W3Cは、Emotion Markup Language (EmotionML)の作成中のドラフトの公開版を初めて発行した。 EmotionMLは、今日のコンピュータ ベースのコミュニケーションにおける3つの主要な方法(アノテーションされたデータ、感情状態の認識、そして感情と関係したシステムの振る舞いの生成)で感情を表現することを意図した言語である。
言語の作成者によると、 EmotionMLは、以下のような様々な分野におけるアプリケーションで使うことができる:
- Web 2.0 における意見マイニング/評判分析、ブログを跨いで製品に関する顧客の反応を自動的に追跡する;
- 感情の監視、例えば高齢者向けの環境支援型生活アプリケーション、監視目的の恐怖検知あるいは、顧客満足をテストするための着用型センサーの使用;
- ゲームや仮想世界用の人物のデザインとコントロール;
- ソーシャル ロボット、例えば、訪問者用のガイド ロボット;
- 表現のある音声合成、嬉しさ/悲しさ、友好的/謝罪的のような違った感情を持った人工音声の生成;
- 感情認識(例えば、スピーチ/対話システムにおける怒った顧客を見極める);
- 障害者へのサポート、例えば、自閉症の人々に対する教育プログラム。
EmotionMLドキュメントの基礎は、<emotion>
要素によって表され、次の要素のいずれかを子供として持つ: <category>
, <dimension>
, <appraisal>
, <action-tendency>
。様々な感情のcategoryセットがあり、一番短いのが Paul Ekmanのもので、顔に表される6つの基本的な感情を持っている:怒り、不快、恐怖、幸福、悲しみ、そして、驚き。他のセットは、もっと複雑で、例えば Fontaine, Scherer, Roesch と Ellsworthのものは、24のカテゴリを持つ。dimension要素も研究した人によって、様々な値を持つ。例えば、pleasure(喜び), arousal(覚醒), そして dominance(支配)である。 appraisal やaction-tendencyについても同様であり、詳しくはドキュメントにある。
EmotionMLのドラフトには,いくつかの例が載っていて、その中には、イメージのアノテートもある:
他の例は、3つの異なった感情センサー デバイスによって集められた情報を、システムがどのように表現できるかを示している:
もう一つ別の例は、EmotionMLが目指している3番目の使用方法を示しており、バッテリーが無くなりそうで、電源出力を探し、そしてバッテリーがもっとなくなるような、箱を持ち上げる作業を避けている:
EmotionMLは、他の EMMAのようなマークアップ言語、拡張可能マルチモーダル アノテーション言語、そして SSML、音声合成(マークアップ)言語といっしょに使うことができる。