Novell は Linux アプライアンス作成ツール SUSE Studio をリリースした。Mono 開発チームはこれに関連して,SUSE で稼動するアプライアンスを Visual Studio 内から生成するプラグインを製作した。
SUSE Studio プロジェクトのリーダである Net Friedman 氏は,ソフトウェアアプライアンスを次のように定義する。
ソフトウェアアプライアンスとは,オペレーティングシステム,アプリケーションソフトウェアと必要な付属物すべて,運用に必要なコンフィギュレーションファイルやデータファイルなどを含むアプリケーションスタック全体を指すものです。すべてのものがプリインストールされ,統合されて,実行可能な状態になっています。
ソフトウェアアプライアンスは仮想マシンのイメージや ISO イメージ,USB キーイメージ,あるいは Amazon EC2 AMI などのファイル形式で提供されます。
コンセプトとしては単純で,ソフトウェアスタック全体 ー オペレーティングシステム,アプリケーション群,コンフィギュレーションデータなど ー の仮想イメージを使用することによってインストールやコンフィギュレーションの手間を省く,というものだ。このようなソフトウェアアプライアンスは,サーバアプリケーションを稼動するには最もよい手段だろう。アプリケーションに必要なものは何か,適切な動作のために何をどのように設定すればよいか,などを最も熟知しているのは開発者たちである。アプリケーションベンダは膨大なセットアップ説明書だけを添えたアプリケーションを提供する代わりとして,容易に起動可能なアプリケーションアプライアンスを提供すればよいのだ。
SUSE Studio はライブ CD/DVD,VMware用 と XEN 用の仮想イメージ,HDD および USB イメージなどの形式でアプライアンスを生成する。Amazon EC2 イメージも間もなくサポートされる予定だ。
Novell のアナウンスに続いて,Miguel de Icaza 氏は Visual Studio 用の SUSE ソフトウェアアプライアンスを生成するプラグインの開発を発表した。このプラグインの目的は,Windows 開発者が.Net アプリケーションを含む Linux アプライアンスを製作可能にすることである。.Net アプリケーションを Linux 上でテストするのに苦労している Windows 開発者たちにとって,これは特に朗報だろう。
SUSE Studio は,Linux 上で動作する Mono,MonoDevelop,ASP.Net,Windows フォームをパッケージした VMware および VPC イメージを開発する上で,ひとつのテストケースとなるものだ。