マイクロソフト・タグは進化したバーコードテクノロジである。伝統的なUPCやISBNバーコードは数字だけを記憶するものだったが、タグバーコードはそれらと異なり、テキスト、URL、電話番号、さらには仮想IDカードの情報も記憶することができる。また、タグバーコードは通常オープンだが、パスワードによるプロテクトをかけることもできる。
マイクロソフトによれば、タグテクノロジーの可能性は、雑誌、ポスター、消費財、名刺の他、ウェブ機能付き携帯電話で撮影できるあらゆるものに見いだされる。タグは通常、0.75インチ四方の四角形内にランダムな三角形のパターンが現れるというものだが、一層視覚に訴えかけるものとなるように、このバーコードを画像の上に被せることもできる。さらにわずかな技術でバーコードを完全に見えないようにすることもできる。
今のところ、マイクロソフトはタグテクノロジーそれ自体から利益を得ようとしていない。しかし、将来的に商用利用ができるように、権利を押さえている。今はマイクロソフトのマーケティングとサービス広告が推進されることを期待して無料で提供されているのである。
タグ形式のバーコードを生成するためには、マイクロソフト・タグのウェブサイトかAPIを利用する必要がある。この技術を企業秘密のままにしておいて将来的な収益モデルを守るため、マイクロソフトがバーコードを生成するアルゴリズムを公開することはおそらくないだろう。タグAPIはWebサービスとしてのみ利用できる。このことで理論的には、このAPIを非Windowsプラットフォームで利用することが可能になるが、同時にこれは信頼できるインターネットアクセスを持たないデバイス上では機能しないことを意味している。
これ自体は、通常とは違うビジネスモデルを支えるための一時的なものである可能性が高いが、将来的にはこういったことがさらに多くみられるようになるだろう。あらゆるコードのオープンソース化を望む圧力が高まっている中、商用ソフトウェアを作る企業にとってこの戦略は、自社の製品から利益を生み出しつつ、オープンソース化の議論を完全にかわす方法に見えるだろう。