MicrosoftはTechEd 2010でWindows Azure Tools for Visual Studio 1.2(2010年6月)を発表した。最も重要な機能としては、.NET 4のサポート、Visual Studio 2010 RTMのサポート、そしてIntelliTraceを使ったデバッグが挙げられる。また、同時にAzure CDNの料金プランとSQL Azureの新しいオプションも発表された。
Windows Azure Tools for Visual Studio
The Windows Azure Tools for Visual Studioを使えば開発者はVisual Studioを使って、ウェブアプリケーションやウェブサービスを開発しビルドし、デバッグしてWindows Azureへ配置し実行することができる。最新のパッケージではVisual Studio 2008とVS 2010 RTMの両方をサポートしている。また、開発者は以前からサポートされていた.NET 3.5に加えて、.NET 4.0を使ってアプリケーションを作成しクラウド上で実行できる。新しい機能の全一覧には下記が含まれる。
- Visual Studio 2010 RTMの完全サポート。
- .NET 4をサポートすることで、開発者が.NET 3.5のサービスも.NET 4のサービスも柔軟にビルドできるようになる。
- クラウドストレージエクスプローラを使うことで開発者は読み取り専用でWindows AzureのテーブルやBLOBコンテナをVisual Studioのサーバエクスプローラを使って閲覧でき、堅牢なサービスの構築に役立てられる。
- 配置の統合。Visual Studioのソリューションエクスプローラの'発行'を選択することで開発者は直接サービスを配置できる。
- サーバエクスプローラの'算出'ノードを選択することで開発者はサービスの状態を追跡し管理することができる。
- クラウドで実行中のサービスに対してIntelliTraceがサポートされるので、Visual Studio 2010 Ultimate IntelliTraceの機能を使うことで、クラウド上のサービスのデバッグがシンプルになる。詳細な情報はこの記事を参照。
Windows Azure CDN
Microsoftは6月30日に開始するWindows Azure CDNの料金プランを発表した。
- ヨーロッパから北米へのデータ転送は1GBあたり0.15ドル。
- 他の地域からのデータ転送は1GBあたり0.20ドル。
- 10,000トランザクションあたり0.01ドル。
Windows Azure CDNで選択できる地域は北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの5つの大陸だ。
ゲストOSの自動アップデート
サービスマネジメントAPIと開発者ポータルが機能拡張された。これはAzureのゲストOSの新しいバージョンが利用できる場合は自動的にアップデートする機能を開発者が使えるようにするためだ。
SQL Azure
SQL Azureデータベースの容量の上限が10GBから50GBへアップした。これによって、利用者は必要なときにはより多くのデータを格納できる。また、空間データまたは位置情報データを扱えるようになったので、マッピングを実現できる。
またMicrosoftはData Sync Serviceのパブリックプレビューも公開した。このサービスを使えば利用者が自分で複数のデータセンターにどのようにデータを分散させるか決めることができる。