モバイルでのコラボレーションとプロセス中心のデータ、そしてビジネスインテリジェンスがForresterの技術トレンドの筆頭に挙げられている。Forresterの主席アナリストであるGene Leganza氏は先月、エンタープライズアーキテクトがこれから3年間(2011-2013)に注目すべき15の技術トレンドについて話をした。このレポートはGlobal Technology Trends Online Survey Forresterグループが昨年実施した調査に基づいている。これから3年間で自分の組織に影響を与える40以上の技術について回答者に等級を付けてもらうことで調査した。この40以上の技術をForresterが選んだ基準には、ビジネスへの影響、ITへの影響、"新しさ"(企業がほとんど知識や経験を持っていない技術分野)、そして複雑さだ。氏はプレゼンの中で4つの主な技術トレンドについて話をしている。
- 力を与える技術
- プロセス中心のデータとインテリジェンス
- アジャイル目的に合致したアプリケーション
- スマートな技術管理
力を与える技術について、氏はSoftware as a Service (SaaS)とクラウドベースのプラットフォームが一般的になり、顧客のコミュニティのプラットフォームがビジネスアプリケーションに統合されるだろうと言った。アプリケーションとビジネスプロセスは強力なデバイスと高速なネットワークを使ったモバイルの分野に進出する。テレプレゼンス技術が広く使われるようになる。コラボレーションプラットフォームはドキュメント中心ではなくユーザが中心になる。このようなプラットフォームはプロファイリングやタギング、コミュニティなどのWeb 2.0の力が利用される。
プロセス中心のデータとインテリジェンスというテーマでは、次世代ビジネスインテリジェンス(BI)が具体化し、Infrastructure as a Service (IaaS)が広く使われるようになる。組織はIaaSをデータソースを仮想化するだけでなくデータウエアハウスをエミュレートするために使っている。マスタデータマネジメント(MDM)のような他の技術も成熟して、ビジネスの文脈に基づいて適切なときに適切なデータを提供できるようになる。また、テキストとソーシャルネットワークが分析の対象になる。ビジネスリーダーはメールやコールセンターのノートなど社内のアプリケーション内の構造化されていないコンテンツを解析するためにテキスト分析ツールを開発し始めている。また、Twitterやフォーラムのようなソーシャルメディアにある、企業が注目しなければならないテキストデータも同様に分析の対象となる。また企業は、ソーシャルネットワークの分析も始めている。人やグループ、企業、そしてそれらの組織が扱う物事の関連を見つけ、マッピングし、可視化するためのデータマイニングを行うためだ。
3つ目のテーマであるアジャイルと目的に合致したアプリケーションについては、ビジネスルールプロセッシングのようなトレンドが主流になる。また、Web 2.0がビジネスプロセスマネジメントを可能にする。イベント駆動パターンにもより多くの注目が集まる。スマートデバイスから従来の情報にアクセスすることや金融取引アプリケーションのような従来のデータソースがイベントプロセッシングシステムへの注目を集めるきっかけとなった。不正検知やロジスティクス、法の執行などで利用このようなシステムを利用するためだ。ソーシャルメディアベースの顧客サービスやソーシャルメディアの分析に必要なテキスト分析もイベントプロセッシングアーキテクチャへの関心を高めている。
最後のテーマであるスマートな技術管理については、継続的な仮想化が実現してクラウドに対してアクセスするように情報にアクセスできるようになる。クライアントの仮想化も行われ、ユビキタスな環境が生まれる。ITの分野では熟練の技術者やリスクの影響度、ビジネスの優先順位のようなITが扱う項目の関連付け、分析するためのツールを導入される。
氏はこれらの中の最も影響がある2つ以上の技術が組合わさった場合について議論してプレゼンを締めくくった。例えば、SaaSとクラウドベースのプラットフォームの組み合わせやビジネスルールプロセッシングやポリシーベースのSOAはビジネスとITの双方の分野に大きな影響を与えるだろう。