アジャイルでは必ずしもツールの利用を必須・推奨しているわけではない。理想的には、インデックスカードに書かれた要件を使ってコマンドラインインターフェイスでも開発はできるだろう。しかし、この数年、さまざまなツールが現れて、アジャイル開発の成功を促進している。最近、Migan氏とGaia氏はアジャイル界隈におけるツールの利用調査を実施した。
彼らが調査を実施した理由のひとつは、なぜアジャイルチームがシンプルなツールを使って仕事をすることを好むのか調べることだった。
大部分の企業は依然として、アジャイル開発にもMSプロジェクトやスプレッドシート(MSエクセル)といった伝統的なプロジェクトマネジメントツールを使っています。いくつかの企業にインタビューをしたところ、多くのアジャイルツールがカスタマイズ可能なオプションを各種提供しており、スプレッドシートや紙と鉛筆といった素朴なツールよりも使いにくく、直感的でないためだとわかりました。
この調査には100名が参加し、その国は、英国、スウェーデン、エジプト、米国、フランス、カナダ、インド、スペイン、ポーランド、ウクライナ、マレーシア、ブラジル、スイス、ルーマニア、イタリア、オーストラリア、ドイツなど、35か国に及んでいる。
興味深いことに、ソフトウェアアジャイルプロジェクトマネジメントツールとともに、シンプルなツールを組み合わせて利用しているという結果が得られた。
- 回答の25%が物理的な壁や紙を、23%がスプレッドシートを、他のアジャイルツールとともに使っている
- ソフトウェアのアジャイルツールには仮想ストーリーボードが備わっているが、同じ場所にいるチームの62%は依然として物理的な壁や紙といった有形のツールを使っていた。
- 最も望まれるアジャイルツールの特徴は、「使いやすさ」であって、その後に「カスタマイズ可能性」と「価格」が僅差で続いていた。
- 最も満足度の低いツールの特徴は「他のシステムとのインテグレーションの欠如」であり、続いて「カスタムレポートの欠如」だった。
調査結果の詳細な分析は後日公開される予定だが、Migan氏とGaia氏の予備分析によると、シンプルで有形のツールが重用されるということを示していた。
アジャイルツールの利用調査によると、企業の大部分がシンプルで有形のツールを支持しており、ツールを利用する上で、ユーザビリティが最も重要な特徴であるという事実が浮び上がってきました。
結果はTargetProcessのMichael Dubakov氏とPeter Stevens氏による同様の研究結果と一致する。
この研究結果によると、ホワイトボード、カード、大きな目に見えるチャートといった有形のツールは、Webベースのアジャイルツールの52、スプレッドシートの43を超えて、57というスコアを得ている。アジャイル特有の信条に従うため、たいていのチームはものごとをシンプルにすることを望んでいた。
Michael氏とPeter氏はその結果から構成に基づいたチームのための推奨をまとめた。彼らは、チーム構成、進捗報告の必要性に基づいて、有形のツール、Webベースのツール、それら2つの組み合わせのどれが必要になるか、以下のように結論付けた。
進捗報告は必要ない | 進捗報告が重要である | |
同じ場所にいる小さなチーム | 有形のツール | 有形のツールとWebベースのアジャイルツールの組み合わせ |
同じ場所にいる大きなチーム | 有形のツールとWebベースのアジャイルツールの組み合わせ | Webベースのアジャイルツール |
分散したチーム | Webベースのアジャイルツール | Webベースのアジャイルツール |