近年はハードウェア・アクセラレーションが主要な話題である。CPU速度が毎年わずかしか増加しなくなったことと、高性能のグラフィックス・カードが大部分のコンピュータで標準になっていることを考えれば、複雑なユーザ・インタフェースをCPUで描画することは紛れもなく愚かなことに思われる。しかしMicrosoftにとって、Silverlightのようなクロスプラットフォーム・フレームワークのためにDirectXサポートを増築して、今度はOpenGLでもう一度全てをやるということには、コストに見合う価値がなかった。そのため、WPFはほぼ完全にGPUでレンダリングされたUIを享受する一方で、Silverlightは高度に最適化されたソフトウェア・レンダリングを優先的に使っている。
最近、David RevemanはNovelのMoonlightにハードウェア・レンダリングを追加した。Moonlightの CPUレンダリングを使うと、ある1つのデモは2~9FPS(フレーム毎秒)だった。アクセラレーションをオンにすると29~35FPSの辺りまで向上した。CPUおよびGPUレンダリングのこれらの値は、Silverlightを実行するウィンドウズ・マシンと同程度である。
Moonlightにおける本当の勝利は、カスタム・シェーダーをオンにした場合である。Silverlightでは大部分のピクセル・シェーダーが高速化されないため、元のデモでそれらをオンにすると約11FPSまで下がった。一方、Moonlightは30FPS前後で動作し続けた。
Miguel de Icazaが報じたところによると、Moonlightではピクセル・シェーダー以外にも、あらゆるSilverlightオブジェクト(図形、イメージ、ビデオ)に対する3D変換の適用や、ハードウェア・テクスチャーのコンテンツを事前キャッシュした表面レンダリングにおいて、ハードウェア・アクセラレーションを使うことができるとのことだ。