Bay Partners の Salil Deshpande,Accel Partners の Kevin Efrusy の両氏は普通の VC ではない。ともに高度な技術の持ち主なのだ。11月18日(水)に開催される QCon San Francisco 冒頭のキーノートで両氏は,ソフトウェア開発の分野で予想される将来動向と市場機会に関して公開議論を行う予定だ。彼らの持つ技術的バックグラウンド,ベンチャーキャピタル(Vencure Capital/VC)分野での経験,さらには将来のトレンドに対する直感を駆使して,そこでは次のようなトピックを取り上げる。
- ソフトウェア開発に影響を及ぼす動向とその理由
- 成功と失敗を分けるもの
- 企業に投資した理由,投資しなかった理由
- 希望しながらも機会を逸した投資について
- 起業家として,VCとして,過去の経験から学ぶこと
- 経験にもとづく起業家へのアドバイス,例えば資金調達に最適なタイミングについて
- 質疑応答
質疑応答の取り掛かりにしたいので,どのような質問でもよいからこのアーティクルにコメントしてほしい,と2人から依頼を受けている。彼らに伝えたい質問やコメントがあればこのアーティクルに追加しておくと,Salil と Kevin がキーノートで取り上げてくれることだろう。
Salil Deshpande氏は Bay Partners のジェネラルパートナーであり,Java,エンタープライズソフトウェア,オープンソース,ミドルウェア,アプリケーションフレームワークを主要な対象とした投資を行っている。最近では Groovy と Grails (G2One), Spring (SpringSource),継続的パフォーマンス管理(dynaTrace),Maven (Sonatype), Ruby on Rails (Engine Yard) などの分野,さらには現在進行中のいくつかに対して投資している。Bay Partners は Palo Alto を拠点に設立33年を数える草分け的ベンチャーであり,これまでに 200 を越えるビジネスを成功させ,11以上の資金拠出を行ってきた。氏が Bay に参加したのは4年前だが,それまでにいくつかの会社を共同で設立して売却している。その中のひとつが開発サイト TheServerSide.com ネットワークを運営していた Middleware Company である。氏はスタンフォード大学で電気工学修士号(MSEE),コーネル大学で電気工学学士号(BSEE)を取得している。
Kevin Efrusy 氏は Accel Partners のジェネラルパートナーであり,コンシューマ向けインターネットサービスと SaaS/オープンソースソフトウェアという2つの領域を主な投資対象としている。SaaS/オープンソースソフトウェアに関しては Xensource (Citrix に買収された), Genius, SpringSource, Terracotta, Aptana といった会社の投資を指揮したり,あるいは役員を務めたりしている。ベンチャ以前に氏は Corio という会社を起業している。Corio は ASP/SaaS のパイオニアであり,Nasdaq に上場後,2005 年に IBM によって買収された。その後,重機を扱うオンライン市場である IronPlanet の初代CEOを務めた。この会社は,現在では年間総売上が 3億6000万ドルに達している。氏は スタンフォード大学で MSEE,BSEE,経済学の学士号(BA)を,スタンフォード大学ビジネススクール (Stanford Graduate School of Business) で MBA を取得している。