先週、EclipseCon 2010 (OSGi DevCon 2010 と同時に)が Santa Clara にあるConvention Centreで開催された。今年は、Eclipse関連の技術とチュートリアルがいくつもあった。そこで何があったのか?
導入的な基調講演は、Oracleの Steve Harris氏とJeet Kaul 氏による コミュニティと適応 であった。これは、 Javaコミュニティがどこへ向かうのかを話題にしたOracleにとって最初の機会であった;特に Oracleが焦点を当てているものについて。その講演から抜粋:
- OSGiは,重要である。 Jigsawと統合されるだろう;相互運用層の Qwylt のようなもの
- JavaFXには、引き続き資金が提供され、NetBeans とEclipse の両方に組み込まれる
- JCPは、修正が必要なプロセスであるが、何がそれに変わるかについての計画は、無い( Ed Burnette氏がこの件で インタビュー に答えている)
- Javaプラットフォームのアップデートは、もっと早くする必要がある
2番目の基調講演は、間違いなく EclipseConで最もすばらしかった。 Jeff Norris氏が、 ロケット・サイエンスと共和国 と題して、JPLにビデオで繋がった8フィートのロボットをステージでリモートコントロールするのを含んで、NASAが、Eclipse プラットフォーム上で行っていることについて講演した。 Ian Skerrett 氏は、 これまでで最高の基調講演と書いている、そして聴衆も同じで、 EclipseCon の基調講演で初めてのスタンディングオベーションとなった。これらすべてが E4 Rover Mars Challengeと連携していた。これは、 Eclipseの次世代のプラットフォームを使って、火星ローバーを動かす(そしてポイントを稼いで)E4クライアントを作成するコンテストである。優勝は、 Patrick Akerfeldt氏とJon Dearden氏だった;しかし特筆すべきなのは、Peter Friese 氏と Heiko Behrens 氏が作ったiPhoneアプリケーションで、 火星ローバーをコントロールする? そのアプリがこれ と題して Ars Technicaと Slashdotで見れる。
最後の基調講演は、 Robert “Uncle Bob” Martin氏による Noというアートだった。 QConの時のように、Bad Code というビデオで始めた;もし時間があるなら見る価値はある。
Eclipseと言う言葉は、 Java Development Toolsetと同義で、それが Eclipseに幅広い賞賛をもたらすことになったが、この EclipseConや最近ほとんど言われ無くなったJDTでは事情が違う。ひとつには、基本となるJava言語に変化が欠けているためである; Project Coin と Project Lambda がJDTをリフレッシュする原因となる最初の変化になりそうだが、 EclipseCon 2011まで、出てこない。実際、今年の EclipseConの焦点は以下のように要約できる:
- Eclipse Runtime、 Virgo と Geminiのような新しいプロジェクト
- 次世代の E4、依存性の注入をベースにしたOSGiのサービスとマークアップベースのUI
- モデリング、しかし特に、テキストのモデリング言語とDSLとしての Xtext
- Enterprise OSGi、 Enterprise OSGi 仕様書のリリースを含む
- Tycho ビルド・プラットフォーム、ManifestファーストのOSGi開発用の Maven-3のビルダー
- EclipseでGit に向う移行の開始、EGit 0.7.1の最初の公式リリース
来年、Eclipse 3.7(名前が tba)のリリースがある一方で、今年は、E4 1.0の公式リリースがある(Eclipse 3.6 Helios のリリースの直後ぐらい に)。E4には、後方互換性はないが、互換層により、APIクリーンなプラグインは、変更なしでE4で動作する。しかしE4は、たくさんのリファクタリングによる変更がある。例えば:
- モデルベースのワークベンチ EMFを使って、UI表現を駆動する(この数年増加しているモデリングのテーマに従って)
- CSS ないし CSSライクなUIのカスタム化により、コードの変更なしで、 スタイルの変更が非常に柔軟に行える
- サービス指向 がグローバルシングルトンに代わる。宣言型 のサービスと依存性の注入を組み合わせて使用することにより、既知のシングルトンにアクセスする代わりに、 OSGiのサービスを使って、ワークベンチのサービスを取得する。
E4へのリファクタリングは、次の Eclipse 3.7にバックポートされ、特に、 OSGiサービスを介したアクセスができる。現在、E4は、0.9が 入手でき 、1.0のリリースは、真夏に予定されている。
Git への継続的な移行により、 Eclipse.orgでは、 SVN やCVSは、結局廃止されるだろう;ツールは、CVSプラグインほど成熟していないが、外部からのダウンロードを必要とせずに、 Eclipse 3.6 Heliosで完全に配布されるという強みがある。そしてMercurial (GPLライセンス)と違って、EGitプラグインは、完全にEPLであり、Eclipseで開発そしてホストされているJGitに、BSD依存しているだけである。もしあなたが分散型バージョン管理システム(DVCS)に慣れていなければ、EclipseユーザのためのGit は,読む価値がある。結局のところ、DVCSに向かう動きが、コントリビュータを含んで皆の生活をもっとずっと楽なものにするだろう。パッチが再び古くなることはないからである。
DevCon は、たくさんのモジュール化に関連したテーマにフォーカスしていた;ほとんどは上述したEnterprise OSGi だが、Cloud Workshopもあった。 Richard Nicholson氏が、このテーマの 記事 とプレゼンテーションを投稿している。更に OSGiは、また、Lotus Notes や IBM WebSphereのような製品に宣伝的に使われている。
CDTは、多くの採用者によって使われ続けている; Doug氏が 投稿したEclipseConについての記事 は、彼らが用意しているものについて語っている。 VHDL用のEclipseプラグイン や Eclipseを使って Symbian 、 Android そして Nokia のような組込みとモバイルのツールセットへのサポートがある。更に、CDTは、今では、Codan を得て、静的解析を実行して、エラーの起きそうなところを指摘する。
最後に、 Eclipseエコシステムに寄与した功績により、以下の Eclipse Awardsが 発表された:
- Eike Stepper氏、トップ・コミッター
- Lars Vogel氏、トップ・コントリビューター
- Walter HarleyWalter Harley氏、トップ新人エバンジェリスト
- E4, 最もオープンなプロジェクト
- Xtext, 最も革新的な新フィーチャ
- Bredex GUIDancer, 最高の商用開発ツール
- Groovy-Eclipse, 最高のオープンソース開発ツール
- SpringSource DM Server, 最高の EclipseRTアプリケーション
- Tasktop Pro, 最高のRCPアプリケーション