NEC corporation は先日の Enterpris Connect 2011 展示会で，リッチ・インターネットアプリケーションおよび IT アーキテクチャ指向の Unified Communication & Collaboration (UC&C) プラットフォーム・ソフトウェアアーキテクチャ を実演した。企業と顧客間のコラボレーションソリューションとしてリッチインターネットアプリケーションを使用する，仮想化プラットフォームである。
NEC は幅広い分野を対象にハードウェアとソフトウェアを提供している。同社が指向する市場セグメントのひとつとして，エンタープライズネットワーク＆コミュニケーションがある。ソフトウェアアーキテクチャとしての UC&C は，その分野における同社 UNIVERGE 製品ファミリの一翼を担うものだ。insideCTI 情報ポータルのレポート によると，UC&C がターゲットとするのは IT マネージャとコネクテッドワークフォース (connected workforce) である。
NEC の説明する UC&C とは，
汎用インフラストラクチャ上においてオープンスタンダードを提供し，既存 の IT 仮想化やクラウドコンピューティング，セキュリティ手法，ディレクトリ構造，アプリケーション提供モデルなどとの協調性を保持し，なおかつ操作管理の容易な分散 IT サービスプラットフォームである。
新たな UC&C ソリューションは，PC やモバイルデバイスといった異なるプラットフォームに展開可能である。これは主としてオープンスタンダード，Javaアプリケーションフレームワーク，および Flash ベースの RIA 技術を用いて実現されている。ただし NEC Sphere Communications の上級副社長である Todd Landry 氏の説明によれば，将来的に HTML5 への移行が計画されているため，iPhone や iPad などの Adobe Flash をサポートしないデバイスに対してこれが大きな問題になることはない，ということだ。また RIA 技術を利用するメリットとして，ユーザのディスクトップ管理と更新がWeb ベースの配信アプローチによって比較的容易な点もあげられる。
ユーザの役割に応じて異なったサービスとメディアリソースを設定可能な IT である，という点で，UC&C はユーザ指向であると言ってよいだろう。なおユーザのログインには，HTTPS ベースのセキュリティ ID を使用する。
NEC は UC&C の一般公開について，今年後半の予定であると発表している。