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Oracle による Sun 買収の結末に関する見通し

原文(投稿日:2010/01/29)へのリンク

およそ9ヶ月の憶測と遅延の後、Oracle は EU から Sun 買収の完了へと繋がる青信号を得た発表の後には、Oracle が Sun の技術とプラットフォームに関する将来の計画を提示する、一日がかりのイベントが続いた。

Java、JVM および代替となる JVM 言語

製品開発担当上級 VP である Thomas Kurian 氏が述べたように、Oracle は Sun HotSpot と Oracle JRokit Java 仮想マシンを統合することを計画している。また Java 開発者コミュニティを"活性化し"、新たなアプリケーション開発パラダイムを支援する Java プログラミングモデルの範囲を拡大するつもりであるとも言った。例えば、モジュール性とマルチコア処理のサポートを Java SE に追加することやマルチタッチのような新機能により新しいレベルのサポートを Java ME に提供することを計画している。

InfoQ は Allex Miller 氏に Oracle の JVM に関する発表についてコンタクトを取った。

彼らが BEA の LiquidVM "ハイパーバイザ上での JVM" 技術のいくつかのクールな部分を取り上げ、既存の HotSpot のコードとマージしたがっているように私は感じました。確かに仮想化部分はいくつかの最も興味深い(そして儲かる) JRockit JVM の部分であり、競争は仮想化、クラウド、計算リソースを管理する方法としてのクラスタへと本当に現在のトレンドに突入したと思います。これは、IBM の J9 JVM に対する重要な競争上の優位性となるはずです。

私は、PermGen を削除してスレッドローカルな GC を使うというコメントは同じように素晴らしいアイデアだと思っています。おそらくスレッドローカルな GC は、HotSpot がしばらく取り組んできた解析の回避とスタック割り当ての最適化に向かいます。たいていのプログラムは、一つのスレッドのコンテキスト内で使われる多くの一時的なオブジェクトを作成しますが、決して他のスレッドからの可視化を回避しようとはしません。それらのオブジェクトは直接スタック上に(より速い)割り当てることができ、ヒープに入ったり検査や通常のガベージコレクションによる削除を要求したりしません(GC の削減)。

PermGen の改善は、JVM 上で動的言語を動作させることにより悪化していく問題に対処するために本当に必要とされています。Groovy や JRuby のような言語の多くは、動的な振る舞いを提供するため、実行時に大量の小さなクラスを動的に生成します。これらのクラスは、Java メモリの特別な "PermGen" 領域を汚染し、回収することが困難あるいは不可能で、重大なメモリ問題の原因となっています。JSR 292 invokedynamic の作業は、動的言語に実行時に呼出し位置と直接リンクすることを許可することによる別の方法で、この問題のいくつかに対処しています。これにより多くの内部的なクラスを生成する必要を避けています。

一般的に、このように単に JVM のどちらかをやめるわけでなく、両方の長所を取り上げようとすることは素晴らしいと思います。両方の開発チームは、長い間革新的な仕事に取り組んできた驚くべき人々がいます。彼らがこの領域で投資し続けようとしていることが分かってうれしいです。それは JVM が活気があり続けるいくつかの希望と Scala、Clojure、Groovy、JRuby のような最先端の新しい言語を開発するための熱狂的な場所を与えるでしょう。

Oracle は、JCP の将来についてのほんの少しの情報しか公開していない。Java 7 の開発についてどのようになるか、RedMonk 社の Stephen O'Grady 氏が指摘する。

私は Oracle は概して JCP について、プラットフォームが重要な感情を伴っていた Sun がしてきたよりも、少し実際的になるかもしれないと思っています。しかしどのように物事が展開していくかを予測することは困難です。

MySQL

Oracle のチーフオープンソースアーキテクトである Edward Screven 氏は、MySQL データベースをサポートし続けるだろうと述べた。Oracle は、MySQL を自身のコアデータベース技術を補完するものと位置づけ、競合する製品と見なさない。CEO Larry Ellison 氏は、Sun やオープンソースコミュニティに言及せずに、Oracle は以前の世話役よりも MySQL を改善するより良い仕事をするだろうと強く主張した。Oracle は、他の Oracle ソフトウェアアプリケーションとの互換性を強化しながら、別々の販売チームを通して MySQL を提供するだろう。

JavaFX とリッチインターネット技術

発表の間、Oracle は JavaFX に重点的に投資する予定であり、そして DHTML、JavaScript、Java、JavaFX の統合に重大な投資を行うであろうことを再度保証した。

これは、Oracle が BEA の以前の Adobe Flash/Flex 開発ツールをバンドルすることを止めたときの空白を埋めるように見える。ZDNet の Tony Bear 氏が述べる。

私たちは、Oracle の RIA 計画において JavaFX の突出した役割について小さい子供のように驚いてもいません。これは、Oracle が BEA の以前の Adobe Flash/Flex 開発ツールをバンドルすることを止めたときの空白を埋めます。ADF があらゆるクライアント表示のためのフレームワークをサポートするようになり、Oracle が RIA 不可知論者になるのは非現実的です。しかし JavaFX は Oracle がそれ自身を呼出すことができる技術を提供します。

著者で JavaFX 支持者の Jim Weaver 氏は、Oracle が JavaFX プラットフォームをサポートすることについて自信を持っている

私は、今日のイベントで、JavaFX は前進し続け、新しいアプリケーションのためのリッチインターネットアプリケーション(RIA) プラットフォームとしてますます頻繁に選択されることをさらに確信しました。JavaFX には少なくとも三つの乗り越えなければならない大きな課題があります。 だから Oracle が素早くリソースをこれらの課題に集中することを信じています。[…]

NetBeans

以前 InfoQ で報告したが、買収後の NetBeans の将来は不明確である

Tony Baer 氏は、NetBeans は、JDeveloper の利益になるように二番目とランク付けされる市民となるだろうことを確信している。

あなたは NetBeans を試してみることができます。Oracle のミドルウェアチームである Thomas Kurian 氏は、“lightweight development environment” で述べました。しかし再び、もし本当に Oracle プラットフォームのための基幹業務向けのアプリを開発したいならば、もちろんまだ Oracle の傘下の ADF フレームワークによって書かれた、データベースに基づく、ミドルウェア、アプリケーションを提供する JDeveloper を使うでしょう。それは、古い(ほとんど) Eclipse 開発ツールの BEA ポートフォリオに対する Oracle の既存の姿勢と同一です。現に、私たちが唯一驚いたことは、Oracle が単純に NetBeans を取り上げないでそれをフリーとしたことでした。– Apache やいくつかのもっと無名のオープンソース団体に寄付することによって。

同じように Stephen O'Grady 氏は、Oracle が Sun の IDE に投資しなくなる重大な可能性があると信じている。

[…] NetBeans や OpenOffice.org のように起こりうる候補は、昨日の呼出で明示的に言及されていました。もし計画が即それらを止めることであるならば、おそらく問題でないでしょう。[…] はい、[それは生き残るでしょう]、けれども、あたかもそれは JDeveloper の二の次になるように聞こえます。

GlassFish

Oracle の製品開発部門の上級 VP である Thomas Kurian 氏によると、Sun の Web アプリケーションサーバは Oracle からサポートを継続するつもりであるが、Oracle 自身の WebLogic サーバがエンタープライズソリューションとして位置づけられたままなので、主に部門のソリューションとして提供される。

Stephen O'Grady 氏は、GlassFish は Oracle により保証されないだろうと感じている。

Oracle の表現によると、それは参照実装となります。約束については、Oracle はそのほかに多くを持っていません。GlassFish は、今朝誰かが思い出させたように、MySQL と同様に専門の販売とマーケティング組織を与えられません。あなたは2つの道のどちらを読むことができます。最初は、コメンターが書いたように、“Oracle は、プロジェクトの異なるニーズに対処するために GF+WLS の販売を結合するより多くの好機を見出している”ということです。もしくは、もっと皮肉的に、潜在的に Web サーバ製品ラインに混乱を生じさせる製品として見なし、徐々に組織的な力学を通じで葬るでしょう。より低価格の代替品を押しつけられるようになることに、WebLogic の営業マンがどれだけやる気を感じると思いますか?

クラウド

Oracle のチーフコーポレートアーキテクトである Edward Screven 氏は、この会社は Sun が長い間計画していたクラウドサービスを提供しないだろうと述べた。Sun は元々オープンソース製品 ZFS と Crossbow と同じように Sparc ブレードと x64 ブレード上の Xeon と Opteron プロセッサの両方を使って、Linux、Windows、Solaris を Spac と x64 マシンの混在環境上でサポートし、コンピュータとストレージを提供する Amazon スタイルのクラウドの計画を発表していた。

Sun のクラウドイニシアチブは、顧客を引き付ける事に失敗したグリッドユーティリティコンピューティング、Network.com、に従っており、最終的にクラウドの期待は段階的に廃止された。

Stephen O'Grady 氏は、Sun のクラウドビジョンに Oracle が反対していることについてコメントした。

顧客は、いわゆる最善の組み合わせのアーキテクチャを支持して、仮想とそれ以外の両方で、圧倒的にアプライアンスを避けています。事実上、今もなお Elison はクラウドを憎んでおり、それは今となっては助けとなるかも知れません。[…] Ellison はクラウドを憎んでいます。なぜなら、彼の視点では、それは新しくないからです。それは、基本的にデータベースとミドルウェアの価値をネットワークを越えて配布することです。公正にみて、彼の論拠にも評価すべき点はあります。特に世界のマーケティング担当者は“クラウド”という言葉をますます周りにそれが廃れるように投げています。とは言うものの、クラウドにおけるパブリックの包囲と言葉が暗示する全て – あなたがそれが正真正銘新しいかそうでないか信じていようといまいと – は役立ちます、少なくとも潜在的に、アプライアンスをより販売し易くします。[…] 私が話せる限りでは、それらは事実上製品に言及していませんでした。それは、死んでいることを意味しません、しかしその脱落は注目すべきでした。特に Ellison は、Sun ビジネスのために与えられた計画述べました。[…]

[…]Sun における同じように価値を約束できなかった多くのオープンソース契約 – 競合か収益に関わらず – は規模を縮小されるか撤退されるでしょう。Oracle は、Sun よりもっと情け容赦なく利益に集中され、それによりオープンソースへのコミットメントが持続される見込みが無いことは確実です。

オープンソース

今まで Sun がオープンソース製品の開発やオープンソースコミュニティのサポートに重要なリソースを投資していたので、一般的な雰囲気は Oracle の買収は否定的な発展であるということである。

RedMonk の Stephen O'Grady 氏は、Sun 技術オープンソースコミュニティの将来について楽観的でない

昨日、とても小さくざっくばらんなオープンソースのディスカッションがありました。オープンという言葉は、中心となっていました。えぇ、しかしたいていソースという言葉は付いてませんでした。だからマクロな視点から、トップを占める巨大なプロオープンソースから別の組織へ移行していることを目の当たりにして、私はオープンソースコミュニティへの関わりは積極性が下がると思います。えぇ、明らかに下がるでしょう。実際問題として、けれども、私はケースバイケースに基づいてコミュニティを見る必要があると思います。例えば、Java はおそらく問題ありません。Oracle がコミュニティを満足させ続ける強い動機にはいくつもの理由があります。同じように MySQL も当分そのままでしょう。一方で、OpenSolaris の運命は確実に縮小するでしょう。

同じように ZDNet の Dana Blankenhorn 氏もオープンソース開発にとても否定的な影響があると予測する。

Oracle は、今やあらゆるオープンソースビジネスの元になるコードの著作権を手にしています。評判はそれに先行しています。— それは完全に利益の最大化、独占地代、囚われの顧客の処理へと通じます、そう、囚われの。[…] しかし、この買収は、変換点と位置づけられます。このことは、個人や小さな企業が、コミュニティを組織することによって、産業界の巨人に打ち勝つという考えに終止符を打ちます。ただ巨人はあなたから買うだけです。

RedMonk の Michael Coté 氏も Oracle は、Sun が行ってきたようにオープンソース運動に投資することは無いだろうと感じている。

必要性およびハイパフォーマンスハードウェアやミドルウェアの予算が無いなら、Oracle が LAMP スタック、オープンソース、“より少ないコード” 群衆を気にする(収益的に)かどうか明白でないでしょう。とは言うものの、Ellison は、Java について元気付ける発言をしています。それは直接収益を作る必要はなく、代わりに全体のパイへの収益を可能にすることを支援することに関わっていて、それは小さなスライスではない、と。Oracle は、自身のクローズドソース提供 (Oracle DB、WebLogic、そのアプリケーション) は、オープンソースの代替 (MySQL、Glassfish、その他) よりも“より優れている”と明らかに信じています。しかしオープンソースがそこにある限り、それは素晴らしくなっていくと感じています。

Sun の雇用削減

Sun において昨年行われていた主な一時解雇に関して、Oracle CEO の Larry Ellison 氏は次の数ヶ月間について述べた。彼の会社は、技術、営業、その他の役割で 2,000 人以上の雇用をする一方、2,000 人未満の人々の一時解雇を計画している。もちろん彼は後にさらなる一時解雇が発生する可能性を否定しなかった。Ellison 氏は、彼が Sun の最高責任者である Jonathan I. Schwartz 氏が辞職することを予想しており、Sun の共同出資者で会長である Scott G. McNealy 氏が Oracle に留まることを、彼の肩書きと職務は明らかでないものの、望んでいることも付け加えた。Jonathan Schwartz 氏は Twitter で、彼の最後のブログ投稿について“Sun での最後のブログになりそうだ” と発言した。

Oracle と Sun の製品戦略ウェブキャストは、オンラインで利用可能である。

あなたが Sun のサイトを訪れると、Oracle のテンプレートとロゴに変っていることに気づくだろう

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