Windows Workflow 4 はライブラリを大規模に書き換えている。長期間かかるタスクのためのモデリング言語を提供するという目的は以前のバージョンと変わっていないが、完全に書き直したことから必然的に大きな違いが生まれている。
まず後方互換性についてだが、保証されていない。InteroptActivityを使えばWF4からWF3を利用することができるが重大な制限がある。例えばWF3のSendActivityやReceiveActivityは利用できない。またワークフローを停止したり他のワークフローを実行することもできない。
WF3のワークフローをWF4用に書き直すのは面倒な作業だ。WF4はXAMLだけでワークフローを定義する。従って、プログラムからの生成が簡単になるが、CodeActivityは使えなくなる。またステートマシンワークフローもサポートされないので、ステートマシンワークフローを使っている場合は再設計が必要だ。さらに、SuspendActivityとTerminateActivityがなくなったので、エラーのハンドルの仕方も大きく異なっている。その他のActivityも多くは名前が変わったり意味が変わったりしている。昨年6月にMatt Milner氏が作成した変更点リストには最も新しい情報が乗っているようだ。
もしWindows Workflowを使うのが初めてで、旧バージョンへ一切投資していないとしたら、WF4は大きなプレゼントになる。WF4はワークフローのホスティングやデータ管理、カスタムのActivityの作成をとても単純にする。Activity間でデータを受け渡すときに依存プロパティを使う必要もなくなった。
また、Windows Workflow 4の主要なポイントとしてWindows Communication Foundation と Windows AppFabricとの統合が挙げられる。開発者はWindows Server AppFabricが提供するホスティング環境を使って、メッセージパッシングアプリケーションを“外側ではWCF、内側ではWF”で構築する。これがMicrosoft社の構想のようだ。