MicrosoftはWindows Azure Tools for Eclipse、Windows Azure SDK for Java、Eclipse Tools for Silverlightといったいくつかのツールと、EclipseをWindows 7風のルック&フィールに変更したことをアナウンスした。
MicrosoftはEclipse Mylynの製作元のTasktop Technologiesとパートナーを組んで、最新のWindows 7の機能が使えるようにEclipseを改良している。そのような機能には、例えばタスクバープログレスやジャンプリストの利用、検索ウェジットとの統合、新しいウェジットカラーやスタイル、Windows 7のルック&フィールなどがある。これらの機能強化はEclipse Public Licenseで配布され、2010年の1Qに初期プレビュー版が、そして2010年6月のEclipse Heliosをターゲットに正式版がリリースされるだろう。MicrosoftはWindows 7の上で動くEclipseの新しいインターフェースを作成するための専門知識で貢献している。Eclipse Bug 293226でこのプロジェクトの進捗を調べることができる。
PHP Development Toolkit (PDT)をベースにしたEclipseプラグイン群であるWindows Azure Tools for Eclipse (WindowsAzure4e)は、Windows Azureアプリケーションを作成しているほとんどのPHP開発者に利益をもたらすだろう。このツールは以下のようなものを提供する。
- プロジェクト作成&マイグレーション: プロジェクト作成ウィザードはWindows Azureをターゲットとした新しいPHP Webアプリケーションを作成する。マイグレーションツールにより、既存のPHPプロジェクトをWindows Azureプロジェクトに変換することもできる(逆も可能)。
- Azureプロジェクトの構築&管理: windowsazure4eプラグインはWindows AzureサービスプロジェクトやWebロールプロジェクト、Windows Azure構成ファイルや定義ファイルなどの、Windows Azureが想定している一連の成果物を作成する。プロジェクトとWindows Azureの設定はEclipseのプロパティウィンドウに表示される。
- ストレージエクスプローラ: プラグインの一部として、Windows Azureのストレージアカウントの管理を簡素化する、Windows Azureストレージエクスプローラが提供される。さらに、Blob、クエリ、テーブルでの作成、読み込み、更新、削除 (CRUD) 操作を行うユーザーインターフェースも提供してくれる。
- Azureプロジェクトの配置: Windows Azure開発ファブリック上でのWindows Azure用PHPアプリケーションの開発とテストが終われば、Eclipseの対象プロジェクトで右クリックし、Windows Azureへの配置用にアプリケーションをパッケージすることができる。
ストレージエクスプローラはもともと、Eclipseベースの多くのツールを持っているフランスの企業、Soyatecと共同で開発したWindows Azure SDK for Javaの一部だった。WindowsAzure4jはまた別のプロジェクトで、Java開発者がWindows Azureを利用する上で必須のツールを提供する。主な機能は以下のとおりである。
- Windows Azure Blob、テーブル、クエリのためのJavaクラス群(CRUD操作のため)
- HTTPトランスポート、AuthN/AuthZ、REST、エラー管理のためのヘルパークラス
- マネージャビリティ、インストゥルメンテーション、ロギングのサポート
- AzureテーブルストレージにJavaセッションを保存するためのサポート
Soyatecと共同で行ったもう1つのプロジェクトに、1年前にアナウンスされ、今日リリースされたEclipse Tools for Silverlight (eclipse4SL)がある。このツールセットは以下を提供する。
- 相互運用性の増強: EclipseにはJava開発者がRESTやSOAP、JSON、その他の標準を使ったJava Webサービスとうまく連携するSilverlightアプリケーションを構築するのを補助する機能が含まれる。
- SilverlightプロジェクトシステムとSilverlightコンパイラ: EclipseにはSliverlightアプリケーションを作成するための高度なプロジェクトシステムと、Sliverlightアプリケーションを配置するためにパッケージングするメディアエクスペリエンスおよびコンパイラが含まれる。
- コードヒントやコード補完を持ったXAMLエディタとプレビュー: Eclipseにはコードエラーの検出と修正を助けてくれるようなコードヒント機能を備えた、高度でかつ標準に沿ったXAMLエディタが含まれる。
- Microsoftの開発ツール、デザインツールとの完全な互換性: Eclipseで作成したXAMLとSilverlightプロジェクトは、Microsoft Visual StudioとMicrosoft Expression Studioの両方で完全にサポートされる。
eclipse4SL 1.0には次の機能が組み込まれた。
- Silverlight 2.0のサポート
- 構文のカラー表示、キーワードやテンプレートコードの補完が可能なC#コードエディタ
- 自動ビルド&実行
- 起動が容易なConfigurable Webアプリケーション
- SilverlightプロジェクトシステムとSilverlightコンパイラ:Silverlightアプリケーション作成のための高度なプロジェクトシステムとメディアエクスペリエンス
- XAMLエディタ&プレビュー:コードエラーの検出と修正を助けてくれるようなコードヒント機能を備えた、高度でかつ標準に沿ったXAMLエディタ
- 移動と名前変更をサポートするリファクタリング機能
- 高度なメディア機能
- クロスプラットフォーム互換性 (Macバージョン)
- 完全なユーザードキュメント&模範的なチュートリアル
- 異常テスト&リグレッションテスト
- 開発者ユーザビリティテスト
ロードマップは2010年春のeclipse4SL 2.0まで描かれている。このリリースには、Sliverlight 3.0のサポート、アウトオブブラウザエクスペリエンスのサポート、Macプラットフォーム向けの改良、複数プロジェクトのサポートが含まれる予定だ。