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Pivotによる膨大なデータからの意味の発見

原文(投稿日:2010/03/18)へのリンク

MicrosoftのLive LabsPivotという新しい実験プロジェクトを発表した。Pivotは、膨大な情報から意味を見出せるようにすることを目的としている。今日のWebは分散された無数のページの集合であり、それぞれが相互にリンクしている。ユーザは、それらのページに線状に存在する膨大な情報を、ページ間を移動しながら閲覧することができるが、1回のブラウジング・セッションで閲覧可能な情報をすべて広い視野で見ることは非常に困難である。Pivotでは、ユーザが情報の隅々にまで容易に移動し戻ることができるような形で、情報を整理する方法が試行されている。

Pivotには、Collectionという基本コンセプトが使用されている。これは、いくつかの属性を共通に持つ何百、何千、あるいは何百万ものアイテムをグループ化したものだ。これらの属性を1つまたは複数選択することにより、Pivotに表示されるアイテムは、選択した共通の属性を持つアイテムのみに絞られ、ユーザは実際に必要な情報を簡単に見つけることができる。各アイテムには情報に関連する画像があり、Pivotが実際に画像を処理する。特定の画像を選択すると、ユーザはそれに関連するWebページに移動できる。

Collectionには以下の3つのタイプがある。

  • シンプル – 最も基本的なタイプで、作成が簡単。最大3,000個のアイテムを含むことが可能。データおよび画像は静的。
  • リンク – 中程度の複雑度。ストレージによる制限がある。通常は、コレクションへのアクセス時に一度ロードされる数多くのアイテムに対して使用される。画像は静的。
  • ダイナミック – 高度な複雑度。インターネット全体にわたって無制限かつインタラクティブに収集した情報、つまりデータは動的に発見されロードされる。画像は部分的に動的。

Collectionは、Collection XML Schemaを使用するCXMLファイルを作成し、関連するDeep Zoom形式の画像を記述して定義する。

Pivotアプリケーションは、Live Labsの別プロジェクトSeadragonのレンダリング・エンジンを使用する.NETアプリケーションだ。大量のデータやネットワークの帯域幅を要する場合でも、Seadragonのテクノロジにより、グラフや画像のスムーズな閲覧が可能だ。Silverlightの実装はDeep Zoomとして知られているが、プラグインなしで動作するSeadragon Ajaxバーションもある。このアプリケーションには以下のような特徴がある。

  • オブジェクトのサイズや数に依存しない移動速度。
  • パフォーマンスは、画面のピクセルに対する帯域幅の比率にのみ依存する。
  • スムーズで連続的な遷移。
  • あらゆる解像度の画面に対応した高速でほぼ完璧なスケーリング。

探していた情報をユーザが見つけた場合、リンクを選択するだけで関連付けられた画像のWebページに移動でき、IEの組み込みエンジンTridentによって、そのページがPivotに表示される。

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コレクションを作成する最も手取り早い方法の一つにPivot Collection Tool for Excelの使用がある。スプレッドシートのセルにアイテム情報を入力してエクスポートすると、あらゆるWebサーバへの配置およびPivot内での閲覧が可能なコレクションが取得できる。

その他のツールにDeep Zoom ComposerDeep Zoom Tools Command Line Utilitiesがあるが、ともにPivotのコレクションに関連するDeep Zoomの画像作成時に便利である。プロダクションのコレクションについては、画像およびCXMLファイルの作成時に、プログラムによるDeep Zoom Tools Library(Deep ZoomTools.dll)の使用が推奨されている。

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