RedGate の 発表による と .NET Reflector がバージョン 7 から有償製品になるという。$35 の値札が付けられたこの製品版は，2011年3月初頭より提供開始の予定である。現在は逆アセンブルコードによるデバッグ機能を備えた Reflector Pro が $95 で販売されている。
.NET Reflector はもともと，Microsoft で Expression を担当していた Lutz Reoder 氏が開発したものだ。2008 年にこれを RedGate に売却したとき，同氏は 今後も製品はフリーである と言っている。
Red Gate はこれからも無償のコミュニティバージョンを提供して，将来のバージョンに対するフィードバックとアイデアを引き続き求めていきます。
RedGate の共同創立者である Simon Galbraith 氏は ".NET Reflector のこれから (The future of .NET Reflector)" と題したインタビューの中で，今後フリーでの提供は行わない予定である，とコメントしている。それによれば，
Reflector を所有することには，ビジネス上の意義がありません。開発の継続がビジネスとして成立しないのです。Reflector はツールとして現在の状態に留まったまま，新たなモバイルデバイスや，.NET プラットフォームの新バージョンなどの新技術に対応しなければなりません …
私たちはそのような (フリー提供を継続する) ことを約束してはいませんでしたが，そうでありたいと強く願っていました。Reflector を有償とする私たちの決定に憤慨され，あるいは失望されている方々には本当に申し訳ないと思っています。また私たちがかって，それを有償化しないなどと声明したことについて，大変に後悔しています。そのようなことをすべきではなかったと，今さらながら思います。
Galbraith 氏はまた，当初は Reflector に興味を持った人々が，同社の他のツールの購入を検討してくれることを期待していたが，結局それは実現しなかった，とも言っている。Reflector を愛用する開発者が Reflector Pro を購入してくれるのでは，という期待もあったが，Galbraith 氏によるとこれも実現しなかったという。
今回の変更を不満に思った多数の開発者が，それを コメントとして 寄せている。Reflector のアップデートシステムによって，有効期限以降の使用が不可能になることに腹を立てている人たちもいる。彼らは v.7 を購入するか，さもなくばこのツールの使用を完全に止めることになるだろう。現行のバージョン６の有効期限は 2011年3月31日だ。RedGate にコードのオープンソース化を求めたり，あるいは Roeder 氏のオリジナルコードを使用したオープンソースバージョン構築の可能性を問う声もある。しかし Reflector はオープンソースプログラムではなかったため，RedGate が Reflector への関心を失ってオープンソースにしない限り，そのようなことは実現しそうもない。
コントリビュータとして Reflector 用の アドイン をいくつも作成している Jason Haley 氏は，自身が Reflector の有効期限機能に気付いた 6 年前に 逆アセンブラの開発 を考えたことがある，と言っている。
昨日私は，‘Reflector’ についての Twitter での人々の発言を見ていました ... そこで私は，自分自身が 6 年前に通勤電車の中で体験したのと同じ事実に，今たくさんの人たちが直面させられていることを知りました。当時 Reflector を開こうとしたとき，アップデートをしなければ動作しない状態になっていたのです。なんなんだ？ ... もう Reflector を使えないって，どうすればいいんだ？
逆アセンブルと逆コンパイルに関心を持ったのは，まさにその時です。
しばらくそれに取り組んだ後 ，"時間を費やすだけの価値がない" という考えに達した氏は，アドインを作成することを選択し，それを実行した。つまり氏の結論は，自分で作成するよりもツールに $35 払う方がずっと簡単，ということだ。
Lutz が Reflector のメンテナンスをせず，フリーにもならない，ということを今，どう考えればよいのでしょうか？ 結論は同じ，Reflector が $35 で入手できる以上，逆コンパイラ/逆アセンブラを自分で作るのは時間の無駄，ということです。さらに言えば，– もし私自身が作成するのなら – 私もそれを販売して対価を得たいと思うでしょう。
Galbraith 氏は先の インタビューで，$35 という価格を将来的にも維持したいと考えてはいるが，何も約束はできない，と加えている。すべては Reflector の購入者がどれだけいるかにかかっているのだ。