アジャイル マニフェスト には、 “動くソフトウェアが、どんな文書よりも理解しやすい”とある。このおかげで、アジャイル プロジェクトでは、文書は、要らないと信じられるようになった。アジャイルを批判する人たちは、その方法論の弱点を示すのに、アジャイルの少ない文書を指摘する。Ron Jeffries氏は、アジャイルでは、文書はいらないとか、少なくていいとは言っておらず、正しい文書化に力点を置いている、と言う。彼が言うには、
XPに対する最も一般的な非難の1つも、真実でない。我々が、文書化は、悪い考えだ、と言っている、と人々は誤解しています。 XPは、最も効果を上げるために、会話を重要視しているのです。 我々の文書化に対する忠告は、この単純な事実から出てきたものです。
同じような趣旨で、Eelco Gravendeel氏は、 アジャイルには2種類の文書化しかないと言っている,
- プロジェクトで働くチームメンバ全員が必要とする文書 – 理想の世界では、チームは、1箇所に集まり、すべての知識が共有され、直接伝達される。しかし、チームが分散していて、情報を伝達する際は、文書を書き、音声/ビデオ電話で文書を補うのが、有効です。チームで ユビキタス言語を話したり、 同レベルの理解がいる時に、最低限の共通文書セットがチームに必要です。
Eelco氏は、製品開発を支援するために書かれている、多くの文書は、プロジェクトが終わってしまえば、捨てられてしまうので、もっと注目する必要がある、と言う。彼によると、
製品開発プロセスを支援するのみの目的で書かれた文書は、プロジェクトが終わり、製品が引き渡された途端に、捨てられるものであることを認めるなら、そのような文書を、いつも期限を守り、完璧にする、という強い欲望を抑えることができ始めるだろう。まさにこのために、文書を書くことは、時間がかかる、従って高価な仕事なのである。単に意図を伝え、あるいは記憶の補助として、書いておく必要がということを認めるなら、ペンと紙、ホワイトボードに書いた図を撮った写真、コースタの裏に書いた落書き、絵コンテなどは、この目的に十分である。
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製品と一緒に出荷される文書 - これらの文書は、製品引き渡しの一部であり、あらかじめ顧客としっかりと決められたものである。典型的ななものに、
- ユーザマニュアル
- デプロイマニュアル
- 保守マニュアル(ソフトウェアを操作するために)
- 技術文書(コードベースを保守するために)など
これらの文書にさえ、Eelco氏は言う、
製品とどの文書が出荷されるかに同意しても、文書の形態については、まだ独創的にできる。長ったらしいユーザマニュアル書く代わりに、もっとweb2.0の技術を使って資料を録画し、スクリーンキャストにすることもできる。このほうが、(統計的に約10倍安い)一般的に安いし、実際に使われもする。
このように、文書には2種類あり、ひとつはチームを助けるため、もう一つは、最終製品と一緒に出荷されるため。もしアジャイルチームが、この2つの範疇のいずれにも入らない文書を用意しているなら、よく注意すべきである。大抵の場合、そのような文書は、チームに不要である。