内部の非公式な Oracle のメモに、OpenSolaris オペレーティングシステムに関する新しい方針が要約されている。中には、これをOpenSolarisの死だ,と考えている人がいる。しかし、現在オープンにされていない、Oracle に依存しないコードを提供して、OpenSolarisを完全にオープンにしたいと考えている、オープンソース団体であるIllumosによってこのプロジェクトが運営できる チャンスだ、と言う人たちもいる。
Mike Shapiro, Bill Nesheim, Chris Armes の各氏(そしてまだ公式ではない)によってサインされた内部メモは、ソースコードが入手できる方法を変更する:
我々のエンタプライズSolaris OSの完全リリースに従って、我々は、承認されたCDDLや他のオープンソース ライセンスのコードに対して、アップデートを配布します。 こうして、新しい技術革新が他のどこよりも早く,我々のリリースの中に現れることになります。開発中に、ナイトリーベースで、 Solaris OSの全ソースコードがリアルタイムに配布されることは無くなります。
CDDLに則ってSolarisのコードを使っている人は、それが OpenSolarisのソース配布あるいは、それからの派生の断片あるいは部分的であっても、我々がその時に,リリースしたアップデートをCDDL, LGPLあるいは適応できるどのライセンスによっても、使えます。
Oracle は、また コードに早期アクセスしたいパートナー向けに、OTNプログラムを使うことも計画している:
我々は、技術パートナープログラムにより、Oracle Technology Network (OTN)を通して、我々の業界パートナーが開発中のSolarisソースコードに完全にアクセスできるようにします。コードとバイナリの両方への早期アクセスと、更に、我々にコントリビュートされるコードの中で、アクセスに適切なものです。そのようなパートナーシップの全ては、ケースバイケースで評価されますが、我々のコアである、既存の技術パートナー,例えばIntelは、貴重なパートナーシップの例です。
このような動きは、 OpenSolarisコミュニティには,打撃となると考えられている。リリースされたSolarisのエンタプライズ バージョンのバイナリの後、しばらくしてからソースコードがリリースされるので、OpenSolarisコミュニティがOSの進路に影響を与えることができないからである。リークされたメモによると、 ある人は、 OpenSolarisは、死んだと宣言している 。更に、ソフトウェア エンジニアで OpenSolaris のコントリビュータである Steven Stallion氏はOracleは、オープンソースの精神に反したことをしている,と考えている:
これが、4年以上も、私(と多くの他の外部のコントリビュータ)が OpenSolarisプロジェクトのために働いてきたことに対する結末です。これは、膨大な開発作業に対するひどい見返りです。我々のこの努力のおかげで、いまやっと高品質なソフトウェアがOracle の製品として出荷されるのに、我々、元々の開発者は、もはや自由には、コードを得られないのです。
私は、自分が開発してきたソフトウェアに、改善のためのメンテンナンスしかできません。Oracle の決定では、他の人のコードには,触れないのです。これは、 オープンソースの精神への背徳行為です。
OpenSolaris Governing Board (OGB) の議長であるJohn Plocher氏は次のように述べた:
皆さん、これが全てです。
Oracle は、もはや Solarisの新バージョンを開発するのに、外部のコミュニティと一緒にやるつもりはないようです。このようなパートナーシップ無しで、我々 OpenSolaris開発コミュニティは、設立趣意書 にあるように、続けることはできません。もっと前向きな結論を待ち続けるよりも、 Oracleが望むなら、別の傘の下で、Oracleに物事を再構成させる潮時だと思います。
そして彼は、公式にOGBを解散するためにメンバーに以下のような 申し立てを提出した:
OGB解散に関する申し立て
一方 Oracleは、将来のOpenSolaris 開発に関して,OGBと我々のコミュニティといっしょに仕事をするリエゾンを指名して欲しい、という要求を無視し続けている
一方 Oracleは、2010年8月13日、従業員に、Oracle と OpenSolaris コミュニティ間の開発パートナーシップを一方的に破棄するOracle の決定を明記したメールを出した。
一方 OpenSolarisのオープンな開発へのOracle の継続的なサーポトと参加無しに、オープンなSolaris開発パートナーシップを支援するためにSun/Oracle が作ったOGBと コミュニティは、無意味である。
一方 OpenSolarisコードベースのオープンな開発を続ける願望と熱意は、 Oracle(そのためこのコミュニティ)の手から他のコミュニティへはっきりと移された。
解決すべきなのは、 OpenSolaris Governing Boardは、これをもって、集団で、そして個人的に辞任する。 OpenSolaris Charterのセクション1.1の条項(そして憲法1.3.5)のもとに、OGBを指名する責任をOracleに渡す。
申し立ては、8月23日に全員一致で決まり、 OpenSolarisの組織は、使命を終えた。しかし、このことがOpenSolaris コミュニティの終りとは、考えていない人たちもいる。今月の始めごろに、Illumosプロジェクトが、新組織のリーダである Garrett D’Amore氏によって、アナウンスされた。この計画は、スライド(PDF)にまとめられている:
- 組織は、「いかなる企業オーナーによっても、終りになったり、破壊されたりすることは,無い」。
- 限られた統制
- クローズされている全てのコードをオープンソースで置き換える:libc_i18n、NFSロックマネージャ、暗号化フレームワークの部分、たくさんの重要なドライバー。
D'Amore 氏は、ブログで OpenSolarisの件でコメントしている:
今日もらった電話を元に言えば、おかしいのは、 illumosプロジェクトと以前Solarisと呼ばれたコードベースの将来について,非常に楽観しています。毎日の開発に、優秀な人材がもっと参加します。
私は、非常に興奮しています。率直に、 Oracle がその蛇口を閉じたことが、我々に本当に革新を始める機会を本当に与えてくれたのです。もし我々が今だに、非常に近接して並んでいるソースツリーを保守しようとしていたら、私は、とてもやる気がしなかっただろうと思います。
Oracleが Illumosを下流でなく、上流と見なすことになる、というのは非常にありえる事だ,と考えています。
Illumos は、業界のトップの何人かから支持を得ています;すでにSolarisのコントリビュータの名前と、このプロジェクトを公にサポートすることを約束している潜在コントリビュータの名前のリストは、大きなものになってます。たくさんの有名な名前もあり、Bryan Cantrillのような人たちもいます。 Oracleの活動と無為が、実際このようなことを可能にしました。
要するに、 Illumosの将来は、驚くほど明るい、ということです。疑わしい意図を持った一企業スポンサーの好意に依存するのではなく、プロジェクトは、OpenSolaris --イエッ、オープンソース-コミュニティからの何人ものよく知られた改革者(とその雇用企業)の幅広い後押しを得ることになります。
だから、彼らの活動によって、Oracle は、 Illumosを「分岐する」ようにするかもしれません、これは、あくまでも可能性ですが、たとえ,私が大事なことだとは,思っていなくてもですね …
Oracle Solarisは、この技術の唯一のソースでは、ないでしょうし、今やこの技術の最高のソース,というわけでもないように,思えます。
以前話しましたように、 私は、 IllumosがSolarisと競うことを意図しているわけではありません。それは,真実です。しかし、もしOracle がそのような事態を強いるなら、その時は、彼らにどんな大きな経済的リソースがあろうが、私は、「かかってこい」といいます。
その一方で、Oracle は、 Solarisを開発するエンジニアを雇いたがっている:
我々は、 Solarisへの投資を増やしており、「メモが言う」我々の約束の証として、業界のオペレーティングシステムの専門家を雇うつもりです。Solaris は、よそにアウトソースするようなものでは、ありません。他人の技術の寄せ集めであっては、ならないし、保守だけ続ける製品でもありません。我々のゴールは、単純で、 Solaris 11を最高のものにすることで、これまでのSolarisのリリースの中で最も重要なものです。
OpenSolarisの計画は,2004年に始まり、最初のオープンソース コンポーネントが2005年1月にSunによってリリースされ、同じ年の夏にOSの大部分がリリースされた。その後のバージョンは、長い時間かけてリリースされ,最後のバージョンは、SPARC プラットフォームをサポートした OpenSolaris 2009.06である。2010年3月に新リリースが計画されていたが、リリースされなかった。