BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Adobe Flex:最近の展開はその企業への浸透の勢いにどのように影響しているか?

Adobe Flex:最近の展開はその企業への浸透の勢いにどのように影響しているか?

原文(投稿日:2010/02/19)へのリンク

Adobe Flexエコシステムはコミュニティが中心になった多数のプロジェクトやデプロイによってここ数年かなり成長している。それにも関わらず、ここ数ヶ月はiPadプラットフォームからの排除、長く続いたバグに対するコミュニティの反応など、将来の可能性に疑問を感じさせるようないくつかの展開があった。

InfoQはAdobe FlashプラットフォームのグループプロダクトマーケティングマネージャDave Gruber氏にQ&Aを行い、これらの問題とエンタープライズにおけるFlexやFlashの将来について聞いた。

InfoQ: Adobe Flash PlayerのプロダクトマネージャEmmy Huang氏は最近ブラウザーのクラッシュを引き起こすFlashのバグが17ヶ月前に報告されていたのにFlash Playerのパッチがいまだリリースされていないことについて公に謝罪しました。Emmy氏はクラッシュバグはAdobeにとってもっとも優先順位の高いものであると強調し、適切なパッチがこのような長い期間配布されていないのはAdobeに代わって入ってくるバグレポートの優先順位付けを行うのを失敗したからだと示唆しています。いくつかの上記の期間に出されたこの問題に関する報告を見ることができますが、コミュニティが深刻なFlash/Flexの問題について将来どのように扱われるのかに対し少々疑り深くなるのは自然なことだとは思いませんか?

Dave氏:上で引用されたブログポストに説明されているとおり、この問題はパブリックベータのFlash Player 10.1では解決されています。Adobeは問題に対して責任を持ち続け、私たちの顧客ともコミュニケーションをとってきたた長い歴史を持っています。そして、私たちは最高レベルの品質をもった製品をつくることに強くコミットしています。

InfoQ: iPadがFlashをサポートしないと発表されましたが、Adobeは現在利用可能な多くのサイトがその新しいデバイスではFlashを組み込んでいないため適切に動作しないだろうと強調しています。このことはiPadを受け入れづらくなるという影響を与えるかもしれませんが、現在RIA技術を評価し判断しようとしている人は、ユーザがそのモバイルデバイスを自由に選べるように他(例えば、HTML5)に向かうかもしれない、ということも意味しているでしょう。FlashアプリケーションをネイティブなiPhoneアプリケーションに変換するiPhone Packagerのようなソリューションが適切であると考えますか? Adobeはこの問題にどのように対処しようとしていますか?

Dave氏: Adobeは配信の方法や消費者が使っているデバイス、プラットフォームにかかわらず可能な限りもっとも広いリーチを開発者に提供すべく活動しています。

Flash Player 10.1では開発者はリッチなWebコンテンツをブラウザの中に広範囲のデバイス - デスクトップ、スマートブック、ネットブック、そして将来的にはスマートフォンやタブレットまで - に配信できます。Flash Player 10.1がWindows、Macintosh、Linux、Android、Palm WebOS、それ以外のプラットフォームも含めて2010年の前半には一般的に利用可能になることを期待しています。Flash Playerはすでに98%のデスクトップにインストールされており、2012年には2億5000万台以上のスマートフォンがフルバージョンのFlash Playerをサポートすることが期待できます。

Packager for iPhoneとAdobe AIRの今後のリリースで、Adobeは開発者がブラウザの外でもスタンドアロンのアプリケーションとしてもコンテンツを配信できるようにします。開発者はアプリケーションを一度だけ作成して、iPhone上のApp StoreやAndroidフォンを含むデバイス上のマーケットプレイス、将来的にはBlackBerryベースの機器でも公開できます。私たちのもとには開発者からPackager for iPhoneへのいまだかつてないほどの関心を寄せられていますし、数十のアプリケーションがすでにApple App Storeに配信されていることに興奮しています。

InfoQ: Flex for Eclipseの現在の製品バージョンは利用可能になって既に8ヶ月以上も経っているGalileoと互換性がありません。問題であると確認されていながらも、もしGalileoと統合したいのであれば、開発者はFlex 4ベータを利用すべきと提案しているAdobeのJIRA上利用可能なチケット[登録が必要]があります。Scott Selikoff氏はこのチケットに対し次のようにコメントしています。「この問題がどういう経緯で完了とマークされているのか? これはいまだまさにバグであり、Adobeが修正する気があることを期待しているものである」 これは開発者を反発させ、Adobe Flexの開発スタックに対してコミットすることをためらわせることになると思いませんか?

Dave氏: Adobeは開発者のエコシステムと適切に統合されたソフトウェアを届けることにコミットしています。新しいメジャーリリースを関係するソフトウェアバージョンと合わせて出荷することは私たちの目標です。もちろん、そのソフトウェアが私たちの製品のリリースと適当な時間枠内に発表され、出荷される場合に限ります。関係するソフトウェアが私たちのリリースサイクルの外で新しいバージョンを出荷することもあります。GalileoはFlex Builder 3とFlex Builder 4の間でリリースされました。私たちは次期Flex Builder 4のサポートを提供する予定ですし、その結果この問題はクローズされたものとして扱われています。

InfoQ:知名度の高いサービスがHTML 5 videoに投資し、GoogleやAppleといった主要ベンダーがHTML 5に固くコミットする中、Flash/Flexマーケットは縮小していると考えていますか? 特に、今後2、3年の間、Flex開発スタックはHTML5/Javascript開発スタックと競い合うと考えていますか?

Dave氏:Flashの生産性と表現力は、たとえHTMLが進歩したとしてもWebコミュニティにとって大きなアドバンテージであり続けます。HTMLとFlashは共存し、付加価値を与え、革新と表現力をWebにもたらしてきました。HTML 5もそれを変えることはできないでしょう。Flashテクノロジーは、Flashプラットフォームが提供しているマネタイズの機能やコンテンツ保護のような価値のために、企業がWebに動画を配布するNo.1の方法です。

さらに、企業は、Flashテクノロジーを利用することで彼らの動画コンテンツを98%以上のインターネットに接続したデスクトップに、そしてFlash Player 10.1のリリースによって何千万の携帯端末に届けることができる、ということを知っています。HTML 5仕様は特定のビデオコーデックの利用を定めていないため、現状異なるブラウザは異なるビデオコーデックをサポートしています。そのため、HTML 5を通して動画を確実かつ一貫して配信することは難しいのです。Flash PlayerはOn2 VP6、Sorenson Sparkや、HDビデオの業界標準であるH.264などを含むもっとも広く利用されているビデオコーデックをサポートしており、開発者や企業が全世界の98%以上のインターネットに接続されたデスクトップに動画コンテンツを配信することが可能なのです。

InfoQ:Flex 4AIR 2.0でもたらされる主要な新機能および改善の中で、どれがエンタープライズ市場におけるFlexの地位を強固にするものだと考えていますか?

Dave氏: Flash Builder 4(以前のFlex Builder 3)は、企業が真に独自ブランドの体験を構築することができるようになる重要な新しいコンポーネントアーキテクチャを導入します。それは企業が顧客と接するセルフサービス用のアプリケーションを実装する際に新しいレベルの創造の自由をもたらすでしょう。Flash Builder 4とAdobe Create Suiteツールに深く統合されたワークフローはデザイナーと開発者の間の共同の開発を可能にし、より表現力のあるアプリケーションを素早く開発することができます。また、この新しい統合によって、企業の開発者がもっと容易に表現力のあってインタラクティブなビジネスアプリケーションを実装することができるようになり、その結果ユーザは重要なビジネスデータをより簡単に理解し利用することができるようになるでしょう。

AIRはAdobeの企業向けソリューションのポートフォリオを強化する機能とユースケースを提供します。Webアプリケーションをデスクトップと携帯デバイスの両方にオンラインでもオフラインのユースケース(例えばフィールドフォースオートメーションのようなもの)においてでも配布することができる能力によって、実働時間や生産性は改善されます。AIR 2は次のような機能によって企業の要求をサポートしています。グローバルエラーハンドラ、スクリーンリーダーのサポート、IPv6ネットワーク対応、ネイティブプロセスAPI、マルチタッチ対応、(レポートのための)印刷サポートの強化、ネストされたデータベーストランザクション、暗号化ソケット、データグラムソケット、サーバソケットです。YammerとOracleを含む企業でのAIR利用の例とさらなるケーススタディをhttp://www.acrobat.us/cfusion/showcase/index.cfm?event=finder&productid=351521&loc=en_usで見ることができます。

このInfoQでもFlexAIRリッチインターネットアプリケーションに関するさらなる情報を得ることができる。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT