サンの証券取引委員会提出資料によると、11月9日月曜日、EUがサン・マイクロシステムズとオラクルの合併に関して反対する正式な声明を発表した。予想どおり、懸念はオラクルのMySQL獲得に限られたものである。提出資料には次のように書かれている。
反対声明はサンのオープンソースデータベースMySQL製品とオラクルのエンタープライズデータベース製品との組み合わせ、および、そのデータベース市場の競争に対する潜在的なマイナスの影響に関する、またそれらに限定した事前評価に基づいて発表されている。反対声明の発表に対し、その声明を受けるものは委員会の通知された合併取引の競走効果に関する事前評価に応えて異議を申し立てることができる。反対声明は準備文書であり、欧州委員会の最終決定を事前に判断するものではない。欧州委員会によるいかなる最終決定も欧州第一審裁判所への上訴に従う。
EUの反対声明発表の決定は驚くべきものではない。委員会は競争政策担当のスポークスマンであるNeelie Kroes氏がこの問題について述べた先月オラクルに対して警告を発していた。Kroes氏は:
幾度もの要求にもかかわらず、オラクルが競争に関する問題がないことの確固たる証拠を提出することも、その代わりに委員会が特定した競争問題への対策案を提出することもできなかったことに失望の意を表明した。
ECはさらに、MySQLに関する懸念をもたらした取引が適合するということを承認する方向に早急に動くことが望ましいと述べた。
オラクルは今のところ遺憾の意などは表明していない。強い口調で書かれたその反応の中で、オラクルは、EUに加えてEUの立場を支持してきたMySQLの生みの親Monty Widenius氏とFree Software Foundation設立者Richard Stallman氏の両氏を暗に非難し、全くオープンソースソフトウェアを理解していないと述べた。
オープンソースソフトウェアについてよく知る人々は十分に理解しているはずである。MySQLはオープンソースであるため、誰からも統制され得ないということを。それこそがオープンソースの核心である。
オラクルはデータベース市場は"IBM、Microsoft、Sybase及び3つの独立したオープンソースベンダーを含む最低8つの強力なプレーヤーがいる猛烈に競争的な市場"であると言い続けている。
EUの反対にもかかわらず、オラクルは次のことを確信している。
競争の阻害に関する信頼しうる理論や証拠はないため、最終的には取引の無条件の許可が得られると確信している。
このケースは大西洋の反対側の反トラスト規制当局との微妙な意見の違いを浮き彫りにしている。米司法省は8月にこの取引に許可を与えている。普通でない動きとして、司法省は月曜に声明を発表し、提案された合併は独占禁止に関する懸念を生じさせることはないと繰り返した。反トラスト局の副検事補であるMolly Boast氏は次のように結論づけている。
消費者にとっての損害にはなりにくいだろう。なぜなら消費者は数々の十分に確立し広く受け入れられたデータベース製品の中から選択を続けることができるからだ。