Agile 2009初日の月曜日、Liz Keogh氏はフィードバックを効果的に与える方法と受ける方法というセッションを行った。このセッションは仮想の人物であるGeorgeが受け取った、様々な種類のフィードバックを題材にしたものだった。
- 熱烈な賛辞の報告
- 未来に関するいくばくかの提言を含む、バランスの取れた報告
- 建設的ではなく、もしかしたら不公平かもしれないレビュー
- 同じレビューをこのフィードバック・ワークショップに参加した後に書き直したもの
Keogh氏はフィードバックに関する様々な議論へと参加者を導いた。氏の説明によると、賛辞に満ちているだけのフィードバックは受け手が何か新しいことを学んだり、成長することの助けにならない。言わばこれは、同じ立場にずっと居続けることを助長するものなのだ。逆に新しい立場に移った時には、最初その役割に必要な新しいスキルを学んでいる間は、あまり好ましくないフィードバックを受けることになりがちである。この場合に重要なのは、フィードバックがネガティブなだけではなく、今のままで良くて変えるべきではないポジティブなことを含んでいるということだ。Georgeの例では、このネガティブなフィードバックはきわめて悪意に満ちていて、フィードバックを与えた人がGeorgeを排除して仕事を奪おうとしているということが明確だった。このフィードバックはGeorgeよりも、むしろそれを与えている人間について多くを語っていたのだ。
このグループではサンプルに関して活発な議論がなされた。
- フィードバックは直接与えられるべきで、マネージャを経由すべきではない。
- 対面で話す方がフィードバックを書くよりも双方にとって安全だ。
自分より上の立場の相手や対立している相手に対してフィードバックを与える場合についていくつかの戦略が示された。「あなたの助けが必要です、こういう問題があって・・・」と助けを求める、問題の所有権を握る、問題に言及し参加者には言及しない、などである。他にも、使いすぎるとその人を弱めてしまう戦略、つまり公に過ちを認めるといったものが挙げられた。
優れたフィードバックの性質
- 受け手に関するもので、フィードバックの与え手に関するものでない
- フィードバックの与え手の観点からのみ出てくるもので、第三者の観点を含まない
- 受け手に直接伝える
- フィードバックの与え手が価値を置くものを含み、改善すべき点を示すだけのものでない
- 提言を行い、文句を言うだけではない
- 具体例を用い、一般的なものについて語らない
- 自分が見聞きしたことについて語る。つまり「チームは皆あなたのプレゼンテーションを聞いて満足でした」ではなく「チームは皆あなたのプレゼンテーションの後、笑顔でした」と言う。
- 自分へのインパクトについて語る
- 必要な変更を行う上で受け手に助けを求める
- 全員がめざして行ける明るい未来とポジティブなゴールで締めくくる