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Apple、Google、Microsoftの比較

原文(投稿日:2011/01/14)へのリンク

Gartner ウェビナー (PDF) において、今日のソフトウェア業界の主要なプレイヤ3社であるApple、Google、Microsoftを比較している。このwebinarでは、今日、各社がどのような立場にあるのか、また、互いの競争によって、どのようにITの決定に影響を及ぼすのかを見ようとしている。TheOpenSourcery では、機敏性とオープン性という異なる視点からこれらの企業を比較する。

Gartnerフェローであり、副社長のTom Austin氏、同じくGartnerフェローであり、副社長のDavid Mitchell Smith氏は、“Google vs. Microsoft: The Battle for Future Dominance (and Apples Sneak Attack)” (Google対Microsoft - 将来の支配者としての戦い(とAppleの奇襲))というウェビナー (PDF)(登録が必要)を行い、Apple、Google、Microsoftを比較しながら、主な特徴や現在の経済状況、将来の予想がどうなっているか、企業でどのように見られているか、お互いに主要な製品を比べてどうか、そして、これらの企業の対立によって、ITの決定はどのように影響を受けるかについて述べた。

Tom Austin氏は、Appleについて以下の特徴を力説した。

  • Appleは消費者指向の会社だ。企業を二の次にして、極端に一般消費者向けにする。
  • Appleは、デザインとユーザエクスペリエンスに注目している。
  • 2つの主要なOSは、Mac OS X と iOSだ。
  • iOSは、2つの異なるプラットフォームで使う。閉ざされて、厳しく制御されているApp Storeと、Appleが貢献するオープンテクノロジであるHTML5だ。
  • Appleが自分たちのクラウドデータセンタを建設中だといううわさがある。
  • Googleのモバイル分野への参入に応えて、広告ビジネスの領域を試そうとしている。

Googleについて、Tom Austin氏は特に次のように述べた。

  • Googleは情報を民主化するビジネスをしている。
  • Googleは「次の20億ユーザ」に注目する。Googleにとって、企業は二の次だ。
  • 目標を達成するのを妨害する可能性があるものに、かなり関心を持っている。ネットワークプロバイダ、Silverlightを持つMicrosoftなどのRIAソリューションプロバイダ、MicrosoftやAppleなどのOSプロバイダ、広告を通して情報を表示することでお金を生み出すGoogleの能力を妨害するかもしれないもの。
  • Googleは、まったく新しいクラウドベースのインフラストラクチャを構築する急進的な革新者だ。
  • 他のサービスによって利用されるGoogleの検索インフラストラクチャは、ゼロから作られた。自分たちのマザーボードを設計し、世界中で数十万、数百万というマシンを通して自分たちが作ったものを配布するための仕組みを送りだしながら、自分たちのネットワークソリューションを使う。この技術のために、Austin氏はGoogleを「クラウドコンピューティングリーダー」とみなしている。

David Mitchell Smith氏はMicrosoftについて次のように述べた。

  • Microsoftは技術を民主化するビジネスをしている。「一家に一台のパソコンというのが、長い間、この会社の未来像」であり、今では達成している。
  • 企業もターゲットとし、なんとかうまくやっている。
  • Microsoftは、プラットフォームの会社であり、「物の周辺のエコシステムとそれらからお金を儲けること」を作り出している。
  • Microsoftは、検索と広告マーケットに参入してGoogleの領分を侵しつつ、Windows と Officeを超えて拡張しようとしてきた。それに反応して、Googleは企業とOSビジネスに参入することで不釣合いな戦いを始めた。そうすることで、Microsoftがこれらの分野に集中し、検索と広告に注目しないようにさせたのだ。この戦いは、不釣合いであった。Microsoftは、企業の顧客に勝つために、Googleよりもずっと多くの資金を使わなければならなかった。
  • プロジェクトを始めて、潜在的ユーザが受け入れない場合には簡単に投げ捨てるGoogleとは違い、Microsoftは物事を正しく行うことにかなり固執し、通常、3度目になんとかやり遂げる。

Austin氏とSmith氏によると、MicrosoftとGoogleは両方とも経済的にうまくいっているが、どちらも成長していない。そのため、両者とも成長の機会をうかがっている。Microsoftは検索と広告ビジネスのシェアを手に入れたい一方で、クラウドコンピューティングの分野にいるGoogleの計画は、それほど予想できるものではない。Googleは、Chrome、Check-out、Analytics、YouTube、Searchといった、あらゆるツールを構築してきた。そして、IP、ロケーション、検索履歴、閲覧ウェブサイト、視聴ビデオ、ツィートなど、人々の非常に多くのデータにアクセスしてきた。このため、Gartnerのアナリストたちが考えたのは、Googleがユーザの詳細なデータにこっそり忍び寄り、「社会と人口統計学のトレンド、行動目標、潜在的な社会的プロファイル、個人的な好み」を使って、「情報の民主化」をどのようにお金にできるかということだ。

Appleの話は違う。Appleは、ここ数年、著しい成長を見せている。iPod、iPhone、iPadは、健全なサインを表し、この会社の利益を増加させている。

以下は、これら3つの会社が企業でどのように認識されているかに関するGartnerの調査だ。

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TheOpenSourceryは、外部からの認識するソフトウェア開発の機敏性とオープン性という異なった視点から、Apple、Google、そして、Microsoftを比較した。Appleは、長期間にわたって繰り返し秘密主義を貫き、必要であれば迅速に反応する機敏性を持つと見られている。

Apple – 一般的な方向性を持つが、全体的な計画の詳細やその手段については発表しない。むしろ反対に、それらの詳細は極端なほど秘密裏に置かれている。そのため、クライアントや顧客とのテストや共同設計も、極端に秘密にされる。主要なアップデートのサイクルは通常1年だが、主要なアップグレードや最近のiPhoneやiPadで見られた不具合修正は非常に少ない。

Googleは相反するレビュー結果だった。とてもオープンな時もあれば、Appleのように秘密主義の時もある。

Google – 一般的な方向性を準備して紹介する。それから、1つか2つのイテレーションで撤退するか、方向を変えるか、主要プロジェクトの作業を延期する。2つ例を挙げると、Google WaveとNexus One Smartphoneだ。Googleは、詳細な計画に関してオープンであることに相反する記録がある。あるプロジェクトは明確であり、他のプロジェクトではAppleと同じく秘密主義だ。しかしながら、一度基本的なAPIを示すと、プロジェクトはもっとオープンになる。クライアントは、たびたびベータテストをするために初期の段階で呼ばれる。[Google BooksやGoogle Mapsを考えてみよう] そして、ソフトウェアに対する反応を調査される。プロジェクトは、3-6ヶ月のサイクルで短いアップデートを行う傾向がある。[AndroidやGoogle Docsを考えよう] しかし、これはより長い1年か、最初の計画を練る時間を終えた後のことかもしれない。

Microsoftはときどきオープンであり、長期的な開発サイクルを持つ。

Microsoft – 戦略的な計画と方向性を提供する。次々に出されてきたWindowsは、1つの重大な第一歩と共に、CES 2011において、Steve Ballmer氏によって再び一新された。独占的にIntel x86 プラットフォームを選択する代わりに、MicrosoftはARM CPU+Systemアーキテクチャを追加した。しかし、OSはWindows Phone 7ではなく、Windows 7だろう。[主に同じ言語のツールで構築されているが、いくつかの新しいOSの設計と実装の手法を持つ。]
Googleのように、Microsoftは、どのように詳細な計画を実行するかについて、相反するものがある。ある時はオープンであり、またある時は極端な秘密主義だ。しかし、Microsoftは、時には何千ものユーザの参加者と名声のある初期クライアント/企業の導入者たちを参加させて、ほぼ必ず実質的なベータプロセスを設けている。しかしながら、Microsoftのソフトウェアは、通常、何年間も吟味された非常に長期的な納品サイクルを持つ。典型的なものは、XPからVistaへの最近のWindowsのサイクルが4-5年であり、Windows7からWindows8は2-3年になりそうだ。VistaからWindows 7へのWindows 7 アップグレードでさえ、1年よりも長かった。IEブラウザのようなより小さなソフトウェアプロジェクトでさえ、Microsoftの開発サイクルはとても長い。IE6からIE7は6年以上かかった。Bill Gates氏がIE7の後のもっと速いアップグレードサイクルを約束した後でさえ、IE8は2年以上かかり、IE9は同様に2年のサイクルになりそうだ。

各社とも長所と欠点を持つ。そして、長い間、存在し続けるだろうが、その発展を予測することはとても難しい。1社が、Apple、Google、Microsoftのいずれかと共に進むことを選択する場合、可能な限りベンダを閉じ込めるのを避けるとよいだろう。

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