって特徴付けられると定義します。
- "現代経営の相互依存に関する宣言を支持" - Agile Project Management派は、組織、部門、市場に関わらず、全てのプロジェクトに関連することを主張します。これは、アジャイルが始まったソフトウェア開発コミュニティに限りません。
- "透明性" - 私たちがすることすべては、最大限に全体的な可視性を持ちながら実行されます。
- "繰り返しと増加" - 私たちがすることすべては、早めに、何度も提供される可能性を持っています。
- "改善" - 私たちがすることすべては、改善の余地があります。
- "経験的" - 私たちがすることすべては、コミュニティの目的に対して述べられた重要な価値によって判断されます。
InfoQに聞かれたとき、重要な支援者であるDan Mezick氏がグループの目的をこのように述べた。
PMI Agile Communityによって、PMIの実践者すべてにアジャイルの知識とアジャイルの技術がもたらされました。私たちは、このグループの設立によって、PMIを通し、世界的にIT以外の一般的な企業へアジャイルの考え方を広めています。
PMIの実践者たちにとって、このコミュニティはアジャイルとスクラムの概念から始める場所です。アジャイルコミュニティにとって、PMIを通して世界的にアジャイルとスクラムの考え方を促進することに興味があるならば、PMIのアジャイルプロジェクトが一番の場所です。
この記事を書いている時点で、グループは正式に設立されていない。しかし、それにもかかわらずかなり勢いを増やし、今年の夏にシカゴで開催されるAgile 2009に大きな印象を与える準備をしている。
Jesse Fewell氏がカンファレンス計画についてInfoQに以下のように語った。
PMIアジリストたちの正式な団体がスピーカーたちを送りこみます。スピーカーたちは、講演し、パンフレットを配り、オープンスペースのセッションの司会を務めます。私たちの使命は、Agile Project Managementを利用して、私たちが知っているビジネスの外見を変えることです。PMIには今までアジャイル活動には開かれていなかった範囲があります。私たちはいかなるプロジェクトマネージャも聞きたくなるように訓練し、教え、指導して、この範囲を強化することを目指します。
Agile 2009で正式に設立をアナウンスする目的は、この使命をもって私たちを助けるように世界中のアジリストたちに実施要請を出すことです。例えば、カンファレンスにおける体験レポートの1つとして話すのは、PMIのアジャイル組織を作るためにAgile Project Managementをどのように使ったか、そして、恐ろしい官僚主義の中で、実践者たちがこれらの教えをどのように日々の仕事に持ち込んだかということです。
Fewell氏によると、カンファレンスの主催者は、アジャイルとPMIに関する意見交換の機会があることに興奮している。そして、PMIメンバに登録ディスカウントを提供している。
PMIにアジャイルをもたらそうとすることは、まったく新しい第一歩ではない。Mike Griffiths氏のような人々が 長年行っていることだ。しかし、この強さを増す第一歩は、可能性のあるさらに有望なしるしの1つだと思われる。
Agile PMIの正式サイト か、上記で参照したコミュニティサイトで、PMI Agile Communityの動きを詳しく見てみよう。そして、ここであなたの考えを話そう。