IronRubyチームが1.0のリリースに向けて動いているので、IronRubyプロジェクト関連のコミュニティは最近忙しさを増しているようだ。IronRubyチームはバージョン0.9.0をリリースし、Antonio Cangiano氏は我々を勇気付けてくれるようなIronRubyのベンチマークをいくつか発表した。
InfoQは以前、IronRuby 1.0へのロードマップに関するIronRubyチームからのニュースを紹介した。Jimmy Schementi氏はIronRuby 0.9.0がダウンロード可能になったことを最近アナウンスした。IronRuby 0.9.0は予定していた機能を実現し、多くの改善がなされている。
ライブラリのパフォーマンスはこのリリースの重要なポイントです。Rubyベンチマークスイートによってパフォーマンスが改善されたことを確認しました。以前OSCONについての投稿で述べたように、IronRubyをベンチマークスイートにかけるとMRIよりもおよそ2倍の速度を示します。近い将来、IronBuryのパフォーマンスの完全な評価が行われ、Webサイトで発表されることでしょう。
Antonio Cangiano氏はIronRuby 0.9.0、Ruby 1.8.6、Ruby 1.9.1に対していくつかのベンチマークテストを行い、多くの分野でIronRubyのパフォーマンスが向上していることを示す興味深い結果が得られた。
IronRubyはもともとRuby MRIよりもずっと遅かったのですが、大半のテストで相当速くなりました。確実に大きな進歩をとげています。IronRubyチームには脱帽です。
テストのレビューでは、誤解を防ぐために注意しなければならない点が示されている。
この結果にエキサイトする前に気をつけねばならないのは、まずIronRubyは現時点でRuby 1.9.1ほど早くはないということです。1つめの図に惑わされてはいけません。あるテストではIronRubyの方が速いのですが、それ以外の多くではIronRubyの方が遅いのです。今のところ、パフォーマンスはRuby 1.9.1に近いものの、Ruby 1.8.6とRuby 1.9.1の間に位置づけられます。なぜこの図が誤解を招くかというと、テストのタイムアウトが考慮されていないからです。Ruby 1.9.1に比べ、IronRubyではより多くのタイムアウトが発生しています。もしタイムアウト1つにつき合計時間に300秒足していけば、Ruby 1.9.1の方がまだパフォーマンスがよいとすぐにわかるでしょう。マクロベンチマークを比較した2番目の図を見ると、IronRubyのパフォーマンスがRuby 1.8.6とRuby 1.9.1の間に位置していることがよくわかります。個々のベンチマークをプロットしてみても、大部分はこの図と同じ結果になるでしょう。
IronRubyのパフォーマンス向上と進化はとてもうれしいことだ。ぜひAntonio氏のWebサイトでベンチマークの結果を確認して欲しい。