The International Association of Software Architects (IASA)は世界で最大のITアーキテクトの団体だ。IASAは来週、ニューヨークでIT Architecture Regional Conference (ITARC)を開催し、Grady Booch氏、Eric Evans氏、Bill Inmon氏を含むソートリーダー達を一堂に集める。非営利団体であるIASAはこの会議で、2つの新しい認定ITアーキテクトプログラムを発表する。ひとつはCITA-Foundationで、これは テストでアークテクトとしての有能さを試験して認定するプログラムだ。もうひとつのCITA-Professionalは同業者である委員会のメンバがレビューを行うプログラムで、他のエンジニア認定制度や、弁護士などの資格制度を参考にして作られた。様々な意味で使われる"アーキテクト"という言葉をIT産業ではどのように定義すべきか。この問題を5年間調査した結果、この2つの認定制度は次の能力に焦点を当てるものになる予定だ。情報技術を使ったビジネス戦略、ビジネスアーキテクチャ、デザイン、IT環境、品質、そして、ソフトウエアとインフラと情報アーキテクチャの3つの領域での人間工学。
InfoQはITARCとCITA認定制度についてIASAのプレジデントであるPaul Preiss氏に話を聞いた。
InfoQ: 読者の中にはIASAが何をしている団体なのか知らない人もいます。説明していただけますか。
Preiss氏: IASAは非営利の団体で、あらゆる種類のITアーキテクトの専門職協会です。団体の活動には、トレーニングや認定制度、インターンシップ、教育認定が含まれます。ほかにも世界の他の地域に支部をつくり、専門家をリードするような世界的な会議を開催するなど、この分野での主導的な役割を果たすような活動をしています。2002年に設立に設立して以来、IASAは35カ国に50を超える支部を持つまでに成長しました。
InfoQ: 来週、ニューヨークでアーキテクチャを専門とするソートリーダーを一堂に集めるそうですね。
Preiss氏: はい、この特別なイベントに皆さんが参加してくれるのはとても幸せなことです。中にはGrady Booch氏やRoger Sessions氏のように何度かIASAに参加してくれた方もいますが、皆さんが参加してくれることにわくわくしています。このように業界のリーダーの皆さんが一堂に集まるのはこれが初めてのことです。集まって下さるリーダーの皆さんの中には、たくさんの人やプロジェクトやチーム影響を与えてきた方が多くいます。しかし、そのような方が参加したいと思う場を作るような活動はなされてきませんでした。これは私にとっては驚くべきことです。IASAに参加しているすべてのソートリーダーとプライベートな会議を開いて活動の方向性や次年度の目標を共有しているのも同じ理由からです。毎年行うソートリーダーの会議を通じて私たちの専門職のネットワークを利用しながら彼が目標達成へと進んでいくこと。これを支援するのがIASAの望みです。
InfoQ: この会議は様々なタイプのアーキテクトのために開かれるようですが、どのような内容になるのか教えていただけますか。
Preiss氏: この会議ではIT産業をユニークな方法で分割しています。IASAはすべての分野のすべてのアーキテクトが(個々の分野の特別な技術の上に乗っている)共通の技術を共有することを推奨している唯一の団体です。ITARCは様々な‘タイプ’のアーキテクトに参加してもらうことに成功してきました。なので、会議の内容も次のように分かれます。すべてのアーキテクチャに共通の話題を扱うトラックではすべてのアーキテクトが共有できる内容を扱います。ソフトウエアアーキテクチャを扱うトラックではソフトウエアの専門家のための話題を扱い、インフラとビジネスと情報のためのトラックにはいつもは分野の異なる人々が集まるでしょう。いままで行われた他の会議とは大きく異なります。ほとんどの会議は専門家のごく一部が話をするだけですから。
InfoQ: 認定制度はITプロフェッショナルからよく嘲笑されていますが、CITA Professional認定制度を注目すべき理由は何でしょう。
Preiss: ご存知の通り、ITの分野は専門職という概念や専門職が与えてくれる安定性のようなものとは相性が良くないです。この分野は50年の間、フロンティアであり続けています。このような状況で私たちは何を示さなければならないのでしょうか。8割の時間がメンテナンスに費やされ、プロジェクトの65%が失敗しているということでしょうか。ビジネス分野で歩きはじめた赤ん坊のように扱ってもらうことでしょうか。例えば、金融、法曹、会計、電気や散髪の分野の専門職でさえ、成長して自分自身が成し遂げようとしていることについて知るには、本当の専門知識とそれを獲得するための支援が必要不可欠です。IASAの認定制度のモデルは他の専門職(私たちは薬品、法曹、エンジニアリングの分野のモデルを再利用しただけですが)では成功してきました。CITAのような認定制度は人材採用活動を変えるでしょう。なぜならこの認定制度はできるアーキテクトとそうでないアーキテクトを明確に分けるからです。さらにこの認定制度はと特定の企業やベンダや技術の代わりに、本当の専門家を目指す人(つまりこの文章を読んでいる皆さんのことでもあります)を認定します。つまり、自分が目指す認定モデルや認定プログラムを変更したい場合も、どこで働いていようと変更することができます。
ITARCはまだ受付を終了していない。開催期間は10月12日の月曜から14日の水曜まで。場所はニューヨーク。世界各地で開催される予定の地域毎の会議についてはIASAのサイトを参照されたい。